本気でダーク警報発令中
更に言うと今回R指定も入っちゃう。
まあちょっとだけ。
連載、特にシリアスの更新には時間がかかったりするものですが、今回に限ってはそんなにお待たせしないと思います。
というのも、この話、構想期間がかなり長かったからです。
最初に思いついたのは実にバレンタイン直前でした。あのアホくさい魔人と将軍の義理チョコ話を思いついた後と言っていいくらいのタイミングです。
それからずっと、折に触れては脳内で場面を作りセリフを捏ね回ししてたので、随分と詳細まで出来上がっておりました。
以下、製作裏話も次回へ続きます。
更に言うと今回R指定も入っちゃう。
まあちょっとだけ。
連載、特にシリアスの更新には時間がかかったりするものですが、今回に限ってはそんなにお待たせしないと思います。
というのも、この話、構想期間がかなり長かったからです。
最初に思いついたのは実にバレンタイン直前でした。あのアホくさい魔人と将軍の義理チョコ話を思いついた後と言っていいくらいのタイミングです。
それからずっと、折に触れては脳内で場面を作りセリフを捏ね回ししてたので、随分と詳細まで出来上がっておりました。
以下、製作裏話も次回へ続きます。
「あんたは名前呼ばないな」
ふと加納が呟いた。
呟きながら腰を揺らすものだから、田口の意識はすぐに飛んでしまう。真っ当に加納の声を記憶することが出来ない。
「何、を…………んんっ」
太いものに身体の内側を擦られて、田口は背をくねらせた。密着した身体の隙間に手を突っ込んで、加納が田口自身を刺激する。それもまた田口の理性を薄くさせた。
「俺の名前も、アイツの名前も呼ばない。こんだけ身体は悦んでて、意識も半分ぶっ飛んでるだろうに」
「あ、ん………んぅっ」
浅く深く突くことを繰り返し、田口自身の先端をぐるりとなぞり、時折乳首に噛み付き。
加納は嬲るように田口に触れながら話し続ける。
その刺激にいちいち身体を跳ねさせながら、田口はボンヤリ思う。
誰の名前も呼べる筈がなかった。
速水の名前は呼べない。
彼は速水ではない。ここで速水を呼んでも速水は来ない。
何より、彼がどう思うかが解らない。
最悪速水を更に逆境に追い込むことになる。それは避けたかった。
彼の名前もまた、呼べなかった。
決して嫌いな相手ではなかったのだ。それがどうしてこんなことになったのか。残念で仕方がなかった。
抵抗の表れでもあった。名前を呼ばないことで、これは田口の本意ではないと主張する気もあった。
そして、彼の名前を呼ばないのは、今田口が出来る精一杯の速水への誠意だと思っている。身体を好きにされて、今更、誠意も何もないのかもしれないけれど。
「ま、あんたのそういう強情なとこも、意外に気に入っているんだ」
加納はそんな田口の心中を解っているのかもしれなかった。
薄く笑って、田口の耳の下あたりに噛み付いた。
キスマークなんて甘いものじゃなかった。
肉が喰われる感触に、ちょっと本気で生命の危機を感じる。
一方で、彼が猟犬と呼ばれているのを思い出して田口は心の中で笑った。
「…………佐藤ちゃんに聞いた」
不定愁訴外来に顔を出した速水は、田口の顎を持ち上げて傷を見た。
鏡で見ても酷いと思った傷は、速水から見ても酷いものらしい。
速水の顔が歪む。
最近はこんな、苦痛を堪えるような速水ばかり見ていると田口は思う。
それを願っているわけではないのに。
田口の顎を支えたまま、速水は唇を傷に寄せた。
ゆっくりと丁寧に傷を舐める。残った歯型の一つ一つを塞ぐように、速水の舌は傷を辿った。
「あぁ…………っ」
背筋を走る愉悦に田口は細く声を漏らす。
落ちてくる速水の髪が首筋を撫でてくすぐったい。近過ぎる距離が体臭を伝える。懐かしくて、でも少しの違和感。キャンディの甘い匂いだけががしない。
今の田口に許されているのは速水の白衣を強く掴むくらいだ。
子供が母親にしがみつくように、田口は速水の白衣を強く握った。
「行灯…………」
いつの頃からか、速水も田口の名前を呼ばない。
大昔の渾名にからかいの色はなく、その声に切なさを聞くのは田口の気のせいではないだろう。
きつく眼を閉じ、奥歯を噛み締めて口を吐いて出そうになる速水の名前を田口は押し殺した。
もどかしい。手を伸ばしたい。
もっと、身体全てで触れ合いたいし、想いの全てを叫んでしまいたい。
触れてくる速水の舌が、耳をくすぐる速水の吐息が、頭の芯を揺さぶり始める。
だが。
放置していた携帯電話がバイブモードで着信を知らせ、デスクの上で暴れだした。
『よお。今晩行くから』
低い声がそれだけを告げて切れた。
沈黙の中で田口は速水と見つめ合う。
速水の痛そうな顔に、何故だか田口は笑いたくなった。
ふと加納が呟いた。
呟きながら腰を揺らすものだから、田口の意識はすぐに飛んでしまう。真っ当に加納の声を記憶することが出来ない。
