カメ連載が終わったので、10月の企画に入ります。
題して「豊年万作食欲の秋企画・甘ラブ砂糖増量月間」です。
食欲の秋です。
アップルパイの秋、モンブランの秋、焼き芋の秋、かぼちゃぷりんの秋です。
霧島の食欲は凡そスィーツ方面に向かいます。
前回がシリアスラブ企画だったので、今回は甘いので攻めようかという企画です。
具体的に言うと、「二人シリーズの二人をくっつけよう!」です。ウチで一番いちゃらぶなのはこの二人だと思います。次点で、ラヴィアンローズのパパとママ。
……行灯先生女の子バージョンが苦手な人にはゴメンなさいな企画です。
うう、ゴメンなさい。でも前からこの二人の続きを書きたかったんだ……。
よろしくお付き合い下さいませ。
23333ヒットの弥生さま。
メッセージ受信しました! 有難う御座います。
リクエストの方なんですけど、「続き」ってことは行灯先生が逃げ出した後のお話、ってことでよいのでしょうか?
23456ヒットの錆兎さま。
メッセージ受信しました! リクエスト有難う御座います。
ひ、昼メロ……ガンバります。気長にお待ち下さると有難いです……。
題して「豊年万作食欲の秋企画・甘ラブ砂糖増量月間」です。
食欲の秋です。
アップルパイの秋、モンブランの秋、焼き芋の秋、かぼちゃぷりんの秋です。
霧島の食欲は凡そスィーツ方面に向かいます。
前回がシリアスラブ企画だったので、今回は甘いので攻めようかという企画です。
具体的に言うと、「二人シリーズの二人をくっつけよう!」です。ウチで一番いちゃらぶなのはこの二人だと思います。次点で、ラヴィアンローズのパパとママ。
……行灯先生女の子バージョンが苦手な人にはゴメンなさいな企画です。
うう、ゴメンなさい。でも前からこの二人の続きを書きたかったんだ……。
よろしくお付き合い下さいませ。
23333ヒットの弥生さま。
メッセージ受信しました! 有難う御座います。
リクエストの方なんですけど、「続き」ってことは行灯先生が逃げ出した後のお話、ってことでよいのでしょうか?
23456ヒットの錆兎さま。
メッセージ受信しました! リクエスト有難う御座います。
ひ、昼メロ……ガンバります。気長にお待ち下さると有難いです……。
速水と田口が二人揃って仏頂面で雀荘「すずめ」にやってきたので、島津は驚いて瞬きをした。
彦根も物珍しそうな顔をしている。
しかも二人は、一緒に歩いていながらお互いそっぽを向いていた。
「何だお前ら、ケンカでもしたのか?」
どちらともなく問いながら、でも違うよなぁと島津は思う。
ケンカ中なら一緒にいる事自体が不可解だ。
「女にフラレた」
「男に逃げられた」
お互いの顔を見ないまま、速水と田口はぶっきらぼうに言った。
それから、指で隣りの人物を指差した。
「「コイツのせいだ」」
速水は親指を横に向けて、田口を。
田口は人差し指を伸ばして、速水を。
そんな二人を見ながら、島津は長い溜息を吐いた。
「なんだ、またですか」
彦根がとても率直に島津の気持ちを代弁した。
彦根の方も呆れ顔だった。
速水は憮然とした表情で呟いた。
「またって何だよ」
「股関節のこと、じゃないですよ」
「彦根、その冗談面白くない」
彦根の冗談口に、本当に面白くなさそうに返すのは田口だ。
速水も田口も不機嫌の仏頂面なのに、息は合っているように見えるのだから島津には不思議でしょうがない。
ザラザラと洗牌しながら、話題は必然的に二人のフラレ話になった。
「何で別れ話になったんです?」
「そこがよく解んねーんだよ」
「だよねー。フツーに喋ってただけなのにさ」
彦根に話を振られ、速水と田口は揃って首を傾げた。
彦根は二人にびしっと指を向けた。
