二人シリーズをくっつけよう編は今回がラストです。
この、順番間違ったカンジの二人もようやく行きつくとこまで辿り着きましたとさ。
……書いている最中は話の展開に頭が行っていたけど、ふと振り返ったら、とんでもなく小っ恥ずかしいモノを書いていたことに気付きました。ビックリだ。
10月はまだ残ってます、が、次はキリリクで。
あ、コメント利用して入れはぐったシーンを書いてます。
余韻を全て吹っ飛ばす馬鹿馬鹿しいお話ですが、それでもよろしければどうぞです。
サイトを更新しております。
まずは「Man in the Moon」です。日付バラバラだなぁ。
正確には、「これから更新作業に入ります」というところですが、まあ今日中には何とかなるでしょ。
この、順番間違ったカンジの二人もようやく行きつくとこまで辿り着きましたとさ。
……書いている最中は話の展開に頭が行っていたけど、ふと振り返ったら、とんでもなく小っ恥ずかしいモノを書いていたことに気付きました。ビックリだ。
10月はまだ残ってます、が、次はキリリクで。
あ、コメント利用して入れはぐったシーンを書いてます。
余韻を全て吹っ飛ばす馬鹿馬鹿しいお話ですが、それでもよろしければどうぞです。
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まずは「Man in the Moon」です。日付バラバラだなぁ。
正確には、「これから更新作業に入ります」というところですが、まあ今日中には何とかなるでしょ。
彦根は斜めから振り下ろされる拳に吹っ飛ばされて尻もちを付いた。
田口からすると、正に視界から唐突に彦根が消えた感じだ。
そして気が付けば、目の前に速水が立っていたのだった。
田口は驚きの余りに顔を拭うのも忘れ、目を見開いてしまった。
「てめぇ、コイツに何したっ?!」
速水が盛大に吠える。
自分でも滅多にないほど頭に血が上っているのを速水は自覚した。
しかし、クールダウンしようという気にはならなかった。
殴られた拍子に唇を切ったらしく、彦根はひりひりする唇を手の甲で拭った。やはり赤いものが付着した。
「俺を殴るより、田口先輩のが先なんじゃないですか?」
彦根はベンチを支えにして立ち上がり、ゆっくりと尻の埃を払った。
立ち上がった瞬間に多少頭がフラついたが、足に力を入れて堪えた。
速水は鋭い視線で彦根を睨みつけている。
後から小走りでやってきた島津が、速水の暴挙に呆気に取られた顔をしていた。
「あんた、先輩の彼氏でしょ。彼女が泣いてた理由を気遣うのが先でしょ。あんたがそんな的外れだから、田口先輩が、嫌われたかもしれないなんて言い出すんですよ」
彦根は乱暴な口調で吐き捨てるように言う。
その気になれば、先輩への礼儀作法など彦根は何時だってかなぐり捨てた。
速水の方は彦根の無礼よりも、セリフの中身が気になった。
鬼のような形相から、戸惑いの表情になった。
「え? 田口?」
田口が速水に嫌われたかもしれないと言った。
彦根のセリフを正しく解釈すれば、そういう事実が浮かび上がる。
身に覚えのない事に、速水は困惑しながら田口を見た。
涙に濡れている田口の瞳とかち合って、速水の心臓は大きく一つ打った。
田口の泣き顔を見たのは本当に初めてだったのだ。
ベンチに座った田口の前にしゃがみ込んで、速水は田口の顔を下から覗きこんだ。
「あの、な」
「うん」
「…………どうして泣いてたんだ?」
速水がじっと見ていると、田口の方も瞬きもせずに速水を見つめ返してきた。
釣り込まれるように田口がそろそろと口を開いた。
「速水が……嫌いになったかもって……他に好きな子がいて、それで……」
切れ切れに呟きながら、また田口の瞳から雫が落ちた。
速水が驚いて目を見開いている。
速水が驚いているのは解っている、自分でもらしくないとも思っている、それでも田口は涙を止める方法を知らなかった。
速水に他に好きな子が出来て、田口と一緒にいるのが嫌になったのかもしれない。
速水は自分と別れて、他の女の子のところへ行くのかもしれない。
考えるだけでこんなにも胸が痛い。
らしくなく、泣けるほど。
「…………かないで」
「え?」
擦れた呟きを聞き返そうと速水は更に近寄った。
田口が細い指で速水のシャツを掴む。
「他の子のところなんか、行かないで…………っ」
「田口…………」
小さな声で告げられた我儘に、速水の胸は熱くなった。
