2222番ヒットした、飛星さまのリクエストです。
ヒット報告&リクエスト有難う御座いました。
リクエストは「第3者視点の学生時代の将軍×行灯(女の子ver)」です。
……ということなので、行灯先生女体化してます。
苦手な方は逃げて下さい。
とは言ってもなぁ……あんまり女の子っぽくないかもしれない。
どっちかっつーと下世話な話になりそうなので、「おっとりぼんやり可愛い系」を期待している方にはまた不向きです。
タイトル通り、いろいろ「有り得ない」二人かもな。
ヒット報告&リクエスト有難う御座いました。
リクエストは「第3者視点の学生時代の将軍×行灯(女の子ver)」です。
……ということなので、行灯先生女体化してます。
苦手な方は逃げて下さい。
とは言ってもなぁ……あんまり女の子っぽくないかもしれない。
どっちかっつーと下世話な話になりそうなので、「おっとりぼんやり可愛い系」を期待している方にはまた不向きです。
タイトル通り、いろいろ「有り得ない」二人かもな。
「…………何やってんだ、お前ら」
「あ、島津。彦根も」
大学構内でその姿を見かけた島津は、唖然としてしまった。
島津の驚愕を余所に、速水の背中にいた田口は笑って島津と、ちょうど一緒になった彦根に声をかけてきた。
「どしたんですか、速水先輩。おんぶなんかしちゃって」
彦根も当然疑問に思った点をさっさと口にした。
そう。
島津が出会ったのは、田口をおんぶした速水であり、速水におんぶされた田口だったのだ。大学生がやることとも思えない。
彦根に問われ、速水は憮然とした表情になった。
「コイツが生理痛と貧血で動けないっつーから、家に連れてくとこ」
あんまりな理由に島津は呆気に取られる。
それを説明した田口も田口なら、聞いた速水も速水だ。
大学構内で同期の女子をおんぶなんて、やるか普通?
そんな島津に気付くこともなく、田口は速水の背から身を乗り出すようにして話しかけてきた。
「聞けよ、島津。コイツ失礼なんだよ、さっきから重い重いって。女のコに言うことか? お前が非力なんじゃないの?」
「るっせえ。生理がどうのとかぬかすお前の、どこが女だ。お前にゃ恥じらいとか嗜みっつーモンはないのか」
「うっわ――、速水ってば古いなぁ。遊び人のくせに頭固いぞ」
「誰が遊び人だ。テメェ元気じゃねえか。落とすぞ、この」
「あ、ヤだダメ、お腹痛くて動けない」
「ぐ……っ、絞めんな、バカ。あ――もう、炒飯程度じゃ割に合わねぇ」
「じゃあオムライスにグレードアップ」
「薄焼き卵一枚じゃねえか。しかもお前のオムライスって上に卵乗っけるだけだし」
「だって包むの難しいんだもん。お前大盛りだろ? 更に難しいし」
二人の会話は怒涛のように続く。
その間も速水は足を止めることなく、構内を突っ切って外へと向かっていった。島津も彦根も途中で足を止め、呆然と二人を見送った。
しばしの沈黙の後、揃って溜息を吐いた。
先に口を開いたのは彦根だ。
「スキンシップは当たり前、互いの家にも出入りする、食べる量も料理の腕も知ってる、それで付き合ってない……って有り得ると思います?」
彦根の言うことも尤もである。
さばさばして女の友人としては付き合い易い田口だが、自分が女だという意識が薄いのか時に反応に困ることをしでかす。ポン友三人、特に速水に対してはボーダーが無いのかと思うほど衒いがなかった。
速水も速水で、自分のカノジョよりもマメに相手をしている事実に気付いていない。
「実際あいつら、付き合ってないんだろ」
「そう言ってますけどね。今、速水先輩カノジョいるし。あれ絶対、カノジョが具合悪くても気付かないですよ。田口先輩なら顔色悪いのすぐ気付くのに」
「有り得ねえ……」
田口に原因があるのかそれとも速水のせいなのか。
結局どっちもどっちで、ああも説明に困る関係が成り立っているのだろうと島津は思う。
島津の溜息に重なるように、彦根も息を吐いた。
「あーあ、またいろいろ訊かれるなぁ。あの二人、こっちが説明に苦労してるの、絶対気付いてないですよね」
「まったくだ」
東城大のワイドスペクトルコンビは有名だ。
同期である分、彦根よりも島津の方が質問の矢は集中する。島津も既にウンザリしてしまった。「具合が悪い田口を速水が送っていっただけ」で話が終わらないから、また面倒くさい。
周囲のひそひそ声の大半が速水と田口を話題にしているようで、島津はますます気が重くなってきた。
取り敢えず、生理痛云々は黙っておくべきだろう。
「あ、島津。彦根も」
大学構内でその姿を見かけた島津は、唖然としてしまった。
島津の驚愕を余所に、速水の背中にいた田口は笑って島津と、ちょうど一緒になった彦根に声をかけてきた。
「どしたんですか、速水先輩。おんぶなんかしちゃって」
彦根も当然疑問に思った点をさっさと口にした。
そう。
島津が出会ったのは、田口をおんぶした速水であり、速水におんぶされた田口だったのだ。大学生がやることとも思えない。
彦根に問われ、速水は憮然とした表情になった。
「コイツが生理痛と貧血で動けないっつーから、家に連れてくとこ」
あんまりな理由に島津は呆気に取られる。
それを説明した田口も田口なら、聞いた速水も速水だ。
大学構内で同期の女子をおんぶなんて、やるか普通?
