12月企画、ブルー様からのリクエストです。
ブルー様、企画参加有り難う御座いました。遅くなって申し訳ありません。
リク内容は「モテモテ将軍を目の当たりにして打ち拉がれる行灯先生」です。
V.D.はヴァレンタインデイの略です。
…………あれ?
企画タイトルは「めりくりあけおめ」じゃなかったっけ?
辛うじて一月だからいいんだ! スーパーはバレンタイン始まってるからいいんだ!
……ということにしておいて下さい。
あと一週間で二つは無理っポイ。2月前半まで企画やってることになりそうです。
ご容赦下さいませ。
サイトを更新しています。連載と、将軍行灯に一つ。
トップをバレンタインモードに変更しました。
私信:35000ヒットのmasa様。
メッセージ受信しました。少々猶予下さい!
追記:何だかいつもと違う感じの出来になったよ?
ブルー様、企画参加有り難う御座いました。遅くなって申し訳ありません。
リク内容は「モテモテ将軍を目の当たりにして打ち拉がれる行灯先生」です。
V.D.はヴァレンタインデイの略です。
…………あれ?
企画タイトルは「めりくりあけおめ」じゃなかったっけ?
辛うじて一月だからいいんだ! スーパーはバレンタイン始まってるからいいんだ!
……ということにしておいて下さい。
あと一週間で二つは無理っポイ。2月前半まで企画やってることになりそうです。
ご容赦下さいませ。
サイトを更新しています。連載と、将軍行灯に一つ。
トップをバレンタインモードに変更しました。
私信:35000ヒットのmasa様。
メッセージ受信しました。少々猶予下さい!
追記:何だかいつもと違う感じの出来になったよ?
病院内の売店にバレンタインコーナーを設置したとして、何処に需要があるのか田口は甚だ疑問だった。
本命は有り得ない。義理にしたって、最低ラインじゃないだろうか。
いや、病棟の看護師が寄越す義理チョコだって、もう少しいいものだった気がする。
「…………ああ、演出か」
風景、オプション、飾り付け。
正月の次の季節を表現するには、手っ取り早い小道具かもしれない。
そんな捻くれたことを考えながら、田口はサンドウィッチを手にレジに並んでいた。
「あ、バレンタイン。買った?」
二人の看護師が、そんな話をしながら田口の後ろを通り過ぎた。
レジのすぐ傍に冷蔵陳列台があり、彼女たちはそこでデザートを選んでいる。
「まぁだ。医局の分も頼まれちゃってさ、メンドー」
「でもバレンタインの売り場って見てて楽しいよね。自分で欲しくなるけど」
「だよねぇ。どうして人にやるモンに金出さなきゃなんないのって気になる。やるくらいならあたしが食うって」
彼女たちの言い分に、田口は心の中で密かに笑った。女性は実にシビアだ。
IDカードで精算を済ませ、袋に入れてくれるのを待っている時だった。
田口の耳に速水の名前が飛び込んできたのは。
「速水先生、今年もダメかなぁ」
「貰うだけ貰ってくれてもいいのにね――っ」
差し出された袋を自動的に受け取り、次の人に押し出されるようにして、田口は売店を出て。
非常階段のドアを閉め、確実に一人になったところで田口は呟いた。
「…………速水?」
不定愁訴外来で、田口はぼんやりとテーブルの角を見つめていた。
昼食用に買ってきたサンドウィッチは、袋ごとテーブル上に放り出したままだ。
速水がモテることなど、学生時代から知っていた。
バレンタインに集まるチョコも、今更驚くほどの事でもない。
それがどうして、こんなにショックを受けているのかと言えば。
「初めてなんだ…………」
速水の恋人として、バレンタインを迎えるのが。
告白は速水の方からで、田口は戸惑いながら受け入れた形だった。
好きなのは確かだけれども、想いの波は緩やか過ぎて、田口は今ひとつ自分の気持ちに確信が持てないでいる。
それでいてキスもセックスもしているのだから、自分は余程流されやすい性質なのかと、内心疑問に思っていたところだ。
何て事はない。
女性陣にしっかり嫉妬しているし、速水を独占したくて仕方がない。
鈍感過ぎるにもほどがある。自分の事なのに。
「…………俺、バカかも」
というか、バカだろう。
いつの間にかこんなに速水を好きになっていて、それにちっとも気付かないなんて。
「そうなのか?」
頭を抱えた田口の上から、笑みを含んだ声が降った。
田口が慌てて顔を挙げると、予想通り、チュッパチャプスを咥えた速水が笑っている。
速水は田口の隣りに座り、田口の膝を枕にしてしまった。
「もうちょいそっち詰めろよ」
「どっちにしろ狭いだろうに……」
口では文句を言いながらも、田口はソファの一番端までずれた。
余った脚をソファの外へ投げ出して、速水はご満悦の表情を浮かべた。
下から腕が伸びて、長い器用な指が田口の耳元を擽った。
「で、何がバカだって?」
「…………言わない」
「ちぇーっ」
言えるわけがない。
田口は速水の手をぞんざいに叩き落とした。
速水が口を尖らせる。子供のようで可笑しい。
同時に、可愛いとか嬉しいとか、小っ恥ずかしいことまで思ってしまう。
下を見れば速水と眼が合ってしまうので、田口は視線を余所へ投げた。
存在を忘れていた売店の袋が目に入る。
バレンタインにチョコでも買ってみようかと思った。
折角、自分の想いに気付いたのだから。
本命は有り得ない。義理にしたって、最低ラインじゃないだろうか。