メソメソ泣く女は苦手だった筈なのに、今、速水が感じているのは歓喜以外の何物でもなかった。
片想い相手が、自分を思って泣いているのだ。喜ばない筈がない。
速水のシャツを握る田口の手を取って、しっかり指を絡めた。握るだけじゃ物足りなかった。
「行くワケないだろ。嫌いにもなってない」
「ホント?」
「ああ」
「うん…………」
速水が頷くと、田口は一つ安心したような顔で笑った。
涙で潤んだ瞳で笑う田口の顔に、速水の心臓はまた大きく波打つ。
「…………島津」
「へっ?!」
速水に凝視されて怪訝な顔をする田口を余所に、速水は低い声で囁いた。
驚いたのは、すっかりモブと化していた当の島津である。
場違いなほどに素っ頓狂な声を上げてしまった。
同じく既に観客になっていた彦根も目を丸くしている。
「…………これって、言っていいシチュだと思うか?」
島津を振り返らないまま、速水は尋ねた。
瞬間ワケが解らなかった島津だが、少し前に速水と告白対策話をしたことを思い出した。どんなシチュエーションが告白に最適か、ということを。
あまりのバカらしさに島津は溜息を一つ吐いた。
「ここで言わなかったら、俺はお前をタマ無し君と呼んでやる」
「ぶっ」
島津の下品な物言いに彦根は吹き出す。
流石に爆笑は出来なくて、余所を向いて笑いを噛み殺した。
背後のコメディシーンも、切羽詰まっていっぱいいっぱいの速水には知覚されなかった。
改めて田口の手を握り、田口の顔を覗き込む。
一挙一動も見逃せなかった。
「俺はお前が好きだよ。友達じゃなく、ちゃんと、恋愛の意味で、好きだ」
速水の言葉に田口は目を丸くして瞬きを繰り返した。
目を逸らさないで速水が待っていると、田口はふわりと笑った。
「…………うん。私も好きだよ」
「友達じゃないぞ? 男としてだぞ?」
田口の答えは、ある意味予想通りだった。
速水が思わず念を押してしまっても無理はないだろう。
そんな速水の反応に、田口はつい笑ってしまった。
「解ってる。ちゃんと、友達とは違う意味で、好きだよ」
サヨナラを想像しただけで泣けるほど、泣いた自分を抑えられないほど、間違いなく速水が好きだと思う。特別だと思う。
田口の言葉に嬉しそうに顔を綻ばす速水が何だか可愛く思えて、田口は小さく笑った。
同時に速水の方も、田口が可愛く思えて仕方なかった。
「…………潮時かな」
「だな」
ちゃんとエンドシーンまで辿り着いた二人を確かめて、彦根は小さく呟いた。
島津も頷いて、二人は足音さえも遠慮がちにその場を立ち去った。
声が届かなくなる距離まで来てから、彦根は盛大に呻いた。
「ってえぇ~~っ」
「災難だったな」
島津は苦笑を浮かべた。
あれほど激昂した速水を見たのは島津も初めてだった。
それだけ、速水にとって田口は特別なのだ。
「ま、この借りは『すずめ』で返して貰うことにしますか」
「それがいいだろ」
何だかんだ言いつつ、二人が上手く収まったのは彦根や島津にとっても嬉しい出来事だ。
彦根の足取りは軽く、島津の声も軽やかだった。
田口からすると、正に視界から唐突に彦根が消えた感じだ。
そして気が付けば、目の前に速水が立っていたのだった。
田口は驚きの余りに顔を拭うのも忘れ、目を見開いてしまった。
「てめぇ、コイツに何したっ?!」
速水が盛大に吠える。
自分でも滅多にないほど頭に血が上っているのを速水は自覚した。
しかし、クールダウンしようという気にはならなかった。
殴られた拍子に唇を切ったらしく、彦根はひりひりする唇を手の甲で拭った。やはり赤いものが付着した。
「俺を殴るより、田口先輩のが先なんじゃないですか?」
彦根はベンチを支えにして立ち上がり、ゆっくりと尻の埃を払った。
立ち上がった瞬間に多少頭がフラついたが、足に力を入れて堪えた。
速水は鋭い視線で彦根を睨みつけている。
後から小走りでやってきた島津が、速水の暴挙に呆気に取られた顔をしていた。
「あんた、先輩の彼氏でしょ。彼女が泣いてた理由を気遣うのが先でしょ。あんたがそんな的外れだから、田口先輩が、嫌われたかもしれないなんて言い出すんですよ」
彦根は乱暴な口調で吐き捨てるように言う。
その気になれば、先輩への礼儀作法など彦根は何時だってかなぐり捨てた。
速水の方は彦根の無礼よりも、セリフの中身が気になった。
鬼のような形相から、戸惑いの表情になった。
「え? 田口?」
田口が速水に嫌われたかもしれないと言った。
彦根のセリフを正しく解釈すれば、そういう事実が浮かび上がる。