そんな島津に気付くこともなく、田口は速水の背から身を乗り出すようにして話しかけてきた。
「聞けよ、島津。コイツ失礼なんだよ、さっきから重い重いって。女のコに言うことか? お前が非力なんじゃないの?」
「るっせえ。生理がどうのとかぬかすお前の、どこが女だ。お前にゃ恥じらいとか嗜みっつーモンはないのか」
「うっわ――、速水ってば古いなぁ。遊び人のくせに頭固いぞ」
「誰が遊び人だ。テメェ元気じゃねえか。落とすぞ、この」
「あ、ヤだダメ、お腹痛くて動けない」
「ぐ……っ、絞めんな、バカ。あ――もう、炒飯程度じゃ割に合わねぇ」
「じゃあオムライスにグレードアップ」
「薄焼き卵一枚じゃねえか。しかもお前のオムライスって上に卵乗っけるだけだし」
「だって包むの難しいんだもん。お前大盛りだろ? 更に難しいし」
二人の会話は怒涛のように続く。
その間も速水は足を止めることなく、構内を突っ切って外へと向かっていった。島津も彦根も途中で足を止め、呆然と二人を見送った。
しばしの沈黙の後、揃って溜息を吐いた。
先に口を開いたのは彦根だ。
「スキンシップは当たり前、互いの家にも出入りする、食べる量も料理の腕も知ってる、それで付き合ってない……って有り得ると思います?」
彦根の言うことも尤もである。
さばさばして女の友人としては付き合い易い田口だが、自分が女だという意識が薄いのか時に反応に困ることをしでかす。ポン友三人、特に速水に対してはボーダーが無いのかと思うほど衒いがなかった。
速水も速水で、自分のカノジョよりもマメに相手をしている事実に気付いていない。
「実際あいつら、付き合ってないんだろ」
「そう言ってますけどね。今、速水先輩カノジョいるし。あれ絶対、カノジョが具合悪くても気付かないですよ。田口先輩なら顔色悪いのすぐ気付くのに」
「有り得ねえ……」
田口に原因があるのかそれとも速水のせいなのか。
結局どっちもどっちで、ああも説明に困る関係が成り立っているのだろうと島津は思う。
島津の溜息に重なるように、彦根も息を吐いた。
「あーあ、またいろいろ訊かれるなぁ。あの二人、こっちが説明に苦労してるの、絶対気付いてないですよね」
「まったくだ」
東城大のワイドスペクトルコンビは有名だ。
同期である分、彦根よりも島津の方が質問の矢は集中する。島津も既にウンザリしてしまった。「具合が悪い田口を速水が送っていっただけ」で話が終わらないから、また面倒くさい。
周囲のひそひそ声の大半が速水と田口を話題にしているようで、島津はますます気が重くなってきた。
取り敢えず、生理痛云々は黙っておくべきだろう。
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COMMENT
ありがとうございます
読ませていただきました。何というか、二人の関係がもう…っ堪りません。速水先生は一回以上田口先生が原因で振られたことがありそうです(笑)。田口先生の彼氏出来ないんじゃないかな? とか読んでいて思いました。
素晴らしい小説ありがとうございます。これからも頑張ってください。それでは今回はこの辺で失礼します。
素晴らしい小説ありがとうございます。これからも頑張ってください。それでは今回はこの辺で失礼します。
Re:ありがとうございます
いらっしゃいませ。あんなんでよろしかったでしょうか? 人目も憚らずイチャつく二人に辟易する人々、ってのでも良かったかもしれないな。
>行灯先生が原因でフられたこと
……ある。てか、フられるんじゃなくてフる方だな。脳内設定では、行灯先生もそこそこモテるし彼氏がいることもあるが、やっぱり将軍が原因で別れるハメに陥ってます。
実は続きが思い浮かんだので、書こうかなぁとか考え中です。五月の企画が何とかなったら、ね。その時は読んでやって下さると嬉しいです。
>行灯先生が原因でフられたこと
……ある。てか、フられるんじゃなくてフる方だな。脳内設定では、行灯先生もそこそこモテるし彼氏がいることもあるが、やっぱり将軍が原因で別れるハメに陥ってます。
実は続きが思い浮かんだので、書こうかなぁとか考え中です。五月の企画が何とかなったら、ね。その時は読んでやって下さると嬉しいです。