桃色注意報発令中。
どうしよう、って気でいっぱいです。
どうせ長くなるなら桃色シーンも入れちゃえ。
ああ、企画もあるのに……。
あ、サイト更新しています。二人シリーズが1本とキリリクが3つです。
これで6月分の再録は終了した模様。
24000ヒットの弥生さま。
メッセージ受信しました! 再びのヒットおめでとうございます。
御覧の通り四苦八苦している最中ですので、ゆーっくりで結構ですよ。
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備え付けのグラスに水を汲んで、田口は速水に手渡した。
スタイリッシュな冷蔵庫にはミネラルウォーターも入っているだろうが、小心者としては値段が恐ろしくておいそれと手を付けられなかった。
どんだけ暴利を貪る気だ、とも思う。
ソファに座っていた速水は水を半分ほど一気に飲むと、長く息を吐いた。
「大丈夫か?」
「…………酔ってんのかな、やっぱ」
速水は力ない声でぽつりと言った。
さっきまで笑っていたのが嘘のような、声の暗さだった。
今度はアルコールが陰気な方に働いているのかもしれない。
寝かせてしまった方がいいのか、それとも話をさせた方がいいのか。
田口が決めかねていると、速水はグラスをローテーブルに置いて前屈みになった。膝に付いた手で眉間を押さえている。
田口から表情を隠したまま、速水は小さく呟いた。
「…………離婚するかもしれない」
「え…………」
速水の呟きに、田口は速水の妻のことを思った。
かつてのオレンジ1階の看護師長・花房美和。
彼女と大して面識があったワケではないが、何処までも速水についていこうというその姿勢に感銘を受けたのを覚えている。
速水が結婚したのは極北へ来てすぐ、住民票を移すと同時に入籍だけしたと聞いた。受け狙いで、速水のイメージからほど遠い可愛らしいぬいぐるみ付き電報で、島津と共に祝電を送った覚えがある。
「どうして…………」
「半年も保たなかったな、どうしてもスレ違っちまう。人も足りなくて、一週間の泊まり込みもザラだった。帰ったと思ったら、またとんぼ返りだ。そんなことをやっているうちに、彼女の方が耐えられなくなった。こんなんじゃ一緒にいる意味なんかない、ただの部下でも傍にいる方が良かったって言って、出ていった。もう三カ月か? 別居状態だ」
「……………」
迂闊に相槌すら打てなかった。
離れた場所に突っ立ったまま、田口は速水の話を待った。
顔を伏せたまま速水は続ける。
泣いていない、声はまだ濡れていないけれど。
それでも田口は、速水が泣きそうな顔をしているのだろうと思った。
「…………やり直すつもりだったんだ。その為に取った部屋だった。けど、いざ雪見市を出ようって時になって呼び出しがかかった……俺は病院に向かった。結局三時間遅れだ……彼女は待っていなかった。当たり前だよな」
速水の声が己自身を嘲笑う。
ダブルのスウィートルームの理由が悲しくなる。
この部屋で新婚の夜を迎える二人もいるだろうに。
窓に視線を投げれば、札幌の街が光を放っている光景を見下ろせる。
いっそのことカーテンを下ろそうかと田口は思った。
「当日キャンセルじゃ結局金は取られるし、スウィートルームに興味もあったから泊ってみたけど…………ここはキツイ。独りでいるのはしんどくて、お前が札幌にいることを思い出して、呼び出した……悪かったな」
「いや、」
速水はようやく顔を上げて、小さな笑みを浮かべながら田口に言った。
田口は素早く否定する。
そういう理由なら、何時に呼び出されたって構わなかった。
速水が辛いと言うなら、傍にいてやりたいと思う。
たとえ何が出来るわけでなくても。
「…………頼む。今夜だけでいい。傍にいてくれ」
縋るような声に引き寄せられて、田口は速水に近付く。
速水の隣りに腰を下ろして速水の手を取った。
田口より大きな手を包むのは難しい。
それでも、少しでも傍にいる事が伝わればいいと思う。
速水が手を返し、田口の手を強く握った。
速水の瞳を見つめながら、田口は口を開く。
「いるよ」
痛いほどに手が握り締められる。
速水が田口を身体ごと抱き締め、田口の肩に顔を埋めた。
拘束する速水の腕から辛うじて腕を抜き出して、速水の背中を、手の届く範囲でゆっくりと撫でる。
どれぐらいそうしていただろう、ふと速水が顔を上げた。
