オリキャラ登場注意報発令中。
将軍イジメ週間も終わったことですし、次はちょっとシンミリ系に挑戦しようかなぁという気まぐれです。
ついでに連載を増やす。初期のストックを消化する。
このあたりを今回の目標にしております。
とは言え、今回は何回連載になるのか見当がついてません。
1回目のラスト、2回目の冒頭と、最終回のラストぐらいはイメージ浮かんでるんですけど……4回は確実、5回までいくかな? そんなカンジ。
先行きは不透明ですが、どうぞお付き合い下さいませ。
将軍イジメ週間も終わったことですし、次はちょっとシンミリ系に挑戦しようかなぁという気まぐれです。
ついでに連載を増やす。初期のストックを消化する。
このあたりを今回の目標にしております。
とは言え、今回は何回連載になるのか見当がついてません。
1回目のラスト、2回目の冒頭と、最終回のラストぐらいはイメージ浮かんでるんですけど……4回は確実、5回までいくかな? そんなカンジ。
先行きは不透明ですが、どうぞお付き合い下さいませ。
「仁科愛実です。短い間ですがよろしくお願いします」
今年もベッドサイドラーニングの時期が来た。
大学附属病院であるから、病棟にはいつでも看護実習生、医学実習生がいるものだ。
小児科にも医学部の女子学生が三人一組になってやってきている。
その中で、一人だけフルネームで名乗るのを浜田小夜はボンヤリ聞いていた。
マナミはどんな字だろうと小夜は思う。
「それじゃ浜田さん、お願いね」
「えっ」
夢想は猫田師長の一言で破られた。
何で医学部の学生を、看護師の自分が面倒見ることになるのだろうというのは当然の疑問である。
だが、三人の実習生が先に「よろしくお願いしまーっす」と頭を下げてしまえば、小夜に逃げ道はなかった。
たった一週間だ。
「こちらこそ、お願いします」
小夜は丁寧に頭を下げた。
頭を上げると、仁科愛実と眼が合って、彼女が微笑んだ。
ちょっと可愛い子だと思った。
「さーよっ。お昼行こっ」
「珍しい、オレンジで食べるんじゃないの?」
「今日は余裕ありそうなの。それに、速水先生も上だしね」
昼時になって、オレンジ1階にいる如月翔子が声をかけてきた。
問い返した小夜に、速水部長の名を出した翔子は茶目っ気を混ぜた笑みを浮かべる。
だが、小夜が何か言うより早く、翔子は小夜の傍にいる三人の実習生の姿に気付いた。
「何、小夜が面倒見ることになったの? 何で?」
「私が猫田師長に訊きたいわ。あなたたちお昼は?」
小夜が尋ねると、二人は弁当持ち、残りの一人、仁科愛実が用意していないということだった。
「じゃあやっぱり、みんなで食堂行きましょう。『満天』、行ったことある?」
「無いです。やっぱり学生には入りにくくて」
「そうねえ。大学に生協もあるしね」
いつの間にか翔子が一同を仕切っている。
翔子に答えて、愛実が苦笑と共に言う。
こちらは社会人、向こうは学生だが、実際の年齢は一つ二つしか違わない。医学部の方が課程が長いからだ。
スカイブリッジを渡り、エレベーターに乗っていても、翔子と愛実の間で会話が続く。
「満天」はそこそこ混んでいたが、五人揃った席を確保できるくらいの余裕はあった。弁当持ちの二人に席の確保を命じると、翔子と小夜は愛実を連れて配膳の列に向かう。
翔子と愛実が揃ってキョロキョロと周囲を見回しているのに気付いて、小夜は小さく笑った。
翔子は速水先生を探しているのだろうし、愛実は物珍しいのだろう。
そして、翔子は探し人を見つけた。小夜と愛実を置いて、速水のいるテーブルへ寄っていく。速水の向かいには不定愁訴外来の田口先生がいる。
邪魔してもいいのかな、と小夜は思ったが、翔子は気に留めていないようだった。
「はーやみせんせっ。今日何ですか? あ、A定食。リッチですね」
翔子の大胆さを少しだけ羨ましく思いながら、小夜は愛実を振り返った。いつまでも突っ立っていても仕方がない。
「先に行きましょうか、仁科さ、ん?」
促そうとした小夜は、愛実が一点を凝視しているのに気付いた。
愛実の視線を追うと速水と翔子に辿り着く。
「え…………?」
怪訝に思う小夜を置いて、愛実はつかつかとテーブルに寄っていった。先ほどまで、物珍しそうに周囲を見回していた実習生とは思えない勢いだ。
そうして、まっすぐに向かった先には速水……ではなく、田口がいた。
「こーへー先生!」
周囲のざわめきまでも薙ぎ払う声で、愛実は叫ぶ。
田口が顔を上げた。持ったままの箸に挟んでいたうどんが落ちる。
速水も翔子も呆気に取られて愛実を見つめていた。
愛実は周囲の状況も目に入らず、テンション高く言い募る。
「すごい、すぐ判っちゃった! こーへー先生って全然変わってないのね、十年も経ってるのに。うわ~~、こんな早く会えるなんて思わなかったなぁ。こーへー先生って何科? 小児科だと思ってたのに、いないんだもん」
「え? ええ…………?」
田口も目を白黒させている。
そんな田口の気付いたのか、愛実は喋るのを止めて悪戯っぽく笑った。
「こーへー先生、覚えてない? 絶対忘れないよのチュウもしたのになぁ」
聞えよがしだった。
展開を面白がっていた周囲は、愛実の爆弾発言にどよめく。
小夜も翔子も呆気に取られて目が離せなくなった。
田口も唖然としたが、不意に目を見開いた。
「愛実ちゃんっ?!」
「うん」
田口の口から正解が零れる。愛実が一つ頷く。
周囲のざわめきはまた大きくなった。
「絶対忘れないって言ったでしょう?」
愛実は鮮やかに笑った。
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