23333ヒットの弥生さまからのリクエストです。
弥生さま、ヒットおめでとう御座います&リクエスト有難う御座いました!
リク内容は「『だだ漏れスウィートライフ』の続き」ということでした。
奇しくも、今月の企画と重なる甘いお話になりそうな予感デス。
それではどうぞです。
弥生さま、ヒットおめでとう御座います&リクエスト有難う御座いました!
リク内容は「『だだ漏れスウィートライフ』の続き」ということでした。
奇しくも、今月の企画と重なる甘いお話になりそうな予感デス。
それではどうぞです。
「うわあぁ…………っ」
不定愁訴外来へ駆け戻ってきた田口は頭を抱えて机に突っ伏した。
先程の己の所業が悔やまれる。
幾ら動けないほど眠かったとは言え、「満天」で速水に縋りつくなんて言語道断だろう。
あの場にいた全ての人間の記憶を消して回りたいところだ。
「いくら寝惚けたからって、俺…………うわぁっ」
すっかり家にいる時のつもりで速水に寄りかかってしまった、気がする。
DVDやテレビを見ながら、または本を読みながら眠気に襲われた田口に声をかけるのは、家にいる場合は速水しかいなかった。
速水相手なら田口も我儘に出られる。
また、速水が田口を甘やかすから悪い。
夢見心地で布団まで運んで貰える心地よさは、ハッキリ言って癖になるのだ。
その癖が今回仇になったとも言える。
家でのことを思い出して、田口は一つ決意を固めた。
「あ、甘えないようにしないと……!」
人前で油断しないように気を引き締めなくてはならない。
それにはまず、常日頃の生活習慣からだ。
恋人としての速水はびっくりするほど優しいけれど、それに甘えていてはいけないのだろう。
とは言え、我ながらいささか心許無い決意だと田口が思った時だった。
「甘えてくれないのか?」
少し拗ねたような声が田口の背中に投げつけられた。
振り返らなくても声の主は解る。
回転椅子を少し動かして背後を見ると、速水が外来の扉を施錠しているところだった。
長いストライドで部屋を横切って、速水はソファに腰を下ろした。
「お前、メシは?」
「島津にオレンジまで配達頼んだ。それより、さっきの発言の真意を訊こうか」
食事をしてきたにしては、速水の来訪は早い。
ついつい尋ねた田口に速水は何でもない口調で答え、上目遣いで田口を見ながら問い返してきた。
「さっきの」
「甘えないようにしようってヤツ。俺はお前が甘えてくるのが嬉しいのに」
「……………………っ」
当たり前のように速水は言うが、田口は息を飲んでしまった。
田口だって速水が甘えてくるのは嬉しかったりする。
誰だってそうだろう、恋人に甘えられて嬉しくない筈がない。
食堂での一件は田口の脳裏からすっ飛んだ。
速水は腰を浮かせて手を伸ばし、田口の腕を掴んだ。
そのまま軽く田口を引き寄せて田口を自分の膝の上に納めてしまう。
田口がゴソゴソと落ち着く場所を探している間に、速水はしっかり田口の腰に腕を回し、空いている手で田口の耳のあたりの髪を弄んだ。
「甘えろよ、行灯。お前にだけはその権利があるし、俺もお前を甘やかす。逆に俺もお前に甘える。めいっぱいな」
「速水…………」
速水の言葉が田口の心臓を強く打った。
嬉しすぎて、酸欠を起こしそうだと思う。
鼻先に小さくキスをされ、田口は顔をずらした。
今度は、露わになった頬にキスが落とされる。
田口を甘やかすような優しいキスだった。
逆に、田口に続きを強請るような、甘えたキスでもあった。
速水に許され、絆されて、田口も速水にキスをする。
互いの頬にしたり、瞼に交互に繰り返したり、暫く戯れるようにキスをしてから、唇を重ねた。
「…………けじめはつけるからな。人前では絶対甘えない」
「ホントは人前で見せつけてやりたいんだけどな、俺は」
口元から零れる銀の糸を指で拭いながら、田口は低く囁いた。
少しからかうような口調で速水が言ったので、田口は速水の後ろ髪を強く引っ張った。速水がくぐもった悲鳴を上げる。
こんな意地悪が許されるの田口だけだ。
それもまた、甘やかされている証拠なのだろう。
不定愁訴外来へ駆け戻ってきた田口は頭を抱えて机に突っ伏した。
先程の己の所業が悔やまれる。
幾ら動けないほど眠かったとは言え、「満天」で速水に縋りつくなんて言語道断だろう。
あの場にいた全ての人間の記憶を消して回りたいところだ。
「いくら寝惚けたからって、俺…………うわぁっ」
すっかり家にいる時のつもりで速水に寄りかかってしまった、気がする。
DVDやテレビを見ながら、または本を読みながら眠気に襲われた田口に声をかけるのは、家にいる場合は速水しかいなかった。
速水相手なら田口も我儘に出られる。
また、速水が田口を甘やかすから悪い。
夢見心地で布団まで運んで貰える心地よさは、ハッキリ言って癖になるのだ。
その癖が今回仇になったとも言える。
家でのことを思い出して、田口は一つ決意を固めた。