目が合って、田口は自然に瞼を閉じた。
一瞬だけ戸惑ったキスは、たちまち深く喰らいついてくるものに変わった。
「はぁ…………っ」
ダブルベッドの目的など一つしかなかった。
田口の中に精を放った速水が、熱い吐息と共に重なってくる。
すり寄ってくる速水の顔を指でなぞり、瞼の辺りを田口は探った。
目元が濡れているのは汗か。それとも涙なのか。
田口には解らなくて、でも拭ってやりたくて首を伸ばした。
唇で瞼の端を撫で、合間合間に頬や鼻先にキスをする。
「田口…………」
喉の奥で速水は呟くと、再び田口に挑みかかってきた。
緩くなった後口を一気に深く貫くと、太腿ごと持ち上げて強く突いてくる。
「あっ、あぁ…………ん、っうんっ」
揺さぶられるままに嬌声を上げながら、尚も田口は速水の表情を見極めようとした。
雄の表情をした速水からは、どんな感情も読み取れない。
そうするうちに田口自身の理性が飛んで、観察力も当てにならなくなった。
己の精を腹へ吐き出しながら、田口は速水に手を伸ばし続けた。
スタイリッシュな冷蔵庫にはミネラルウォーターも入っているだろうが、小心者としては値段が恐ろしくておいそれと手を付けられなかった。
どんだけ暴利を貪る気だ、とも思う。
ソファに座っていた速水は水を半分ほど一気に飲むと、長く息を吐いた。
「大丈夫か?」
「…………酔ってんのかな、やっぱ」
速水は力ない声でぽつりと言った。
さっきまで笑っていたのが嘘のような、声の暗さだった。
今度はアルコールが陰気な方に働いているのかもしれない。
寝かせてしまった方がいいのか、それとも話をさせた方がいいのか。
田口が決めかねていると、速水はグラスをローテーブルに置いて前屈みになった。膝に付いた手で眉間を押さえている。
田口から表情を隠したまま、速水は小さく呟いた。
「…………離婚するかもしれない」
「え…………」
速水の呟きに、田口は速水の妻のことを思った。
かつてのオレンジ1階の看護師長・花房美和。
彼女と大して面識があったワケではないが、何処までも速水についていこうというその姿勢に感銘を受けたのを覚えている。
速水が結婚したのは極北へ来てすぐ、住民票を移すと同時に入籍だけしたと聞いた。受け狙いで、速水のイメージからほど遠い可愛らしいぬいぐるみ付き電報で、島津と共に祝電を送った覚えがある。
「どうして…………」
「半年も保たなかったな、どうしてもスレ違っちまう。人も足りなくて、一週間の泊まり込みもザラだった。帰ったと思ったら、またとんぼ返りだ。そんなことをやっているうちに、彼女の方が耐えられなくなった。こんなんじゃ一緒にいる意味なんかない、ただの部下でも傍にいる方が良かったって言って、出ていった。もう三カ月か? 別居状態だ」
「……………」
迂闊に相槌すら打てなかった。
離れた場所に突っ立ったまま、田口は速水の話を待った。
顔を伏せたまま速水は続ける。
泣いていない、声はまだ濡れていないけれど。
それでも田口は、速水が泣きそうな顔をしているのだろうと思った。
「…………やり直すつもりだったんだ。その為に取った部屋だった。けど、いざ雪見市を出ようって時になって呼び出しがかかった……俺は病院に向かった。結局三時間遅れだ……彼女は待っていなかった。当たり前だよな」
速水の声が己自身を嘲笑う。
ダブルのスウィートルームの理由が悲しくなる。
この部屋で新婚の夜を迎える二人もいるだろうに。
窓に視線を投げれば、札幌の街が光を放っている光景を見下ろせる。
いっそのことカーテンを下ろそうかと田口は思った。
「当日キャンセルじゃ結局金は取られるし、スウィートルームに興味もあったから泊ってみたけど…………ここはキツイ。独りでいるのはしんどくて、お前が札幌にいることを思い出して、呼び出した……悪かったな」
「いや、」
速水はようやく顔を上げて、小さな笑みを浮かべながら田口に言った。
田口は素早く否定する。
そういう理由なら、何時に呼び出されたって構わなかった。
速水が辛いと言うなら、傍にいてやりたいと思う。
たとえ何が出来るわけでなくても。
「…………頼む。今夜だけでいい。傍にいてくれ」
縋るような声に引き寄せられて、田口は速水に近付く。
速水の隣りに腰を下ろして速水の手を取った。
田口より大きな手を包むのは難しい。
それでも、少しでも傍にいる事が伝わればいいと思う。