「あんたらのフツーは、あんまりフツーじゃない」
「同感だ」
「「???」」
島津も重々しく頷く。
二人はますますワケが解らないといった様子だった。
具体的に説明するとこうだ。
田口と速水は学食で遭遇した。
田口の向かいには先輩男子が座っており、速水の隣りには後輩女子が佇んでいた。
田口に声をかけたのは速水の方だ。
田口がテーブルの上に出していた、ポッキーに手を伸ばしてのことだった。
背後から田口の頭上に覆い被さるように手を出したのだが、田口は突然現れた速水に特に驚いた様子もなかった。
「もーらい」
「一本百円ね~」
「お前、それボったくり過ぎ」
笑いながらぽきっとスティックを折って咀嚼する。
頭を反らして速水を見上げた田口は、必然的に速水の喉元を見上げる体勢になった。
そしてふと眉を潜めた。
「…………お前、すごい匂いしない? フローラル?」
田口の言葉に速水も眉を潜めたが、心当たりを思い出してすぐ納得の表情になった。
「ん? …………ああ、昨日のホテルのシャンプーじゃねえか? 匂い結構キツかった気がする」
「速水クン、やらし――っ」
学生が平日に使うホテル、など知れている。
田口がにやにや笑うと、速水は顰めっ面を浮かべ、それから反撃にかかった。
「るっせえ、そういうお前は湿布臭ぇじゃねえかよ。何やったんだ?」
「夏屋とバドミントンやって筋肉痛」
「ははっ、運動不足だな。今度道場来いよ、素振りでもしたらどうだ?」
「ヤだよ、あんな臭くて汚いトコ」
「神聖な道場に失礼な奴だな」
そんな会話をして二人は別れたのである。
聞いた島津は彦根と顔を見合わせて、まずは溜息を吐いた。
「んでもってその後、『やっぱり田口さんと付き合ってるんでしょう、二股なんてサイテー』って展開になったんでしょう」
「…………よく解ったな」
「行灯も。『やっぱり彼と付き合ってるんだね』『いいえ、違います』『いや見れば解るよ』ってな展開だろ?」
「…………その通りデス」
彦根が速水、島津が田口に言えば、二人はそれぞれに頷いた。
「何で解るの?」
田口が首を傾げるので、島津は
「お前ら、毎度そのパターンだ」
と断言した。
彦根も大いに頷いた。
「けどよ、何で喋ってただけで付き合ってるになるワケ?」
「あんたら近過ぎるんですよ。匂いが解る距離って、どんだけ近づいてたんですか」
彦根が言うが、速水も田口もよく解らないという顔をしている。
島津は内心、ダメだこりゃ、と思った。
彦根も物珍しそうな顔をしている。
しかも二人は、一緒に歩いていながらお互いそっぽを向いていた。
「何だお前ら、ケンカでもしたのか?」
どちらともなく問いながら、でも違うよなぁと島津は思う。
ケンカ中なら一緒にいる事自体が不可解だ。
「女にフラレた」
「男に逃げられた」
お互いの顔を見ないまま、速水と田口はぶっきらぼうに言った。
それから、指で隣りの人物を指差した。
「「コイツのせいだ」」
速水は親指を横に向けて、田口を。
田口は人差し指を伸ばして、速水を。
そんな二人を見ながら、島津は長い溜息を吐いた。
「なんだ、またですか」
彦根がとても率直に島津の気持ちを代弁した。
彦根の方も呆れ顔だった。
速水は憮然とした表情で呟いた。
「またって何だよ」
「股関節のこと、じゃないですよ」
「彦根、その冗談面白くない」
彦根の冗談口に、本当に面白くなさそうに返すのは田口だ。
速水も田口も不機嫌の仏頂面なのに、息は合っているように見えるのだから島津には不思議でしょうがない。
ザラザラと洗牌しながら、話題は必然的に二人のフラレ話になった。
「何で別れ話になったんです?」
「そこがよく解んねーんだよ」
「だよねー。フツーに喋ってただけなのにさ」
