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大した理由ではないのですが、「Letter From2」を「Letter To」に改題しました。
さて、9月14日はメンズ・バレンタインデーです。合わせてセプテンバー・バレンタインというのもあります。
ホント、恋人たちのイベントは無駄に多い。
イベントの中身の詳細は作中で語ってもらうことにしまして、タイトルでお察しの通り行灯先生女の子バージョンです。単純に男物より女物の方が選ぶの楽しいからです。●●を。苦手な人は回頭回避。
両想い設定、時間軸はどの辺りにしようか……メンズ・バレンタインの制定が実は1991年なので、それ以降になりますね。不定愁訴外来室が便利なので、場所は不定愁訴外来で。
余談ですが、男女で20年付き合ってなーんにも無しってことは無いと思う。当サイトの標準仕様「学生時代から付き合ってて、今では熟年ラブ甘な二人」は男同士の設定だ。
霧島の脳内個人設定ですが、行灯先生女の子バージョンの場合、この二人はデキ婚です。学生時代に交際始めて、医者になって数年目で結婚して、後は夫婦仲良く東城大病院勤めです。仕事の関係上、夫婦別姓かもしれんが。
大した理由ではないのですが、「Letter From2」を「Letter To」に改題しました。
さて、9月14日はメンズ・バレンタインデーです。合わせてセプテンバー・バレンタインというのもあります。
ホント、恋人たちのイベントは無駄に多い。
イベントの中身の詳細は作中で語ってもらうことにしまして、タイトルでお察しの通り行灯先生女の子バージョンです。単純に男物より女物の方が選ぶの楽しいからです。●●を。苦手な人は回頭回避。
両想い設定、時間軸はどの辺りにしようか……メンズ・バレンタインの制定が実は1991年なので、それ以降になりますね。不定愁訴外来室が便利なので、場所は不定愁訴外来で。
余談ですが、男女で20年付き合ってなーんにも無しってことは無いと思う。当サイトの標準仕様「学生時代から付き合ってて、今では熟年ラブ甘な二人」は男同士の設定だ。
霧島の脳内個人設定ですが、行灯先生女の子バージョンの場合、この二人はデキ婚です。学生時代に交際始めて、医者になって数年目で結婚して、後は夫婦仲良く東城大病院勤めです。仕事の関係上、夫婦別姓かもしれんが。
「ほい、これ。やるよ」
「ん? 何で??」
速水が寄越した袋を手に取りながら、田口は首を傾げた。
嵩張っているわりには軽い。衣類だと推測する。
速水はニヤニヤと笑った。
田口は本能的に、ろくなモンじゃないなと思う。
田口の表情を読み取ったのか、やはり速水はチェシャ猫のように笑った。
「開けてみ?」
「うん…………っ」
金モールを解いて、中を探る。
薄い不織布で包まれた形に田口はぎょっとした。
これは、ブラジャーを購入する際の包装だ。
「え、何っ?!」
「ははっ!」
田口のビックリした顔がよほど面白かったのか、速水は声を上げて笑った。
田口は袋の中と速水の顔を交互に見るしか出来なかった。
ちらっと不織布をずらすと、予想通り淡いグリーンのブラジャーが包まれている。その奥にあるのは揃いのショーツと見た。
病院でランジェリー。速水からランジェリー。
いろいろともう、田口の思考回路はいっぱいいっぱいだ。
笑い止んだ速水は、今度は根性の悪い笑顔ではなく楽しそうな笑顔を作って口を開いた。
「今日って9月14日だろ? メンズ・バレンタインデーって言うらしくてさ、男の方から積極的に愛を表現しようって日なんだと。プレゼントは下着」
「何でまた下着?」
「言い出したのが下着業界らしいからなぁ……サイズは合ってる筈だぞ」
「言うなっ!」
肉体関係もあるのだ、速水が田口の下着のサイズを調べるくらいは造作もないことである。
が、速水が人の下着を漁ってサイズを確認していたと思うと、どうしてか田口の方が恥ずかしくなってくる。速水ファンの女性看護師には絶対知られてはならない話だ。
当の本人は、世の中面白い記念日があるもんだ、などと平然としている。
「ところで、男が下着を贈る意味は解ってるよな?」
「五月蠅いっ!」