速水が手を返し、田口の手を強く握った。
速水の瞳を見つめながら、田口は口を開く。
「いるよ」
痛いほどに手が握り締められる。
速水が田口を身体ごと抱き締め、田口の肩に顔を埋めた。
拘束する速水の腕から辛うじて腕を抜き出して、速水の背中を、手の届く範囲でゆっくりと撫でる。
どれぐらいそうしていただろう、ふと速水が顔を上げた。
目が合って、田口は自然に瞼を閉じた。
一瞬だけ戸惑ったキスは、たちまち深く喰らいついてくるものに変わった。
「はぁ…………っ」
ダブルベッドの目的など一つしかなかった。
田口の中に精を放った速水が、熱い吐息と共に重なってくる。
すり寄ってくる速水の顔を指でなぞり、瞼の辺りを田口は探った。
目元が濡れているのは汗か。それとも涙なのか。
田口には解らなくて、でも拭ってやりたくて首を伸ばした。
唇で瞼の端を撫で、合間合間に頬や鼻先にキスをする。
「田口…………」
喉の奥で速水は呟くと、再び田口に挑みかかってきた。
緩くなった後口を一気に深く貫くと、太腿ごと持ち上げて強く突いてくる。
「あっ、あぁ…………ん、っうんっ」
揺さぶられるままに嬌声を上げながら、尚も田口は速水の表情を見極めようとした。
雄の表情をした速水からは、どんな感情も読み取れない。
そうするうちに田口自身の理性が飛んで、観察力も当てにならなくなった。
己の精を腹へ吐き出しながら、田口は速水に手を伸ばし続けた。
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COMMENT
有難う御座います。
こんばんは、霧島様
リクエストを受けてくださり有難う御座います。
「メロゥドラマ」積年の願いか叶いました。
第二回目、拝読しまして今悶死状態です。
打ちのめされている事を利用する将軍と、判っていて振る舞う行灯が、男のずるさを隠し持つってて、かわいいいですね、ハヤブサと離婚も美味しい言葉です。そしてハヤブサは猫さんの元へ(期待通りの恋の影響大)ですね。
霧島様の作られるお話ですから、桃色・長編(3回、5回、7回)、私全て受け止める覚悟で御座います。
初回、2回の時点で、もう楽ししくて、わくわくしてます。あと数回fightで、go!go!です。
最終回にまた、お邪魔します。
リクエストを受けてくださり有難う御座います。
「メロゥドラマ」積年の願いか叶いました。
第二回目、拝読しまして今悶死状態です。
打ちのめされている事を利用する将軍と、判っていて振る舞う行灯が、男のずるさを隠し持つってて、かわいいいですね、ハヤブサと離婚も美味しい言葉です。そしてハヤブサは猫さんの元へ(期待通りの恋の影響大)ですね。
霧島様の作られるお話ですから、桃色・長編(3回、5回、7回)、私全て受け止める覚悟で御座います。
初回、2回の時点で、もう楽ししくて、わくわくしてます。あと数回fightで、go!go!です。
最終回にまた、お邪魔します。
Re:有難う御座います。
いらっしゃいませ、です。
あんなんでよろしかったでしょうか? いや、まだ続くけど。
雰囲気だけはそれっぽいですけど、何せホラ、「間違い探し」だから。
スタート時点で将軍は既婚者だしさぁ……。
ま、今更です、今更。
錆兎さまがそう仰って下さるなら、このまま行ってしまおう。
>そしてハヤブサは猫さんの元へ
あははっ! 勢いと思いこみで作った話を覚えて下さって有難う御座います。
霧島が思いもしなかった「●●の続きを」ってリクエスト貰うと、皆様の頭の中に多少なりとも残ってるんだなぁって思えて嬉しいですねぇ。
ではでは。小休止を挟んでまた頑張りますので、気長にお付き合い下さいませ。
あんなんでよろしかったでしょうか? いや、まだ続くけど。
雰囲気だけはそれっぽいですけど、何せホラ、「間違い探し」だから。
スタート時点で将軍は既婚者だしさぁ……。
ま、今更です、今更。
錆兎さまがそう仰って下さるなら、このまま行ってしまおう。
>そしてハヤブサは猫さんの元へ
あははっ! 勢いと思いこみで作った話を覚えて下さって有難う御座います。
霧島が思いもしなかった「●●の続きを」ってリクエスト貰うと、皆様の頭の中に多少なりとも残ってるんだなぁって思えて嬉しいですねぇ。
ではでは。小休止を挟んでまた頑張りますので、気長にお付き合い下さいませ。