彦根に話を振られ、速水と田口は揃って首を傾げた。
彦根は二人にびしっと指を向けた。
「あんたらのフツーは、あんまりフツーじゃない」
「同感だ」
「「???」」
島津も重々しく頷く。
二人はますますワケが解らないといった様子だった。
具体的に説明するとこうだ。
田口と速水は学食で遭遇した。
田口の向かいには先輩男子が座っており、速水の隣りには後輩女子が佇んでいた。
田口に声をかけたのは速水の方だ。
田口がテーブルの上に出していた、ポッキーに手を伸ばしてのことだった。
背後から田口の頭上に覆い被さるように手を出したのだが、田口は突然現れた速水に特に驚いた様子もなかった。
「もーらい」
「一本百円ね~」
「お前、それボったくり過ぎ」
笑いながらぽきっとスティックを折って咀嚼する。
頭を反らして速水を見上げた田口は、必然的に速水の喉元を見上げる体勢になった。
そしてふと眉を潜めた。
「…………お前、すごい匂いしない? フローラル?」
田口の言葉に速水も眉を潜めたが、心当たりを思い出してすぐ納得の表情になった。
「ん? …………ああ、昨日のホテルのシャンプーじゃねえか? 匂い結構キツかった気がする」
「速水クン、やらし――っ」
学生が平日に使うホテル、など知れている。
田口がにやにや笑うと、速水は顰めっ面を浮かべ、それから反撃にかかった。
「るっせえ、そういうお前は湿布臭ぇじゃねえかよ。何やったんだ?」
「夏屋とバドミントンやって筋肉痛」
「ははっ、運動不足だな。今度道場来いよ、素振りでもしたらどうだ?」
「ヤだよ、あんな臭くて汚いトコ」
「神聖な道場に失礼な奴だな」
そんな会話をして二人は別れたのである。
聞いた島津は彦根と顔を見合わせて、まずは溜息を吐いた。
「んでもってその後、『やっぱり田口さんと付き合ってるんでしょう、二股なんてサイテー』って展開になったんでしょう」
「…………よく解ったな」
「行灯も。『やっぱり彼と付き合ってるんだね』『いいえ、違います』『いや見れば解るよ』ってな展開だろ?」
「…………その通りデス」
彦根が速水、島津が田口に言えば、二人はそれぞれに頷いた。
「何で解るの?」
田口が首を傾げるので、島津は
「お前ら、毎度そのパターンだ」
と断言した。
彦根も大いに頷いた。
「けどよ、何で喋ってただけで付き合ってるになるワケ?」
「あんたら近過ぎるんですよ。匂いが解る距離って、どんだけ近づいてたんですか」
彦根が言うが、速水も田口もよく解らないという顔をしている。
島津は内心、ダメだこりゃ、と思った。
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COMMENT
前世はウサギ
霧島様 こんにちは。
続き=逃げ出した後であってます。紛らわしい書き方ですみません。
私の周りにも二人ほどいるんですよ。とても話し相手との距離が近い子が。
無意識・無自覚なので周りからは”あいつらの前世はウサギ、寂しがりだから近づくんだね”ということになっていますが、霧島様のこの二人はちょっと違う気が・・・。ウサギだとしたら世にも珍しい”肉食”なウサギでしょうか。面倒見る人たちにがんばっていただきましょう!!
続き=逃げ出した後であってます。紛らわしい書き方ですみません。
私の周りにも二人ほどいるんですよ。とても話し相手との距離が近い子が。
無意識・無自覚なので周りからは”あいつらの前世はウサギ、寂しがりだから近づくんだね”ということになっていますが、霧島様のこの二人はちょっと違う気が・・・。ウサギだとしたら世にも珍しい”肉食”なウサギでしょうか。面倒見る人たちにがんばっていただきましょう!!