「あ、甘えないようにしないと……!」
人前で油断しないように気を引き締めなくてはならない。
それにはまず、常日頃の生活習慣からだ。
恋人としての速水はびっくりするほど優しいけれど、それに甘えていてはいけないのだろう。
とは言え、我ながらいささか心許無い決意だと田口が思った時だった。
「甘えてくれないのか?」
少し拗ねたような声が田口の背中に投げつけられた。
振り返らなくても声の主は解る。
回転椅子を少し動かして背後を見ると、速水が外来の扉を施錠しているところだった。
長いストライドで部屋を横切って、速水はソファに腰を下ろした。
「お前、メシは?」
「島津にオレンジまで配達頼んだ。それより、さっきの発言の真意を訊こうか」
食事をしてきたにしては、速水の来訪は早い。
ついつい尋ねた田口に速水は何でもない口調で答え、上目遣いで田口を見ながら問い返してきた。
「さっきの」
「甘えないようにしようってヤツ。俺はお前が甘えてくるのが嬉しいのに」
「……………………っ」
当たり前のように速水は言うが、田口は息を飲んでしまった。
田口だって速水が甘えてくるのは嬉しかったりする。
誰だってそうだろう、恋人に甘えられて嬉しくない筈がない。
食堂での一件は田口の脳裏からすっ飛んだ。
速水は腰を浮かせて手を伸ばし、田口の腕を掴んだ。
そのまま軽く田口を引き寄せて田口を自分の膝の上に納めてしまう。
田口がゴソゴソと落ち着く場所を探している間に、速水はしっかり田口の腰に腕を回し、空いている手で田口の耳のあたりの髪を弄んだ。
「甘えろよ、行灯。お前にだけはその権利があるし、俺もお前を甘やかす。逆に俺もお前に甘える。めいっぱいな」
「速水…………」
速水の言葉が田口の心臓を強く打った。
嬉しすぎて、酸欠を起こしそうだと思う。
鼻先に小さくキスをされ、田口は顔をずらした。
今度は、露わになった頬にキスが落とされる。
田口を甘やかすような優しいキスだった。
逆に、田口に続きを強請るような、甘えたキスでもあった。
速水に許され、絆されて、田口も速水にキスをする。
互いの頬にしたり、瞼に交互に繰り返したり、暫く戯れるようにキスをしてから、唇を重ねた。
「…………けじめはつけるからな。人前では絶対甘えない」
「ホントは人前で見せつけてやりたいんだけどな、俺は」
口元から零れる銀の糸を指で拭いながら、田口は低く囁いた。
少しからかうような口調で速水が言ったので、田口は速水の後ろ髪を強く引っ張った。速水がくぐもった悲鳴を上げる。
こんな意地悪が許されるの田口だけだ。
それもまた、甘やかされている証拠なのだろう。
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COMMENT
ありがとうございます!!
霧島様
まずは、ありがとうございます!!
らぶらぶスウィートなお話を堪能いたしました。
これで明日からの仕事に少しはやる気が出るというもの。
できることなら私も行灯先生を猫っ可愛がり
して甘やかしたいです。ちゃっかりとお膝抱っこ
した将軍は大層役得でしたが、私がトンネル魔人
だったら配達するお昼ご飯に七味唐辛子を仕掛け
ると思います・・・。
まずは、ありがとうございます!!
らぶらぶスウィートなお話を堪能いたしました。
これで明日からの仕事に少しはやる気が出るというもの。
できることなら私も行灯先生を猫っ可愛がり
して甘やかしたいです。ちゃっかりとお膝抱っこ
した将軍は大層役得でしたが、私がトンネル魔人
だったら配達するお昼ご飯に七味唐辛子を仕掛け
ると思います・・・。
Re:ありがとうございます!!
いらっしゃいませ。それなりにお楽しみいただけたようで、有難い限りです。
仕事中の妄想って実に楽しいですよねぇ。最近本気で実感しました。
>行灯先生猫っ可愛がり
将軍に怒られますよ、きっと(笑)。でも行灯先生って原作の方も、からかわれつつ可愛がられている気がする……地雷原とか丹羽看護師とかに。
将軍はちゃっかり入室時に鍵をかけているので、狙っていたものと思われます。
魔人配達のお昼ごはんはカロリーメイトぐらいかと思ってたのですが、のびたうどんとか、嫌がらせ要素たっぷりでいいかもしれませんね。ナイスアイデア!
それではまたのご来訪を楽しみにしております。
仕事中の妄想って実に楽しいですよねぇ。最近本気で実感しました。
>行灯先生猫っ可愛がり
将軍に怒られますよ、きっと(笑)。でも行灯先生って原作の方も、からかわれつつ可愛がられている気がする……地雷原とか丹羽看護師とかに。
将軍はちゃっかり入室時に鍵をかけているので、狙っていたものと思われます。
魔人配達のお昼ごはんはカロリーメイトぐらいかと思ってたのですが、のびたうどんとか、嫌がらせ要素たっぷりでいいかもしれませんね。ナイスアイデア!
それではまたのご来訪を楽しみにしております。