シリアス第二弾です。
突然ですがドリカムの初期のナンバーに「LAT.43°N」ってのがあります。
有体に言うと遠距離恋愛に挫折しかかっている歌です。
これのツボは
①男がいるのは北である。
② 彼女←あなた×私 の図式。
です。
さぁて、問題です。
②に好きなキャスティングをしてみましょう。出来るかな?
はい、できました!
……というワケで、ハヤブサ一人称。
赤本前提、腐れ的に都合のいい展開です。
しかし今思ったけど、えっらい季節外れだ……。
突然ですがドリカムの初期のナンバーに「LAT.43°N」ってのがあります。
有体に言うと遠距離恋愛に挫折しかかっている歌です。
これのツボは
①男がいるのは北である。
② 彼女←あなた×私 の図式。
です。
さぁて、問題です。
②に好きなキャスティングをしてみましょう。出来るかな?
はい、できました!
……というワケで、ハヤブサ一人称。
赤本前提、腐れ的に都合のいい展開です。
しかし今思ったけど、えっらい季節外れだ……。
やっと繋がった電話は、話題も途切れがちだった。
救命救急センター勤務の彼と、病棟勤務の私ではスレ違いが多くなる。
忙しさを理由に反故になった約束の数々。
疲労を滲ませ、おざなりになる会話。
そしてまた、問いかけたくなる。
いつまでこうしているの、と。
「ねえ」
「ん?」
「約束、忘れてないでしょう?」
「ん? ああ、イルミネーション見に行こうってヤツな。覚えてるって。悪い、暇が出来なくてな」
「覚えてるなら、いいの」
多分、この約束もダメになる。
どうせダメになるなら、その気なんか見せないで欲しい。
彼に誠意が無いとは言わない、いつだってその言葉は彼の真実で、本気なのだろうけれど。
「…………オレンジのみんなは、元気かしらね」
「ああ、そういやこないだテレビの取材が入ったらしいな」
自分でも自虐的としか思えない話題を振る。
案の定、彼の声は明るくなった。
全身を耳にして彼の言葉を待つ私を、きっと彼は知らない。
知らないままに、彼は喋り続ける。
「結局放映はされなかったが、佐藤ちゃんもいろいろ考えることがあるようだな。如月はネコさんに大分シゴかれてるようだ。ネコさんはネコさんで、実に楽しくイビってるらしい……俺もよくイジメられたな、そういや」
「…………私も、そうだったわ」
誰からそんな話を聞いたの?
知った話題にポツリと一言返しながら、心の中では別のことを考える。
思い浮かぶのは如月や他のオレンジの看護師の顔ではなくて、彼の二十年来の友人の顔。霧雨がしっとりと濡らすように、柔らかくゆるりと笑う人。
先方から電話をしてくるのだろうか。
考えるけど、すぐに否定する。
私がいくらかけても繋がらないのに、遠くにいるその人が偶々かけてきて繋がる確率なんてそれこそもっと低い。マメに電話をするタイプじゃなさそうだし。
ならば答えは一つ、彼から電話をしているのだ。
…………私にはほとんどかけてこないのに。
「どうした?」
「ううん、何でもない」
考え込んでしまっていた私にやっと気付いて、彼が問いかけてきた。
訊きたいことは幾らでもあるけれど、結局私は何一つ訊けず、全てを胸のうちにしまいこむしかない。
きっと、言いたいことを黙ることで、また二人の距離が開くのだろうけど。
「そうか。じゃ、おやすみ」
「おやすみなさい」
電話越しにキスを残して、彼の方から電話は切れた。
ここにはいない彼を抱き締める代わりに、私は受話器を抱き締める。携帯電話は小さくて、彼の代わりなど務まる筈もなかった。
救命救急センター勤務の彼と、病棟勤務の私ではスレ違いが多くなる。
忙しさを理由に反故になった約束の数々。
疲労を滲ませ、おざなりになる会話。
そしてまた、問いかけたくなる。
いつまでこうしているの、と。
「ねえ」
「ん?」
「約束、忘れてないでしょう?」
「ん? ああ、イルミネーション見に行こうってヤツな。覚えてるって。悪い、暇が出来なくてな」
「覚えてるなら、いいの」
多分、この約束もダメになる。
どうせダメになるなら、その気なんか見せないで欲しい。
彼に誠意が無いとは言わない、いつだってその言葉は彼の真実で、本気なのだろうけれど。
「…………オレンジのみんなは、元気かしらね」
「ああ、そういやこないだテレビの取材が入ったらしいな」
自分でも自虐的としか思えない話題を振る。
案の定、彼の声は明るくなった。
全身を耳にして彼の言葉を待つ私を、きっと彼は知らない。
知らないままに、彼は喋り続ける。
「結局放映はされなかったが、佐藤ちゃんもいろいろ考えることがあるようだな。如月はネコさんに大分シゴかれてるようだ。ネコさんはネコさんで、実に楽しくイビってるらしい……俺もよくイジメられたな、そういや」
「…………私も、そうだったわ」
誰からそんな話を聞いたの?