身に覚えのない事に、速水は困惑しながら田口を見た。
涙に濡れている田口の瞳とかち合って、速水の心臓は大きく一つ打った。
田口の泣き顔を見たのは本当に初めてだったのだ。
ベンチに座った田口の前にしゃがみ込んで、速水は田口の顔を下から覗きこんだ。
「あの、な」
「うん」
「…………どうして泣いてたんだ?」
速水がじっと見ていると、田口の方も瞬きもせずに速水を見つめ返してきた。
釣り込まれるように田口がそろそろと口を開いた。
「速水が……嫌いになったかもって……他に好きな子がいて、それで……」
切れ切れに呟きながら、また田口の瞳から雫が落ちた。
速水が驚いて目を見開いている。
速水が驚いているのは解っている、自分でもらしくないとも思っている、それでも田口は涙を止める方法を知らなかった。
速水に他に好きな子が出来て、田口と一緒にいるのが嫌になったのかもしれない。
速水は自分と別れて、他の女の子のところへ行くのかもしれない。
考えるだけでこんなにも胸が痛い。
らしくなく、泣けるほど。
「…………かないで」
「え?」
擦れた呟きを聞き返そうと速水は更に近寄った。
田口が細い指で速水のシャツを掴む。
「他の子のところなんか、行かないで…………っ」
「田口…………」
小さな声で告げられた我儘に、速水の胸は熱くなった。
メソメソ泣く女は苦手だった筈なのに、今、速水が感じているのは歓喜以外の何物でもなかった。
片想い相手が、自分を思って泣いているのだ。喜ばない筈がない。
速水のシャツを握る田口の手を取って、しっかり指を絡めた。握るだけじゃ物足りなかった。
「行くワケないだろ。嫌いにもなってない」
「ホント?」
「ああ」
「うん…………」
速水が頷くと、田口は一つ安心したような顔で笑った。
涙で潤んだ瞳で笑う田口の顔に、速水の心臓はまた大きく波打つ。
「…………島津」
「へっ?!」
速水に凝視されて怪訝な顔をする田口を余所に、速水は低い声で囁いた。
驚いたのは、すっかりモブと化していた当の島津である。
場違いなほどに素っ頓狂な声を上げてしまった。
同じく既に観客になっていた彦根も目を丸くしている。
「…………これって、言っていいシチュだと思うか?」
島津を振り返らないまま、速水は尋ねた。
瞬間ワケが解らなかった島津だが、少し前に速水と告白対策話をしたことを思い出した。どんなシチュエーションが告白に最適か、ということを。
あまりのバカらしさに島津は溜息を一つ吐いた。
「ここで言わなかったら、俺はお前をタマ無し君と呼んでやる」
「ぶっ」
島津の下品な物言いに彦根は吹き出す。
流石に爆笑は出来なくて、余所を向いて笑いを噛み殺した。
背後のコメディシーンも、切羽詰まっていっぱいいっぱいの速水には知覚されなかった。
改めて田口の手を握り、田口の顔を覗き込む。
一挙一動も見逃せなかった。
「俺はお前が好きだよ。友達じゃなく、ちゃんと、恋愛の意味で、好きだ」
速水の言葉に田口は目を丸くして瞬きを繰り返した。
目を逸らさないで速水が待っていると、田口はふわりと笑った。
「…………うん。私も好きだよ」
「友達じゃないぞ? 男としてだぞ?」
田口の答えは、ある意味予想通りだった。
速水が思わず念を押してしまっても無理はないだろう。
そんな速水の反応に、田口はつい笑ってしまった。
「解ってる。ちゃんと、友達とは違う意味で、好きだよ」
サヨナラを想像しただけで泣けるほど、泣いた自分を抑えられないほど、間違いなく速水が好きだと思う。特別だと思う。
田口の言葉に嬉しそうに顔を綻ばす速水が何だか可愛く思えて、田口は小さく笑った。
同時に速水の方も、田口が可愛く思えて仕方なかった。
「…………潮時かな」
「だな」
ちゃんとエンドシーンまで辿り着いた二人を確かめて、彦根は小さく呟いた。
島津も頷いて、二人は足音さえも遠慮がちにその場を立ち去った。
声が届かなくなる距離まで来てから、彦根は盛大に呻いた。
「ってえぇ~~っ」
「災難だったな」
島津は苦笑を浮かべた。
あれほど激昂した速水を見たのは島津も初めてだった。
それだけ、速水にとって田口は特別なのだ。
「ま、この借りは『すずめ』で返して貰うことにしますか」
「それがいいだろ」
何だかんだ言いつつ、二人が上手く収まったのは彦根や島津にとっても嬉しい出来事だ。
彦根の足取りは軽く、島津の声も軽やかだった。
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