再びのニヤニヤ笑いと共に告げられた速水の言葉に、田口は悲鳴を上げて用意していた封筒を突き出した。
今度は速水の方がきょとんとした顔になった。
まずは深呼吸をし、田口は気持ちを落ち着けた。
少し冷静にならないと、この手のことは上手く運ばない。
「私の方も、お前に渡すものがあるんだ。実は今日って、セプテンバー・バレンタインっていうのもあるんだって」
「へえ……女の方にもあるのか。で、手紙?」
「うん。紫色の物を身につけて、白いマニキュアして、緑色のインクで……」
言いながら、田口は自分の首に提げていたアメジストのネックレスを指差し、手を翻して白く塗った爪を見せつけた。
突き出した封筒には、緑色のボールペンで表書きに「速水へ」とだけ書かれている。
テーブルの上に置かれた封筒に速水の手が伸びかけた。
そのタイミングを狙って、言葉を投げる。
「……サヨナラの手紙を書いて別れを切り出していい日なんだって」
速水の手が空中で止まった。
先ほどまで笑っていた顔が固まって、鋭い目で田口を睨んだ。
余人が見たら震え上がるだろう視線を、田口は笑顔とともに受け流す。
「…………俺は別れる気はないぞ」
「中見てからにして」
低い声で言う速水に、田口は有無を言わさぬ口調で言った。
暫く躊躇っていた速水だったが、そろりそろりと封筒を持ち上げる。
速水の長い指が糊付していない封を捲るのを、田口はじっと見守っていた。
四つ折りにして突っ込んでいた事務用便箋を速水が広げる。
速水の目が見開いて、呆気に取られたように口がぽかんと開くのを、田口は実に楽しく観察した。
そのマヌケな顔のまま、速水は便箋から田口に視線を移す。
「…………何だよ、コレ」
「そうやって、引っかかってくれるところも大好きよv」
唖然とした速水に止めを刺すべく、可愛らしい声を意識しながら田口は笑って言った。
便箋に書かれていたのは、「う・そ」という大きな字と、隅っこに「大好き」の小さな一言だ。緑のインクだが、別れの手紙ではない。
田口流の冗談だということを理解した速水は、ずるずると力を抜いてソファに大きく背中を預けた。長い溜息を吐いている。
「お前の冗談はほんっとタチ悪ぃ………マジで焦っただろ」
「嫌いになった?」
疲れたように呟く速水に、田口は軽く問いかけた。自信が無ければ言えないセリフだ。
自信は、あった。
「ならないよ、ったく。あーあ、俺って可哀想。散々弄ばれてよ」
「ゴメンって」
速水は笑って言ったが、少し拗ねモードも入り始めた。
田口はテーブルを回って速水の前に立つと、速水の額や瞼に小さくキスを落とした。
心得た速水も田口の腰に腕を回し、緩く身体に触れながらキスを受け止める。
仕事場なので長いキスはせず、最後に唇に小さなキスを落として田口は速水の顔を覗き込んだ。速水の腕は相変わらず田口の腰を抱いている。
「許してくれる?」
「あの下着着て、サービスしてくれたらな」
「やっぱりそうなるのか…………」
甘い雰囲気の中で囁いたら、速水がニヤリと笑って言った。
さっきまでしょげてたくせに、今度は親父発言だ。やっぱりコレも、速水ファンの女性看護師たちには聞かせられない話である。
田口が溜息をと共に呟くと、速水は喉の奥で笑ってもう一度キスを寄越したのだった。
「ん? 何で??」
速水が寄越した袋を手に取りながら、田口は首を傾げた。
嵩張っているわりには軽い。衣類だと推測する。
速水はニヤニヤと笑った。
田口は本能的に、ろくなモンじゃないなと思う。
田口の表情を読み取ったのか、やはり速水はチェシャ猫のように笑った。
「開けてみ?」
「うん…………っ」
金モールを解いて、中を探る。
薄い不織布で包まれた形に田口はぎょっとした。
これは、ブラジャーを購入する際の包装だ。
「え、何っ?!」
「ははっ!」
田口のビックリした顔がよほど面白かったのか、速水は声を上げて笑った。
田口は袋の中と速水の顔を交互に見るしか出来なかった。
ちらっと不織布をずらすと、予想通り淡いグリーンのブラジャーが包まれている。その奥にあるのは揃いのショーツと見た。
病院でランジェリー。速水からランジェリー。
いろいろともう、田口の思考回路はいっぱいいっぱいだ。