知った話題にポツリと一言返しながら、心の中では別のことを考える。
思い浮かぶのは如月や他のオレンジの看護師の顔ではなくて、彼の二十年来の友人の顔。霧雨がしっとりと濡らすように、柔らかくゆるりと笑う人。
先方から電話をしてくるのだろうか。
考えるけど、すぐに否定する。
私がいくらかけても繋がらないのに、遠くにいるその人が偶々かけてきて繋がる確率なんてそれこそもっと低い。マメに電話をするタイプじゃなさそうだし。
ならば答えは一つ、彼から電話をしているのだ。
…………私にはほとんどかけてこないのに。
「どうした?」
「ううん、何でもない」
考え込んでしまっていた私にやっと気付いて、彼が問いかけてきた。
訊きたいことは幾らでもあるけれど、結局私は何一つ訊けず、全てを胸のうちにしまいこむしかない。
きっと、言いたいことを黙ることで、また二人の距離が開くのだろうけど。
「そうか。じゃ、おやすみ」
「おやすみなさい」
電話越しにキスを残して、彼の方から電話は切れた。
ここにはいない彼を抱き締める代わりに、私は受話器を抱き締める。携帯電話は小さくて、彼の代わりなど務まる筈もなかった。
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COMMENT
そうなんすよね~
『赤本伝説』もダ○○○チの短編も将軍行灯ファンとしては、将軍花房のラブラブが書いてあるかと思って覚悟して読みましたが、そこは語られてないままなんですよね。将軍は、あんまり花房にデレデレしていませんからね~。(行灯先生には…なのに)
(^^)花房目線じゃ、北に一緒に行っても、もしかして結婚しても心休まらない人ですよ将軍は。作者先生も『苦労しますよ』っていうはずですな。
(^^)花房目線じゃ、北に一緒に行っても、もしかして結婚しても心休まらない人ですよ将軍は。作者先生も『苦労しますよ』っていうはずですな。
Re:そうなんすよね~
あ、ちょっとだけダ・ヴィ●チ絡めてみましたっ。
霧島は立ち読みで終わってますが、将軍の出番が無くて残念のような、ラブい将軍が出なくて安心したような。極北でもそこら辺は本編関係ないから出ませんしね。
伝説と赤本読んで思ったのは、「将軍は見つめられると弱い!」ってコトだったな。案外その気になりやすいって印象だった……。
作者公認だから苦労するのは決定でしょうね。とあるサイト様で「外科医は結婚相手には最悪!とか言われてるらしいよ」って言ってたし……。行灯先生くらいの、付かず離れずが一番いいのかもしれないな(←結局ソコ行くか)。
霧島は立ち読みで終わってますが、将軍の出番が無くて残念のような、ラブい将軍が出なくて安心したような。極北でもそこら辺は本編関係ないから出ませんしね。
伝説と赤本読んで思ったのは、「将軍は見つめられると弱い!」ってコトだったな。案外その気になりやすいって印象だった……。
作者公認だから苦労するのは決定でしょうね。とあるサイト様で「外科医は結婚相手には最悪!とか言われてるらしいよ」って言ってたし……。行灯先生くらいの、付かず離れずが一番いいのかもしれないな(←結局ソコ行くか)。