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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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「スペシャルスロウライフ・9」に、思いっきり脱字があったので訂正しております。
脱字って言うか、脱語……脱字レベルじゃないよ、コレ。


個人的なことですが、資格試験が終了してホッとしているところです。
会社のお金で受験する(しかも落ちたら二回目はお金出してくれない)のと、周囲への見栄があって、落ちるのはすっごくイヤだったのですが、手応えは悪くないデス。
これで心置きなくサイト遊び&更新が出来ますぜ!
今までも更新してたけど、そこはかとなく疚しかったのデス。一応。


某所から「眼鏡ものを……」と囁かれたので調子に乗ってみることにしました。
しかしカメ優先ですので、またもコメント利用のSSSです。
眼鏡萌えどころか、陰険漫才になったかもしれない……ゴメンねー。


追記:何かやーな予感してきた。増えそう。ヤバい。

「速水、ホント何処行ったんだかなぁ」

田口は首を傾げて、困った顔で呟いた。
田口が困ってしまう理由も解る。
預かってしまったカノジョからの伝言を、早目に届けたいのだろう。
そして、そんな田口を見上げる速水は、

(ここにいるんだけどなぁ)

と心の中で溜息を吐くしかなかった。
相変わらず速水はカメの姿だ。
「運命の人」は未だ見つからないまま、田口にトキメクばかりの日々が続いている。
何だか最近では、このままの生活も幸せな気がしてくる速水だった。
四六時中田口と一緒で、あれこれ世話を焼いて貰えるのだから、考えてみればそう悪くはない…………?

(イヤ、悪いだろ。問題大アリだろ!)

易きに傾く思考を、頭を振って速水は追い払った。
カメが左右にぶんぶん頭を振るのが可笑しかったのか、田口がくすりと笑う。
ただの友達だった時には何とも思わなかったその笑顔が、今では心底可愛く思えるのだから、恋とは何と強烈なものなのだと速水は思わざるを得なかった。



村上に再び会ったのは、カノジョに会った二日後だった。
思い詰めた表情で田口の前に現れたものだから、田口は最初から腰が退けていた。恐ろしいほどに鬼気迫るものがあった。

「…………ちょっと顔貸してくれ、話がある」
「あ、うん…………」

戸惑いながらも田口は頷いた。
速水がいるバケツを提げて、村上の後に続く。
村上は人目を避けて建物の裏手に入って行った。
村上が振り返ると同時に、村上の腕が撓った。

「っっ!!」

(おわっ!)

突然頬に拳を入れられた田口が、身体をよろめかせる。
当然ながら田口が提げているバケツも大きく振られ、バケツの中にいる速水も横に揺すぶられた。遠心力を体感する。

「な、にっ」
「黙れっ! 速水の次はお前なのかよっ?!」

村上の目は常軌を逸していた。
腕を振り回して田口に殴りかかる。
田口の方はワケも解らないまま、避けるばかりだった。

(ちょ、ちょ、ちょっ)

左右に揺すられ、チャプチャプ音を立てるバケツの中で、速水も振り回されていた。
本能的に手足を甲羅の中に引っ込めたが、今度は水に浮いた丸い甲羅がバケツのあちこちにぶつかる。
不意に、下から衝撃が来て水の中の速水は空中に突き上げられた。
カランゴツンゴトンと、天変地異でも起こったかのようにいろんな音が一度に発生する。
首を縮こまらせて嵐が過ぎるのを待ち、周囲が落ち着いた頃を見計らって、様子を探ろうと速水はのそのそ這い出した。
視界に映ったのは、村上に馬乗りに圧し掛かられて、首を絞められている田口の姿だった。
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遅刻した眼鏡の日SSS
救命救急センターの予算是正嘆願書を持って速水が病院長室を訪れると、田口が先客として其処にいた。
田口の方は、リスクマネジメント委員会関係の書類に病院長の承認印を貰う為に来ていたのだ。

「よお」
「ん」

速水が声をかけると、田口はソファに座ったまま顔を上げた。高階が書類に目を通している最中なので、手持無沙汰の田口は茶菓子の包装紙を小さく折り畳んでいる。
そのまま速水は田口の横を通り、病院長のデスクに自分の持ってきた嘆願書を提出して……ふと、気付いた。

「あ、やっぱり眼鏡するんだ」
「…………やっぱり、とは、どういう意味でしょう?」

速水の呟きを聞き咎めて……当然だ、何せ至近距離だったのだから……高階は顔を上げる。
普段の高階は眼鏡は着用しない。
高階の年齢から言っても、書類を読むときに老眼鏡を使用するのはおかしなことではないのだが、指摘されて嬉しくはない、のだろう。
速水が自分の失言に目線を宙へ彷徨わせていると、背後から笑みを含んだ声が聞こえた。

「渋さが増しますよね、眼鏡って」

速水と高階が揃って見る前で、田口はわざとらしいほどニッコリ笑った。
この状況でいい度胸だ、と速水は思う。
高階の方は呆れ半分というか、気が殺がれたような溜息を一つ吐いた。

「今日のところは田口先生に免じておきましょうか」
「……有難う御座います」

高階の一言に、取り敢えずの返事をして、速水は田口の隣りに腰を下ろした。
院長室の立派なソファに身体を沈めながら田口に囁く。

「おべっか遣いめ」
「世渡り上手って言え」

田口からは澄ました一言が返ってきたのだった。
霧島 2009/10/04(Sun)11:22:34 編集
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