Re:前世はウサギ
こんにちはデス。初コメント有難う御座います。
うん、了解しました。最初、同工異曲的なものを思いついた霧島の勘違いです。わざわざ有難う御座います。
>前世はウサギ
……ってその発想がとっても素敵。
この二人はもうちっと雑な生き物なのは間違いないな。雑食系というか……。
それでも目標は「甘ラブ」なので! 今はどうやっても漫才ですけれども、何とかそっち方向へ進めるように頑張りますね。
よろしくお付き合い下さいませ。
うん、了解しました。最初、同工異曲的なものを思いついた霧島の勘違いです。わざわざ有難う御座います。
>前世はウサギ
……ってその発想がとっても素敵。
この二人はもうちっと雑な生き物なのは間違いないな。雑食系というか……。
それでも目標は「甘ラブ」なので! 今はどうやっても漫才ですけれども、何とかそっち方向へ進めるように頑張りますね。
よろしくお付き合い下さいませ。
堪能しましたv
こんにちは、モトコです。
連載終了お疲れ様でしたv藤原さん落ちに、思わず
ニヤリとしてしまいましたよv霧島さんちの藤原さんって、存在感ありすぎです(笑)
行灯センセの歩調に合わせて見る世界は、きっと将軍にも優しい事でしょうvこの先ずっと藤原さんを警戒しながら首を捻るだろう将軍を思うと、大いに笑えますが・・。
イチャイチャな二人のシリーズも好きなので、楽しみにしてますね~。あと、実はパパママシリーズ、
すっごい好きですv双子ちゃん可愛いvいっつも夢落ちで行灯センセに怒られるところも好きです(笑)
連載終了お疲れ様でしたv藤原さん落ちに、思わず
ニヤリとしてしまいましたよv霧島さんちの藤原さんって、存在感ありすぎです(笑)
行灯センセの歩調に合わせて見る世界は、きっと将軍にも優しい事でしょうvこの先ずっと藤原さんを警戒しながら首を捻るだろう将軍を思うと、大いに笑えますが・・。
イチャイチャな二人のシリーズも好きなので、楽しみにしてますね~。あと、実はパパママシリーズ、
すっごい好きですv双子ちゃん可愛いvいっつも夢落ちで行灯センセに怒られるところも好きです(笑)
Re:堪能しましたv
いらっしゃいませ。
藤原さんは使い勝手よいですから、個人的に。
このオチを考えていて、「マジカル★まこりん」が思い浮かんだのです。実は。
二人シリーズは……正直、苦手な方もいるだろうので心配ではあるのですが、まあ自己満足さ。大分前から入れたいセリフがいくつもあるので、それに着手出来るのが嬉しいデス。
しかし、ラヴィアンローズシリーズ・可ですか!
毎度毎度夢オチって怒られるんじゃないかなぁと思ってたのですが……。
藤原さんは使い勝手よいですから、個人的に。
このオチを考えていて、「マジカル★まこりん」が思い浮かんだのです。実は。
二人シリーズは……正直、苦手な方もいるだろうので心配ではあるのですが、まあ自己満足さ。大分前から入れたいセリフがいくつもあるので、それに着手出来るのが嬉しいデス。
しかし、ラヴィアンローズシリーズ・可ですか!
毎度毎度夢オチって怒られるんじゃないかなぁと思ってたのですが……。
楽しみです
カメ将軍、楽しませていただきました。実はカメは嫌いです。
カメにキスされるなんて考えただけでもぞっとしますが、将軍かと思うとカメを見る目が変わってきそうです(笑)
ラヴィアンもあるのでしょうか?あるといいなぁ…。
大好きなのでちょっと楽しみにしています。
カメにキスされるなんて考えただけでもぞっとしますが、将軍かと思うとカメを見る目が変わってきそうです(笑)
ラヴィアンもあるのでしょうか?あるといいなぁ…。
大好きなのでちょっと楽しみにしています。
Re:楽しみです
いらっしゃいませ。
霧島は嫌い以前に触ったことないんだなぁ、カメ。毎度大ウソ吐きです。
確かに、カメにキスするのは抵抗あるだろうなぁと思って、呪いの解き方を「運命の人からのキス」にしなかったのですがね。
初さまもラヴィアンローズお好きですか? 有難う御座います。
夢オチってあんまり使っていいモンじゃないと思っているので、正直意外なご意見で……。
折角だから何か考えてみようかなぁ。
霧島は嫌い以前に触ったことないんだなぁ、カメ。毎度大ウソ吐きです。
確かに、カメにキスするのは抵抗あるだろうなぁと思って、呪いの解き方を「運命の人からのキス」にしなかったのですがね。
初さまもラヴィアンローズお好きですか? 有難う御座います。
夢オチってあんまり使っていいモンじゃないと思っているので、正直意外なご意見で……。
折角だから何か考えてみようかなぁ。