「何、を…………んんっ」
太いものに身体の内側を擦られて、田口は背をくねらせた。密着した身体の隙間に手を突っ込んで、加納が田口自身を刺激する。それもまた田口の理性を薄くさせた。
「俺の名前も、アイツの名前も呼ばない。こんだけ身体は悦んでて、意識も半分ぶっ飛んでるだろうに」
「あ、ん………んぅっ」
浅く深く突くことを繰り返し、田口自身の先端をぐるりとなぞり、時折乳首に噛み付き。
加納は嬲るように田口に触れながら話し続ける。
その刺激にいちいち身体を跳ねさせながら、田口はボンヤリ思う。
誰の名前も呼べる筈がなかった。
速水の名前は呼べない。
彼は速水ではない。ここで速水を呼んでも速水は来ない。
何より、彼がどう思うかが解らない。
最悪速水を更に逆境に追い込むことになる。それは避けたかった。
彼の名前もまた、呼べなかった。
決して嫌いな相手ではなかったのだ。それがどうしてこんなことになったのか。残念で仕方がなかった。
抵抗の表れでもあった。名前を呼ばないことで、これは田口の本意ではないと主張する気もあった。
そして、彼の名前を呼ばないのは、今田口が出来る精一杯の速水への誠意だと思っている。身体を好きにされて、今更、誠意も何もないのかもしれないけれど。
「ま、あんたのそういう強情なとこも、意外に気に入っているんだ」
加納はそんな田口の心中を解っているのかもしれなかった。
薄く笑って、田口の耳の下あたりに噛み付いた。
キスマークなんて甘いものじゃなかった。
肉が喰われる感触に、ちょっと本気で生命の危機を感じる。
一方で、彼が猟犬と呼ばれているのを思い出して田口は心の中で笑った。
「…………佐藤ちゃんに聞いた」
不定愁訴外来に顔を出した速水は、田口の顎を持ち上げて傷を見た。
鏡で見ても酷いと思った傷は、速水から見ても酷いものらしい。
速水の顔が歪む。
最近はこんな、苦痛を堪えるような速水ばかり見ていると田口は思う。
それを願っているわけではないのに。
田口の顎を支えたまま、速水は唇を傷に寄せた。
ゆっくりと丁寧に傷を舐める。残った歯型の一つ一つを塞ぐように、速水の舌は傷を辿った。
「あぁ…………っ」
背筋を走る愉悦に田口は細く声を漏らす。
落ちてくる速水の髪が首筋を撫でてくすぐったい。近過ぎる距離が体臭を伝える。懐かしくて、でも少しの違和感。キャンディの甘い匂いだけががしない。
今の田口に許されているのは速水の白衣を強く掴むくらいだ。
子供が母親にしがみつくように、田口は速水の白衣を強く握った。
「行灯…………」
いつの頃からか、速水も田口の名前を呼ばない。
大昔の渾名にからかいの色はなく、その声に切なさを聞くのは田口の気のせいではないだろう。
きつく眼を閉じ、奥歯を噛み締めて口を吐いて出そうになる速水の名前を田口は押し殺した。
もどかしい。手を伸ばしたい。
もっと、身体全てで触れ合いたいし、想いの全てを叫んでしまいたい。
触れてくる速水の舌が、耳をくすぐる速水の吐息が、頭の芯を揺さぶり始める。
だが。
放置していた携帯電話がバイブモードで着信を知らせ、デスクの上で暴れだした。
『よお。今晩行くから』
低い声がそれだけを告げて切れた。
沈黙の中で田口は速水と見つめ合う。
速水の痛そうな顔に、何故だか田口は笑いたくなった。
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COMMENT
期待以上です!
こんにちは。
2話目も大変堪能させていただきました。
前回に続いて黒猟犬にビリビリきました。
田口先生とジェネラルの逢瀬が切なかったです。
二人とも言葉を紡ぐことができずに苦しんでいるのかと思うと哀しいです。
そんな二人の時間を動かしたのが猟犬からのコールというのが切なさに拍車をかけた感じでした。
続きが本当に楽しみです。
2話目も大変堪能させていただきました。
前回に続いて黒猟犬にビリビリきました。
田口先生とジェネラルの逢瀬が切なかったです。
二人とも言葉を紡ぐことができずに苦しんでいるのかと思うと哀しいです。
そんな二人の時間を動かしたのが猟犬からのコールというのが切なさに拍車をかけた感じでした。
続きが本当に楽しみです。
Re:期待以上です!
いらっしゃいませ。コメント有難う御座います!
黒いってゆーか……横暴だ。基本猟犬のイメージは「えばりくさっている」なので、それが行きつくとこまで行くとあんな印象になるのかも。
最後、拍子抜けしないように頑張りますのでもうちっとお付き合い下さいませ。
黒いってゆーか……横暴だ。基本猟犬のイメージは「えばりくさっている」なので、それが行きつくとこまで行くとあんな印象になるのかも。
最後、拍子抜けしないように頑張りますのでもうちっとお付き合い下さいませ。