この話、「道化師の慟哭」の将軍サイドになります。
一票でも票が入ったから、GOサインが出たものと思ってやっちまいます。
カテゴリは「道化師~」と一緒ですが、中身は将軍と行灯です。
サイト掲載時にまた分類に迷いそうだな、こりゃ。
サイト20000突破です。
日頃のご愛顧に感謝いたします。
記念企画、とか何にも出来ませんが、その分こまめ更新で還元しようと思っておりますです、ハイ。
キリ番報告無いのがちょっと残念……ヒットした方、是非ご一報下さいませ。
後記:予想以上に長くなったので、一度切ります。前後編。うっわ~マジで予想外!
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記念企画、とか何にも出来ませんが、その分こまめ更新で還元しようと思っておりますです、ハイ。
キリ番報告無いのがちょっと残念……ヒットした方、是非ご一報下さいませ。
後記:予想以上に長くなったので、一度切ります。前後編。うっわ~マジで予想外!
「田口先輩って、何か俺ら避けてません?」
彦根がそう言いだした時、速水は瞬間笑った。
あのぼーっとした昼行灯に、避けるという行為は似つかわしくなかった。大体が「避ける」という行為には、積極的に出歩く前提があるような気がする。
田口の場合、そもそも出歩くことも少ないから、ちょっと引き篭もれば顔を合わせなくなるのもすぐだ。
そう思って、そういえば顔を合わせていないな、と思った。
道理で、最近時間を持て余しているような気がしていたワケだ。
同じように考えたのだろう、同じようなタイミングで島津も、
「そういや最近顔見てないな」
と呟く。
彦根はしたり顔で頷いた。
「でしょ?」
「だからって避けてるってことにはならないだろ。単にアイツ、面倒くさがって出てきてないだけかもしれないし」
「いや、学校には居ますもん。こないだ図書館で寝てるの見ましたし」
島津と彦根の会話が、速水の表面を上滑りしていく。
無性に、あのぼーっとした顔が見たいと思った。
暫くすると、田口は以前のように三人とツルむようになった。
速水はそれに安心した。
今も流行りの推理小説の話を彦根と交わしている。
トリックの奇抜さより心理描写の圧倒的なリアルを説く田口の声を聞きながら、速水は口を挟んだ。
「そんなに面白いのか? だったら今度貸せよ」
田口の表情が一瞬固まった。
ほんの一瞬だ、速水だって勘違いだと思うほどの短い時間だった。
速水が疑問を抱くより先に田口は笑う。
「お前に貸したら返ってこないからなぁ」
苦笑と、呆れたような柔らかい声音はいつも通りだった。
少なくとも、速水はそう思った。
速水が、自分の観察間違いに気付いたのは飲み会の席だった。
すずめ四天王で、久しぶりに外で呑んだ時だ。
速水の前には島津、その隣りに田口が座っている。速水自身の隣りは彦根だった。
いつも通り、バカな宴席だった。
どうでもよさそうな些細なきっかけで、速水は彦根の首を締めた。彦根が笑いながら速水の腕を叩く。
ふと、視界の端の景色が動いた。
視線を上げれば、田口が島津の耳元に口を寄せて、何かを囁いている。
その距離の近さにまず驚いた。
内緒話なので、話の中身は聞こえない。
だけど島津が呆れたような顔で苦笑を浮かべる。田口が笑う。
「…………何だよ、それ」
速水は知らず呟いていた。
彦根がそう言いだした時、速水は瞬間笑った。
あのぼーっとした昼行灯に、避けるという行為は似つかわしくなかった。大体が「避ける」という行為には、積極的に出歩く前提があるような気がする。
田口の場合、そもそも出歩くことも少ないから、ちょっと引き篭もれば顔を合わせなくなるのもすぐだ。
そう思って、そういえば顔を合わせていないな、と思った。
道理で、最近時間を持て余しているような気がしていたワケだ。
同じように考えたのだろう、同じようなタイミングで島津も、
「そういや最近顔見てないな」
と呟く。
彦根はしたり顔で頷いた。
「でしょ?」
「だからって避けてるってことにはならないだろ。単にアイツ、面倒くさがって出てきてないだけかもしれないし」
「いや、学校には居ますもん。こないだ図書館で寝てるの見ましたし」
島津と彦根の会話が、速水の表面を上滑りしていく。
無性に、あのぼーっとした顔が見たいと思った。
暫くすると、田口は以前のように三人とツルむようになった。
速水はそれに安心した。
今も流行りの推理小説の話を彦根と交わしている。
トリックの奇抜さより心理描写の圧倒的なリアルを説く田口の声を聞きながら、速水は口を挟んだ。
「そんなに面白いのか? だったら今度貸せよ」
田口の表情が一瞬固まった。
ほんの一瞬だ、速水だって勘違いだと思うほどの短い時間だった。
速水が疑問を抱くより先に田口は笑う。
「お前に貸したら返ってこないからなぁ」
苦笑と、呆れたような柔らかい声音はいつも通りだった。
少なくとも、速水はそう思った。
速水が、自分の観察間違いに気付いたのは飲み会の席だった。
すずめ四天王で、久しぶりに外で呑んだ時だ。
速水の前には島津、その隣りに田口が座っている。速水自身の隣りは彦根だった。
いつも通り、バカな宴席だった。
どうでもよさそうな些細なきっかけで、速水は彦根の首を締めた。彦根が笑いながら速水の腕を叩く。
ふと、視界の端の景色が動いた。
視線を上げれば、田口が島津の耳元に口を寄せて、何かを囁いている。
その距離の近さにまず驚いた。
内緒話なので、話の中身は聞こえない。
だけど島津が呆れたような顔で苦笑を浮かべる。田口が笑う。
「…………何だよ、それ」
速水は知らず呟いていた。
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