オリキャラ登場注意報発令中
6日発売のダ・ヴィンチは立ち読みです。翔子さん、出世早くねえっすか?
買おうかどうしようか、正直迷ってる……欲しいの最初の特集のトコだけだったりするし。
本屋言ったら、映画系の雑誌どれも赤本映画の特集組んでて、もぉウハウハでした。
タイトル忘れたけど、Sカイさんのインタビュー載ってた雑誌で、「将軍は現実に対する叫び出したいほどのもどかしさと、座り込みたいほどの疲労感を抱いて、その均衡の上にいるんじゃないか」みたいな言葉がありました。
すごく納得した。
「何で飛ばないんだ!」は前者だし、「ここは明るいな」は後者かな。
sカイさんは大河ドラマ以来のファンですが、こーゆう人にジェネラルをやってもらえてよかったのかもしれないと映画見る前から思ったデス。
真面目な話はここまで! あとは妄想の続きと参ります。
この話終わったら、一発大バカなの書いてやろうかな……そんな気分だ。
6日発売のダ・ヴィンチは立ち読みです。翔子さん、出世早くねえっすか?
買おうかどうしようか、正直迷ってる……欲しいの最初の特集のトコだけだったりするし。
本屋言ったら、映画系の雑誌どれも赤本映画の特集組んでて、もぉウハウハでした。
タイトル忘れたけど、Sカイさんのインタビュー載ってた雑誌で、「将軍は現実に対する叫び出したいほどのもどかしさと、座り込みたいほどの疲労感を抱いて、その均衡の上にいるんじゃないか」みたいな言葉がありました。
すごく納得した。
「何で飛ばないんだ!」は前者だし、「ここは明るいな」は後者かな。
sカイさんは大河ドラマ以来のファンですが、こーゆう人にジェネラルをやってもらえてよかったのかもしれないと映画見る前から思ったデス。
真面目な話はここまで! あとは妄想の続きと参ります。
この話終わったら、一発大バカなの書いてやろうかな……そんな気分だ。
「田口先生、お客様ですよ」
つい先ほど、終業時間になって退勤した筈の藤原看護師は、不定愁訴外来を一歩も出ないうちに奥の院に戻ってきた。
パーテーションのところからちょいちょいと手招きされて、田口はのっそりと立ち上がる。
藤原看護師の視線を追って軽いドアから顔を覗かせれば、非常階段の下で抱えた膝に顔を埋めて座り込んでいる愛実がいた。
「仁科、くん?」
思わず田口の口から声が零れる。
人の気配は察しているだろうに、愛実は顔を上げようとしない。
その頑なな態度に、田口は思わず藤原看護師を見た。
藤原看護師も田口を見たが、こちらはちょいと肩を竦めただけだった。
「時間外の外来が必要のようですね」
「まあ…………そうでしょうね」
藤原看護師の言葉に田口は曖昧ながら頷いた。
こんな様子の愛実を見て、放っておけるほど田口は薄情でも冷酷でもない。
「私は帰りますね」
「ええ。お疲れ様でした」
自分がいない方が話しやすいだろうと判断した藤原看護師は、そのまま非常階段を上がっていった。
本日二度目の退勤挨拶を口にして、田口は愛実の隣に膝を曲げて座り込む。
そのまま待った。
待つこと自体は苦にならないが、膝を曲げているのが結構中年男には効くものがある。いっそ地面に尻を付いてしまうかと思いかけたが、白衣を土で汚すのもどうかと思って踏ん切りがつかなかった。
膝に顔を埋めたまま愛実が口を開く。声が籠った。
「ちょっと失敗しちゃって、怒られたんです」
「うん」
「悪いのは私だって解ってる、ちゃんと知らせてれば、拓真くんが苦しい思いをすることもなかったって解ってます、だから、悪いのは私で」
「うん」
「苦しかったのは拓真くんで、こーへー先生みたいに上手くいかなくて、先生が言うのも正しいって解ってるけど、やっぱり何か違う気がして」
「うん」
愛実の言葉はとりとめがなかった。田口が知らない名前も出てくるし、田口自身の名前も脈絡の無いところで出てくる。
だが、田口は頷き続けた。
まずは聞くこと。その人から零れる全てを受け止めること。
それが田口のスタンスだからだ。
三回頷いたところで、不意に愛実が顔を上げた。
「ゴメンなさい、こんな話するつもりじゃなくてっ! そりゃちょっと落ち込んでたけど、全然…………」
夕暮れの中で、田口は愛実の顔を覗き込んだ。
目が赤くなっている。眉間に皺。鼻に力が入って、鼻孔は膨らみ気味。
泣きたいんだなと思う。
それなら、泣かせてやるのが田口の役目だ。
「泣いてもいいんですよ? みんなには秘密にしますから」
「…………駄目です」
「どうして?」
「だって、私が悪かったんです。私が泣いちゃいけないんです。苦しかったのは拓真くんで、なのに私が泣いちゃいけないでしょ」
「そんなことないですよ」
田口は愛実の支離滅裂な主張を柔らかく否定した。
「患者さんや、患者さんの家族の前では確かに泣けません。患者さんの方がもっと辛い思いをしていますし、医師が泣けば患者さんや家族の方の気持ちが揺らぎます」
「…………」
声は出さず、愛実は首を小さく縦に振る。
愛実の顔を覗き込みながら田口は続きを紡いだ。
「でもそれは、今現在、辛い思いをしている貴方を否定する理由にはなりません」
「う…………っ」
愛実の目が怯む。涙腺が緩み始めていた。
「泣いて、吐き出しちゃった方がいいものもありますよ」
「ううぅ~~っ」
田口の言葉に止めを刺されたのか、愛実は膝に顔を埋めて唸るように泣き出した。
「こわっ、怖かったっ、あのままっ死んじゃったらって…………ゴメ、ゴメンっ、知らなかった、ゴメ…………んんぅっ」
膝に顔を隠して泣き顔を見せようとしない泣き方が、初めて会った頃の幼い愛実と同じだった。変わっていないらしい。
田口はそんなことを思い出して、小さく微笑んでいた。
一頻り泣き喚くと、愛実は取り敢えず落ち着いたようだった。
白衣の袖で目元を拭い、鼻水を何とかすすってしまおうとしている。
田口はゆっくり立ち上がった。
曲げたままの膝がすっかり固まっていて軋むようだ。軽く屈伸などしてみればすぐに取れる程度の違和感だったが。
「寄っていきませんか。コーヒーしかありませんが」
「はい」
愛実も立ち上がり、軽く膝を押さえて伸ばす仕草をする。やはり愛実にもあの姿勢は少し辛いものがあったらしい。
不定愁訴外来のドアを片手で押さえ、田口は愛実を先に立たせるように招き入れた。
その様子を、険しい表情で見ていた速水に、田口は全く気付かなかった。
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