お待たせしましたデス。前回のお話を読んでからお入り下さい。
現時点の予想で6回。
諸々のバランス考えると、それくらいになりそうです。
そして今回は唐突に将軍サイド。
視点がバラバラなのは許し難いがどうにも……。
海外ドラマ超常現象のシーズン4をコンプリートボックスで入手!
ニヤついております。
今回はNG集がちゃんと付いてるんだ――っ! あと、動画サイトで見た、お兄ちゃんのミュージックプロモもどきが見たくてしょうがない。
家人の目を盗んで見ているので、今すぐは見られないのが残念ですが、休みが楽しみだぁ~。
現時点の予想で6回。
諸々のバランス考えると、それくらいになりそうです。
そして今回は唐突に将軍サイド。
視点がバラバラなのは許し難いがどうにも……。
海外ドラマ超常現象のシーズン4をコンプリートボックスで入手!
ニヤついております。
今回はNG集がちゃんと付いてるんだ――っ! あと、動画サイトで見た、お兄ちゃんのミュージックプロモもどきが見たくてしょうがない。
家人の目を盗んで見ているので、今すぐは見られないのが残念ですが、休みが楽しみだぁ~。
ホテルのモーニングコールサービスで速水は目を覚ました。
スウィートルームでは、機械音までが何処となく上質だ。
頼んだ覚えはなかったから、きっと田口が仕掛けたのだろうとボンヤリ思う。
チェックアウトの二時間前、食事と身支度に余裕のある時間。随分と親切なことである。
その田口の姿は既に部屋には無かった。
「…………ったく」
鈍い頭を抱えながら舌打ちを一つする。
寧ろ、自分自身を罵りたいところだった。
滅入っていたからといって、他人に縋らなければならないほど自分は弱かったのかと思う。
挙句それで、田口を相手にセックスにまで持ち込むなんて。
差し出され、伸ばされ続けた手を覚えている。
その手を放したくなくて、滑稽なほど必死に求めた自分も。
反省のつもりだったが、しっかり夜の熱さを思い出してしまい、速水は慌てて頭を振って脳裏から記憶を追い出した。
気を取り直し、シャワーでも浴びようかとベッドを抜け出す。
高級な羽毛布団はよれよれだし、シーツも零れた体液を吸って強張っている有様だった。
気恥ずかしさに襲われて、速水はそそくさとベッドを整えて昨夜の情事の痕跡を誤魔化したのだった。
『やっぱりもうダメね』
「そうだな」
花房の結論は既に出ていた。
昨夜の、遅刻の詫びにも大した意味はもうなかった。
速水も足掻くのをもう諦めた。
どう頑張っても、亡くなった患者を生き返らせることは出来ないのと同じ。
二人はやり直せない場所へ来てしまったのだろう。
「荷物、どうする?」
『…………一度行くわ。片付ける。その時、鍵も返すわね』
「ああ」
花房は出ていく時、荷物と化粧品ぐらいしか持っていかなかった。
彼女の愛読書やお気に入りのDVD、仕舞い込んだままの冬服などが、まだ速水の家に残っていた。
彼女が速水の家の合鍵を使うのは、これが最後になるのだろう。
最後に一度顔を合わせた方がいいのか、それとも会わない方がいいのか、速水は少しだけ迷った。
だが、彼女は速水の都合を訊かなかった。何時行くとも言わなかった。
速水がいてもいなくても構わない、それが彼女の希望なのだろうと思った。
それから数日経ったある日。
帰宅した速水は少しだけ広くなった部屋と、テーブルの上に置かれていた鍵と、一枚の用紙に気付いた。
既に必要事項が記入されていて、後は速水が幾つか記入して捺印すればいい状態になっている離婚届。
仕事が早いなぁと思って、可笑しくなった。
初めて見たが、事実だけ書けばいい分、レセプト用紙より簡単な気がした。
花房には一言、離婚届を提出したことを報告して終わった。
終わらなかったのは別の相手だ。
それでも、報告は義務だと思ったので、携帯電話のアドレスを呼び出した。
彼は携帯電話に出るのが遅い。
何処に携帯をしまったかを忘れて、あちこちのポケットを探すからだ。
今回も五回を超えるコールの後でようやっと繋がった。
「よお」
『…………速水か?』
電話の向こうから、困惑気味の田口の声が聞こえた。
まだ挨拶しかしていない。
それなのに、声を聞くだけ速水の心は漣立つのだった。
スウィートルームでは、機械音までが何処となく上質だ。
頼んだ覚えはなかったから、きっと田口が仕掛けたのだろうとボンヤリ思う。
チェックアウトの二時間前、食事と身支度に余裕のある時間。随分と親切なことである。
その田口の姿は既に部屋には無かった。
「…………ったく」
鈍い頭を抱えながら舌打ちを一つする。
寧ろ、自分自身を罵りたいところだった。
滅入っていたからといって、他人に縋らなければならないほど自分は弱かったのかと思う。
挙句それで、田口を相手にセックスにまで持ち込むなんて。
差し出され、伸ばされ続けた手を覚えている。
その手を放したくなくて、滑稽なほど必死に求めた自分も。
反省のつもりだったが、しっかり夜の熱さを思い出してしまい、速水は慌てて頭を振って脳裏から記憶を追い出した。
気を取り直し、シャワーでも浴びようかとベッドを抜け出す。
高級な羽毛布団はよれよれだし、シーツも零れた体液を吸って強張っている有様だった。
気恥ずかしさに襲われて、速水はそそくさとベッドを整えて昨夜の情事の痕跡を誤魔化したのだった。
『やっぱりもうダメね』
「そうだな」
花房の結論は既に出ていた。
昨夜の、遅刻の詫びにも大した意味はもうなかった。
速水も足掻くのをもう諦めた。
どう頑張っても、亡くなった患者を生き返らせることは出来ないのと同じ。
二人はやり直せない場所へ来てしまったのだろう。
「荷物、どうする?」
『…………一度行くわ。片付ける。その時、鍵も返すわね』
「ああ」
花房は出ていく時、荷物と化粧品ぐらいしか持っていかなかった。
彼女の愛読書やお気に入りのDVD、仕舞い込んだままの冬服などが、まだ速水の家に残っていた。
彼女が速水の家の合鍵を使うのは、これが最後になるのだろう。
最後に一度顔を合わせた方がいいのか、それとも会わない方がいいのか、速水は少しだけ迷った。
だが、彼女は速水の都合を訊かなかった。何時行くとも言わなかった。
速水がいてもいなくても構わない、それが彼女の希望なのだろうと思った。
それから数日経ったある日。
帰宅した速水は少しだけ広くなった部屋と、テーブルの上に置かれていた鍵と、一枚の用紙に気付いた。
既に必要事項が記入されていて、後は速水が幾つか記入して捺印すればいい状態になっている離婚届。
仕事が早いなぁと思って、可笑しくなった。
初めて見たが、事実だけ書けばいい分、レセプト用紙より簡単な気がした。
花房には一言、離婚届を提出したことを報告して終わった。
終わらなかったのは別の相手だ。
それでも、報告は義務だと思ったので、携帯電話のアドレスを呼び出した。
彼は携帯電話に出るのが遅い。
何処に携帯をしまったかを忘れて、あちこちのポケットを探すからだ。
今回も五回を超えるコールの後でようやっと繋がった。
「よお」
『…………速水か?』
電話の向こうから、困惑気味の田口の声が聞こえた。
まだ挨拶しかしていない。
それなのに、声を聞くだけ速水の心は漣立つのだった。
PR
COMMENT