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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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最終回……です。回数的にはキリがいいカンジ。

この話、初期コンセプトは「身体から堕ちる行灯先生」でした。これなら別に性転換する必要はなかったのですが、そこはまあ趣味の産物とゆーか。腕組んで歩くシーンが描きたかっただけ、というのが身も蓋もない動機だったりします。
苦手な方もいるだろう話で、挙句こうダラダラ続いた話でしたが、お付き合い下さった方々には感謝の気持ちでいっぱいです。有難う御座いました。

触れられた唇は、速水の体温を伝えるには短すぎた。
瞬間走った思考は「もっと」で、そう思った自分自身が田口は信じられないでいる。
至近距離で速水は笑った。

「俺は多分」

意識が途切れる直前のセリフを速水は繰り返す。
逃げられないと思った。



「俺は多分、お前が男でも抱ける」
「な、にを…………っ」

信じ難いセリフに田口は目を見開いた。速水の顔を凝視する以外、何も出来ない。
田口の反論を後回しにするかのように速水は言葉を紡ぎ続けた。

「さっき、そう言うつもりだった。で、実際お前が男に戻ってみて、だ。やっぱりイケると確信したね。抱きたい」
「速水…………」
「まあそれよりも、お前に傍に居て欲しいんだよ。休みを一緒に過ごして、一緒にメシ食って、ダベって、セックスもする。そういう風にお前と付き合いたい……その気持ちは今、男のお前を見ても変わらないな」

速水の言葉に、心の底でふつふつと湧き上がるのは歓喜だ。
女じゃないのにどうして、とも思う。
だが、速水に傍に居て欲しいと言われて、喜ばないなんて嘘だ。

「お前はどうだ? 好きだと思うし優しくされて嬉しいし、触れたいし触れて欲しいと思う、でもそれは女だからだ、そう言ったよな? だったら今は?」

速水の手は既に田口に触れている。頬を撫で、耳を擽り、髪を梳く。
その手が心地よくて、甘えてしまう。猫の気分だ。
男に戻った今でも、好きも嬉しいも触れたいも、田口の心の中に残っていた。ますますはっきりと形が浮かび上がるばかりだ。
最早抗えなかった。
キスに抵抗はない。何度も啄ばまれて、唇が火照るようだった。

「…………嫌か?」

唇が掠め合う距離で囁かれた。首を横に振る。
嫌ではない。温かい。柔らかい。
つい先日知った、速水の柔らかい部分だ。
田口の反応に、今度は長く、じっくりと唇が合わせられる。
速水の手が背中を回って、スウェットの中に潜り込む。
撫で回される背中がくすぐったかった。

「気持ちい?」
「ん…………っ」

捏ね回される舌、霞みがかかる思考。
今はこれも快楽だと知っている。だから頷く。

「もっと、いいか…………?」

頷いた。
もっと溶け合って。もっと刻み込んで。重ね。絡み。混ぜて。もっと。
問うために離れた唇を求めて、田口の方から腕を伸ばした。
速水の頭ごと抱き締めて身体でしがみついた。



「嫌か?」

問いながら、速水は自分の心に問うた。
嫌じゃない。
腕の中の身体に柔らかい部分は少なく、骨がすぐに触れる感じだ。
しかし、触れたい気持ちは強いし揺らぐこともない。

「気持ちい?」

頷く田口に嬉しくなる。陶酔したような表情に、堪らないほど刺激された。溶け合う瞬間が待ち遠しくなる。

「もっと、いいか?」

田口から伸ばされた腕に、忍耐は弾け飛んだ。
スウェットを捲れば、前夜に刻んだ赤い痕がいくつも散っている。
一つ一つそれを辿ってもう一度強く噛みついた。
その度に田口が声を上げて速水を呼ぶのが、何となく可笑しかった。
昨夜抱いた女も、これから抱く男も、どちらも田口だ。
同じように愛しいと思った。



「あ、そうだ」
「ん…………?」

田口の布団は当然ながら一人用で、男二人で潜り込むには窮屈だ。
情交で疲労困憊した田口を腕に抱えて眠りにつこうとしていた速水だったが、ふと思い出すことがあって田口に声をかけた。
田口は既に閉じかかった瞼を手で擦ることで、何とか意識を保とうとしている。

「明日病院行ったらさ、俺は超絶可愛い料理上手の彼女と半同棲ってことになってると思うから。話合わせといてくれ」
「え、っと…………って何ソレ?」

ぼんやり聞いていた田口だったが、頭が回るにつれて眉間に皺が寄った。
ここ数日、速水の身近にいた外見女性は田口しかいない。実態はともかく、傍から見ればちゃんと男女交際だ。

「み、見られてた…………?」
「サ店でダベってたところを、ウチのナースにな」
「ああ、もう…………っ」

田口は大きく溜息を吐いた。
そんな田口の瞳を覗き込みながら、速水はにっと笑ってやった。

「そういうワケだから、妬かなくていいぞ?」

速水の言葉に田口は腕を伸ばし、ぱちりと速水の額を叩く。
その手を捕まえて指に舌を這わせると、くすぐったそうに肩を竦めながら田口もくすくすと笑いだす。
その声に誘われて、速水も笑いながら田口を抱える腕に強く力を込めた。
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ガッツリ
こんばんわ(^^)連載終わりましたね~。
4月中、わくわくしながらガッツリ読ませていただきました。イチャイチャ場面、リアルな日常で原作にはに描写なのでうれしかったです。
田口センセは、いつでもどうなっても可愛い(!ある意味魔性!)速水先生が離したくなくなる訳ですね。ユ○ク○の服のその後の行方がちょっと気になる(><)
maru 2009/04/29(Wed)21:42:24 編集
Re:ガッツリ
いらっしゃいませ、コメント有難う御座います。
四月いっぱい、まるまるかかっちゃいましたねえ。も一個やろうと思ってたパラレルはまた別の機会だな。

>リアルな日常
コレ! これは結構拘ったんですよ――っ。つってもまぁ、何だろ、食事のメニューとか、無理の無いデートコースとかぐらいですが。時間とか曜日とか、そういうのも入るかな。少しでも伝わって嬉しいです。見つけてくれて有難う!

>服の行方
そうですねえ……3セットのうち2つは将軍チに置いてっちゃったので、そのままです。またひょんなことで化けちゃって、有効活用ってコトになります。
今ならカップ付きキャミも時期的に出回ってるけど、コレの構想練ってた冬は商品棚にそんなに入荷されてなくてですねぇ……どうしようかと思ったね。
「サイズなんて見りゃ大体解るだろ」とか言いながら、将軍にブラ買わせるのか?……とか考えてた。あ、これも「リアル」な拘りかも(笑)。
S.Kirishima 2009/04/30 17:58
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