オリキャラ登場注意報発令中
5回ですら終わらん。ぜーんぜん終わらん。
だってまだベッドサイドラーニング二日目だし。このままじゃ最低7回。増える可能性はあっても多分減らない。
……皆様、気長にお付き合い下さい。
5回ですら終わらん。ぜーんぜん終わらん。
だってまだベッドサイドラーニング二日目だし。このままじゃ最低7回。増える可能性はあっても多分減らない。
……皆様、気長にお付き合い下さい。
「こんにちはぁ」
ノックの音に返事をすれば、愛実が顔を覗かせた。
田口は頬を緩ませて立ち上がり、愛実を奥へ迎え入れた。
愛実は不定愁訴外来内をぐるっと大きく見回している。
「如月看護師から聞いたけど、こーへー先生って神経内科でしょ? それなのにカウンセリングみたいなこともやってるの?」
「ま、諸々あってね」
病院内の権力抗争に束縛されない学生の愛実から出る言葉は遠慮がない。
田口は苦笑を浮かべて全てをうやむやにした。
いつものように来客にコーヒーを用意しようとして、ふと思い出す。
「ジュースじゃないけど、平気かな?」
「ヤだ、こーへー先生。私もう子供じゃないって」
「そうだった」
愛実は軽やかに笑い、勧められるより先にソファに腰を下ろした。
「それ、なあに?」
「サイフォン。見たことないですか?」
「うん。そんなのあるんだ」
今の学生はサイフォンを知らないらしい。サイフォンの絶滅も遠くなさそうな気配に、田口は悲しくなった。
愛実の口調は子供の時のままだ。
田口の方は口調を選びかねていて、学生相手の口調を作り切れない。
昔の患者に会うことは今までに何度かあった。だが、十余年ぶりで、しかも子供が大人になっている。そんなケースは初めてだ。
愛実の方が子供の時と同じくタメ口なのだから、田口も砕けた口調でいいのかもしれないが、実習生だし節度というものが……などと考え込み、結局田口は「なりゆきまかせ」という安直な方法を選ぶことにした。
出来あがったコーヒーにスティックシュガーとポーションを添えて愛実に出すと、田口も彼女の向かいに座った。
ブラックコーヒーの芳香を楽しんでから口を切る。
「実習は順調ですか?」
「まだ二日目だし、何とも。実際五日しかいないワケだし。でもいろんな子がいるなぁって思いました」
「そうですね」
「お姉ちゃんって呼ばれたんですよ、私。でも別の子にはおばさんって言われちゃって。私まだ二十代なのに――っ!とか」
愛実は楽しそうに話す。
医学部に入れば、いろんな過程で試される。
適性であれ人間性であれ、医者に不適とあれば生き残る術はない。不適な医者が治療に当たるのは何より患者に対して罪悪だ。
愛実がここまでやってきて、今、病院実習に溌溂と取り組んでいる。
それは彼女の前途にとっても素晴らしいことだろうと田口は思う。
暫く実習のことや、一緒にきている友達のことを話していた愛実だったが、ふと真面目な表情を作った。
「こーへー先生みたいなお医者さんに、なりたいです」
「それは…………あまりお勧めしませんが」
「どうして?」
愛実の言葉に田口は正直に答えた。当然ながら愛実は首を傾げる。
どうしてと言われて、田口は逆に困ってしまった。
万年窓際講師のどこをどう推薦できるのか、こちらが教えてもらいたいくらいだ。
「出世出来ませんよ」
「あはっ」
田口の言葉に愛実は楽しそうに噴き出した。
信用していないらしい。
自分で言って情けない気がしないでもない田口だが、愛実が屈託なく笑うので頬が緩んだ。
目が合って、愛実は更に笑った。
愛実が子供の頃、病棟で田口の姿を見つける度に、看護師を振り切って遊ぼうと誘いに来た彼女を思い出した。
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COMMENT
藤原さん不在ですね。
こんばんわ。原作では、ほとんどない田口先生と若い女性の1対1の場面ですね。(ワクワク)原作では、若い看護師から田口先生へのさりげないアプローチを藤原さんがことごとくブロックしてますからね~。(誰にたのまれているんだ。田口先生はいい年の大人なのに。)続き楽しみにしていま~す。
Re:藤原さん不在ですね。
ご来場&コメント有難う御座います。
うん、もう藤原看護師は退勤してるんだよ。愛実ちゃんも二日目の実習終わってから寄り道してるんだ……と思う。ということにしておく。
そうですね――、藤原先生が田口先生をガードする理由。
①息子につく悪い虫を追っ払いたい母心。
②とにかく行灯先生を苛めてみたい屈折した愛情。
③狸院長から密命を受けている。
④将軍から賄賂を貰ってガードしている。
⑤トンビあたりに泣いて頼まれた。
⑥魔人と"誰が地雷原を突破するか"を賭けている。
こんなのどうでしょう?
……コメディが一本書けそうだな。⑤以外、将軍が不憫な展開しか想像できないのがウチらしいというか何というか。
折角だから書いちゃうか。読んでやって下さると嬉しいデス。
うん、もう藤原看護師は退勤してるんだよ。愛実ちゃんも二日目の実習終わってから寄り道してるんだ……と思う。ということにしておく。
そうですね――、藤原先生が田口先生をガードする理由。
①息子につく悪い虫を追っ払いたい母心。
②とにかく行灯先生を苛めてみたい屈折した愛情。
③狸院長から密命を受けている。
④将軍から賄賂を貰ってガードしている。
⑤トンビあたりに泣いて頼まれた。
⑥魔人と"誰が地雷原を突破するか"を賭けている。
こんなのどうでしょう?
……コメディが一本書けそうだな。⑤以外、将軍が不憫な展開しか想像できないのがウチらしいというか何というか。
折角だから書いちゃうか。読んでやって下さると嬉しいデス。