オリキャラ登場注意報発令中
パソコンの壁紙を、赤本映画公式サイトで配布されてたドクターヘリにしました。一人悦ってます。
でも今夜の黄色映画地上波は見られない。いや、一回見てるけどさ。見られないとなるとまた残念だ。
5回目まで来て、急転直下……の予定なのですが。そこまでいかなかったりして。いや、何とか……。
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5回目まで来て、急転直下……の予定なのですが。そこまでいかなかったりして。いや、何とか……。
愛実の実習は三日目に入っていた。
最初の日は浜田看護師の後にくっついていた愛実たちだったが、今はきちんと小児科の女医の指導を受けている。優しい雰囲気の女医は保健室の先生を思わせた。
検温、検査の手配、配膳、採血、沐浴、エトセトラ。
やることはどの病棟も大して変わらない。だが、全ての手順で相手が子供だと思い知らされるし、逆に全くの子供扱いもいけないと考えさせられる。
愛実が思い出すのは入院中の自分の姿と、「こーへー先生」の姿だ。
ちょくちょく会っていたので、つい最近まで「こーへー先生」を小児科医だと思っていた。「こーへー先生」が担当ならよかったのにと子供の頃の自分は思ったものだった。
今の「こーへー先生」も、昔とちっとも変っていない。
「こーへー先生」みたいなお医者さんになりたいと思ったのは間違ってないと愛実は思った。
「ねえ、拓真くん見なかった?」
「え?」
看護師の一人に話しかけられて、愛実たちは顔を見合わせた。
その仕草が既に答えで、看護師は長い溜息を吐いた。
「検査の前なのに、病室にいないのよ。探してくれないかしら?」
「はい。えっと、7歳の子でしたよね」
「ええ。オレンジからは出てないと思うから」
「はぁい」
そう言うと、看護師は足早に歩き出す。
三人はぞろぞろとオレンジ二階を徘徊し始めた。
オレンジ新棟はそんなに大きいワケではない。
三人で回っていても、すぐ一通りは見終わってしまって、結局子供は見つからないままだった。
「本館とか?」
「まさかぁ」
「ちょっと真剣に探した方がいいかもね。手分けしよ」
ブラブラ歩いているだけでは見つからないと判断して、本腰入れて探すことにする。
愛実は二人と別れて、子供がいそうな場所を探し始めた。
トイレの個室も丁寧に確認するが、見当たらない。
「拓真くん~~?」
リネン室にも人影は無かったが、ふと思いついて愛実はそこに留まったまま黙り込んだ。気配を殺して待つ。
暫くすると、使用済みシーツを突っ込んだワゴンがごそごとを動いて、中から子供が顔を出した。
愛実と眼が合って、子供は驚いた顔になる。
愛実は笑ってみせた。
「見ィつけた。拓真くんでしょ?」
「おばちゃん」
「お姉ちゃんって言ってよ…………」
子供の言葉に愛実はがっくりきた。
子供はワゴンから出てこないままで、愛実をじろじろと見る。警戒心が見え隠れするその態度に、愛実は小さく笑って言った。
「看護師さんが探してるよ。戻らないの?」
「ヤだ」
「どうして?」
「…………血取るの痛い」
「そっか」
検査前だと看護師が言っていたのを愛実は思い出した。採血もあるのだろう。
愛実は呟いて、リネン室の内側に入り込んだ。これで外からも愛実の姿は見えない。愛実は壁に背中を預けて尻をつけない形で座りこんだ。
待ちの姿勢に入った愛実を子供は不思議そうに見る。
「検査行こうって言わないの?」
「拓真くんが怖くなくなるまで待つよ」
「ヘンなの…………検査、絶対しなきゃダメ?」
「うん、それはダメ」
重複したり、必要以上の検査もあるかもしれない。
だが愛実にはそれを言う資格はなかった。自信たっぷりに頷く。
愛実が説教がましいことを言わないのに気付いたのか、子供は使用済みシーツのワゴンの中で楽な姿勢を探して身動きした。長期戦になりそうだが、愛実は気にしなかった。
狭いリネン室に、子供の小さな小さな声がする。
「…………検査ヤだ。病院もヤだ、ご飯も美味しくないし、ヤだ……おウチがいい…………っ」
「うん」
愛実も昔そう思った。
だからあの時みたいに、「こーへー先生」みたいに、頷くだけにした。
慰めてくれない「こーへー先生」はヘンだと昔の愛実は思ったけれど、「我慢しよう」とか「もう少しだよ」と言われても嘘だと反発したくなったと思う。
だから頷くだけでいい。
子供の嗚咽を聞きながら、この子ジュース飲ませても平気かな、とか、自販機どこだったかな、などと愛実は考えていた。
どのくらい時間が経ったのか。長かったのか短かったのか。
子供の嗚咽に、荒い呼吸が混ざっているのに愛実は気付く。
喘息を起している。
「拓真くんっ! 誰かっ!!」
立ち上がった愛実はリネン室の外へ大声で叫ぶと、使用済みシーツのワゴンから拓真を引っ張り出した。
真っ赤な顔で荒く息を吐く子供の姿に、愛実は背筋を凍らせる。
「誰か来てっ!!」
子供を抱えてよろめきながら愛実は声を張り上げる。
近づいてくる慌ただしい足音に顔を上げると、白衣の裾が翻るのが見えたけれど、まだ愛実は安心できなかった。
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