愛車精神。

ひょっとしたら緑本ネタバレ注意報発令中

天気が良かったので、久々に（それこそ１年ぶりとか）洗車しました。
洗車すると腕が筋肉痛になるのが困りものです（←情けない）。


で、愚痴外来で車といえば猟犬のベンツ。
アレ、自分で洗車してると思います？
汚いのは却下でしょう。薄汚れたベンツなんて有り得ない。
だからって自分で磨くのか？　それともスタンドへ持って行って機械洗車⇒自分ワックス？　どっちも想像つきません。
海外ドラマ「超常現象」の兄は愛車を「SHE」と呼びますが、猟犬もそうだったりして……に、似合うか？
キャストは猟犬と火喰い鳥と行灯先生。
猟犬がちょっとフェチっぽいかもしれん……。


後記：ベンツの仕様については公式サイトのCKL350の仕様を参考にしました。ただ、年代的なものを考えると猟犬が乗ってるのはその前のCKL320モデルだと思います。あんまりマジメに読まないで下さい。

「触んな。それはベンツの魂だぞ」
「はいはい」

加納に剣呑な声で咎められた白鳥はいい加減な返答をしてベンツのロゴから手を離した。
東城大病院に電話をしようとしていた田口は、ふと顔を上げて加納を見た。

「車、大事にしてらっしゃるんですね」
「おうよ」

田口の一言に加納は笑う。
まるで子供がお気に入りのおもちゃを自慢するような笑みだ。
その美貌に相応しく整った指でベンツのボンネットを撫でる。

「コイツはいいぞ――。正確で安定した操縦性と快適な乗り心地を支える高いボディ剛性。フロントサスペンションは正確でナチュラルなハンドリングを発揮する3リンク式。しかも前面衝突時には、リンクが大きく変形してボディ前部の衝撃吸収性能の効果を高める。リアはマルチリンク式で、後輪の適正な姿勢を保って極めて高い直進安定性を発揮し、快適な乗り心地を実現する。応答性に優れたスポーティなハンドリングを発揮させるダイレクトコントロールを採用。V型6気筒エンジンならではのスムーズな回転特性、218ps/31.4kg・mのパワー。ついでに言うと快適性、機能性を余すところなく追求したエレガントなインテリア。ラグジュアリーな雰囲気の本革シート、本革巻ステアリング＆シフトノブ、センターコンソールやドアトリムに配したダークアッシュウッドパネル。そしてシックなブラックのメーターパネル。さらに240W出力による高品位なサウンド……」

立て板に水、とはこのことか。
唖然とする田口を放置して、加納は喋りまくった。最早田口の反応など必要ともしていない。
田口の隣で白鳥がわざとらしい溜息を吐いた。

「語り出すと止まらないんだよねぇ。今じゃ誰も加納にベンツの話題振らないよ」
「…………先に教えて下さい、そーゆうことは」

白鳥の言葉に田口も溜息を吐いて呟いた。
コソコソと囁き合う二人を余所に、加納による愛車が如何に素晴らしいかトークは日がすっかり昇るまで続くのだった……。