いや、病棟の看護師が寄越す義理チョコだって、もう少しいいものだった気がする。
「…………ああ、演出か」
風景、オプション、飾り付け。
正月の次の季節を表現するには、手っ取り早い小道具かもしれない。
そんな捻くれたことを考えながら、田口はサンドウィッチを手にレジに並んでいた。
「あ、バレンタイン。買った?」
二人の看護師が、そんな話をしながら田口の後ろを通り過ぎた。
レジのすぐ傍に冷蔵陳列台があり、彼女たちはそこでデザートを選んでいる。
「まぁだ。医局の分も頼まれちゃってさ、メンドー」
「でもバレンタインの売り場って見てて楽しいよね。自分で欲しくなるけど」
「だよねぇ。どうして人にやるモンに金出さなきゃなんないのって気になる。やるくらいならあたしが食うって」
彼女たちの言い分に、田口は心の中で密かに笑った。女性は実にシビアだ。
IDカードで精算を済ませ、袋に入れてくれるのを待っている時だった。
田口の耳に速水の名前が飛び込んできたのは。
「速水先生、今年もダメかなぁ」
「貰うだけ貰ってくれてもいいのにね――っ」
差し出された袋を自動的に受け取り、次の人に押し出されるようにして、田口は売店を出て。
非常階段のドアを閉め、確実に一人になったところで田口は呟いた。
「…………速水?」
不定愁訴外来で、田口はぼんやりとテーブルの角を見つめていた。
昼食用に買ってきたサンドウィッチは、袋ごとテーブル上に放り出したままだ。
速水がモテることなど、学生時代から知っていた。
バレンタインに集まるチョコも、今更驚くほどの事でもない。
それがどうして、こんなにショックを受けているのかと言えば。
「初めてなんだ…………」
速水の恋人として、バレンタインを迎えるのが。
告白は速水の方からで、田口は戸惑いながら受け入れた形だった。
好きなのは確かだけれども、想いの波は緩やか過ぎて、田口は今ひとつ自分の気持ちに確信が持てないでいる。
それでいてキスもセックスもしているのだから、自分は余程流されやすい性質なのかと、内心疑問に思っていたところだ。
何て事はない。
女性陣にしっかり嫉妬しているし、速水を独占したくて仕方がない。
鈍感過ぎるにもほどがある。自分の事なのに。
「…………俺、バカかも」
というか、バカだろう。
いつの間にかこんなに速水を好きになっていて、それにちっとも気付かないなんて。
「そうなのか?」
頭を抱えた田口の上から、笑みを含んだ声が降った。
田口が慌てて顔を挙げると、予想通り、チュッパチャプスを咥えた速水が笑っている。
速水は田口の隣りに座り、田口の膝を枕にしてしまった。
「もうちょいそっち詰めろよ」
「どっちにしろ狭いだろうに……」
口では文句を言いながらも、田口はソファの一番端までずれた。
余った脚をソファの外へ投げ出して、速水はご満悦の表情を浮かべた。
下から腕が伸びて、長い器用な指が田口の耳元を擽った。
「で、何がバカだって?」
「…………言わない」
「ちぇーっ」
言えるわけがない。
田口は速水の手をぞんざいに叩き落とした。
速水が口を尖らせる。子供のようで可笑しい。
同時に、可愛いとか嬉しいとか、小っ恥ずかしいことまで思ってしまう。
下を見れば速水と眼が合ってしまうので、田口は視線を余所へ投げた。
存在を忘れていた売店の袋が目に入る。
バレンタインにチョコでも買ってみようかと思った。
折角、自分の想いに気付いたのだから。
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COMMENT
ありがとうございました!
霧島さん、ありがとうございました!リクエストして、こうして拝見できるのって、こんなにも嬉しいことなんですね☆
もてる将軍が想うヒトは、行灯唯一人って所がとても素敵。誰からも貰わないけど、今年こそ本命から貰えるかしら…。
とっても素敵なお話をありがとうございました。
もてる将軍が想うヒトは、行灯唯一人って所がとても素敵。誰からも貰わないけど、今年こそ本命から貰えるかしら…。
とっても素敵なお話をありがとうございました。
Re:ありがとうございました!
いらっしゃいませ。コメント有り難う御座います。
そんでもって、遅くなってゴメンなさい!
こちらこそ、リクエスト貰えるのって嬉しいものです。応えきれるかはまた、別の問題になってくるのですが……。
>もてる将軍が想うヒト
ねえ? 行灯先生、そこを聞いててあげなきゃ(笑)。
折角の好感度アップフラグが見事にスルーでした。
この話では本命から貰えそうですが、霧島の脳内では、去年のバレンタインに書いた魔人からの義理チョコが巻き起こす悲喜劇の話を何とかしたいと思っているところです。不遇な方向に。
ではではっ。またのご来場を楽しみにしております!
そんでもって、遅くなってゴメンなさい!
こちらこそ、リクエスト貰えるのって嬉しいものです。応えきれるかはまた、別の問題になってくるのですが……。
>もてる将軍が想うヒト
ねえ? 行灯先生、そこを聞いててあげなきゃ(笑)。
折角の好感度アップフラグが見事にスルーでした。
この話では本命から貰えそうですが、霧島の脳内では、去年のバレンタインに書いた魔人からの義理チョコが巻き起こす悲喜劇の話を何とかしたいと思っているところです。不遇な方向に。
ではではっ。またのご来場を楽しみにしております!