笑い止んだ速水は、今度は根性の悪い笑顔ではなく楽しそうな笑顔を作って口を開いた。
「今日って9月14日だろ? メンズ・バレンタインデーって言うらしくてさ、男の方から積極的に愛を表現しようって日なんだと。プレゼントは下着」
「何でまた下着?」
「言い出したのが下着業界らしいからなぁ……サイズは合ってる筈だぞ」
「言うなっ!」
肉体関係もあるのだ、速水が田口の下着のサイズを調べるくらいは造作もないことである。
が、速水が人の下着を漁ってサイズを確認していたと思うと、どうしてか田口の方が恥ずかしくなってくる。速水ファンの女性看護師には絶対知られてはならない話だ。
当の本人は、世の中面白い記念日があるもんだ、などと平然としている。
「ところで、男が下着を贈る意味は解ってるよな?」
「五月蠅いっ!」
再びのニヤニヤ笑いと共に告げられた速水の言葉に、田口は悲鳴を上げて用意していた封筒を突き出した。
今度は速水の方がきょとんとした顔になった。
まずは深呼吸をし、田口は気持ちを落ち着けた。
少し冷静にならないと、この手のことは上手く運ばない。
「私の方も、お前に渡すものがあるんだ。実は今日って、セプテンバー・バレンタインっていうのもあるんだって」
「へえ……女の方にもあるのか。で、手紙?」
「うん。紫色の物を身につけて、白いマニキュアして、緑色のインクで……」
言いながら、田口は自分の首に提げていたアメジストのネックレスを指差し、手を翻して白く塗った爪を見せつけた。
突き出した封筒には、緑色のボールペンで表書きに「速水へ」とだけ書かれている。
テーブルの上に置かれた封筒に速水の手が伸びかけた。
そのタイミングを狙って、言葉を投げる。
「……サヨナラの手紙を書いて別れを切り出していい日なんだって」
速水の手が空中で止まった。
先ほどまで笑っていた顔が固まって、鋭い目で田口を睨んだ。
余人が見たら震え上がるだろう視線を、田口は笑顔とともに受け流す。
「…………俺は別れる気はないぞ」
「中見てからにして」
低い声で言う速水に、田口は有無を言わさぬ口調で言った。
暫く躊躇っていた速水だったが、そろりそろりと封筒を持ち上げる。
速水の長い指が糊付していない封を捲るのを、田口はじっと見守っていた。
四つ折りにして突っ込んでいた事務用便箋を速水が広げる。
速水の目が見開いて、呆気に取られたように口がぽかんと開くのを、田口は実に楽しく観察した。
そのマヌケな顔のまま、速水は便箋から田口に視線を移す。
「…………何だよ、コレ」
「そうやって、引っかかってくれるところも大好きよv」
唖然とした速水に止めを刺すべく、可愛らしい声を意識しながら田口は笑って言った。
便箋に書かれていたのは、「う・そ」という大きな字と、隅っこに「大好き」の小さな一言だ。緑のインクだが、別れの手紙ではない。
田口流の冗談だということを理解した速水は、ずるずると力を抜いてソファに大きく背中を預けた。長い溜息を吐いている。
「お前の冗談はほんっとタチ悪ぃ………マジで焦っただろ」
「嫌いになった?」
疲れたように呟く速水に、田口は軽く問いかけた。自信が無ければ言えないセリフだ。
自信は、あった。
「ならないよ、ったく。あーあ、俺って可哀想。散々弄ばれてよ」
「ゴメンって」
速水は笑って言ったが、少し拗ねモードも入り始めた。
田口はテーブルを回って速水の前に立つと、速水の額や瞼に小さくキスを落とした。
心得た速水も田口の腰に腕を回し、緩く身体に触れながらキスを受け止める。
仕事場なので長いキスはせず、最後に唇に小さなキスを落として田口は速水の顔を覗き込んだ。速水の腕は相変わらず田口の腰を抱いている。
「許してくれる?」
「あの下着着て、サービスしてくれたらな」
「やっぱりそうなるのか…………」
甘い雰囲気の中で囁いたら、速水がニヤリと笑って言った。
さっきまでしょげてたくせに、今度は親父発言だ。やっぱりコレも、速水ファンの女性看護師たちには聞かせられない話である。
田口が溜息をと共に呟くと、速水は喉の奥で笑ってもう一度キスを寄越したのだった。
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