12月企画、なゆた様からのリクエストです。
なゆた様、企画参加有り難う御座いました!
そんでもって、遅くなりまして申し訳御座いませんでした。
リク内容は「悪魔と小天狗が二人で飲む羽目に?!」だそうで。
世の愚痴外来サイトで、この二人の取り扱いがどのくらいあるのかとても疑問です。
余所様の雰囲気を参考にしようにも、ちっとも引っ掛かってこない……。
つまり好き勝手やってもいいってことかい?
企画リクの進行状況は こちら です。
あと一つ!
なゆた様、企画参加有り難う御座いました!
そんでもって、遅くなりまして申し訳御座いませんでした。
リク内容は「悪魔と小天狗が二人で飲む羽目に?!」だそうで。
世の愚痴外来サイトで、この二人の取り扱いがどのくらいあるのかとても疑問です。
余所様の雰囲気を参考にしようにも、ちっとも引っ掛かってこない……。
つまり好き勝手やってもいいってことかい?
企画リクの進行状況は こちら です。
あと一つ!
桜宮市で酒が飲める場所と言えば、蓮っ葉通りぐらいしかない。
その中で更に雰囲気と品の良さを比較検討していくと、残るのはほんの数軒だった。
半地下にあるシャングリラは、その貴重な一軒である。
「おや」
「…………よう」
聊か芝居がかった表情で片眉を上げた高階に、渡海はソファにふんぞり返ったままグラスをちょっと上げてみせた。
選択肢が少なくなればなるほど、遭遇率は上がる。
考えてみれば、こうして病院外で遭う可能性はゼロではなかった。
「あら、知り合い?」
渡海に侍っていた美香が、紅い唇で笑う。
渡海は肩を竦めた。
「同じ職場」
「あら、じゃあお医者さん。こちら、お座りになる?」
「おい」
美香の誘いに、渡海は明らかに渋い表情になった。
そんな渡海を面白そうに見下ろすと、高階は一つ笑みを浮かべて渡海と直角の位置に腰を下ろした。
「…………どういうつもりだ」
「嫌がらせ、ですかね。面白そうだと思いまして」
高階は自分がひねくれ者であることを承知している。
招かれざる客ほど、厚かましい顔をするに決まっているのだ。
案の定、渡海はますますうんざりした顔になった。
「あははっ」
美香が一つ声を上げて笑った。
その笑みも芝居じみていた。
ショットグラスの中で、ロックアイスが小さく音を立てる。
グラスの質がいいのだろう、店内のざわめきの中でも涼やかな音が聞こえる。
それを楽しむように、高階は何度かグラスを揺らした。
渡海が喉の奥で笑う。
「あんた、子供っぽいな」
「…………よく言われますけどね」
「ほぉ。言われるのか」
「不本意ながら」
嫌がらせ、と笑って断言した男が、今度は拗ねた顔だ。
それが面白くて、渡海は再度喉の奥で笑った。
いや、嫌がらせの為だけに、反りの合わない相手と酒の席を同じくするあたり、十分に子供っぽいか。
小天狗、という高階の渾名も、小柄なところと小生意気なところからきているのだろう。
渡海が笑ったのが気に食わない高階は、グラスのウィスキーを一息に呷った。
「おいおい、大丈夫かい?」
「酒はイケるくちなんですよ」
子供を心配する口調で渡海は言う。多分にからかいの要素混じりだ。
高階は鼻を鳴らして、渡海の言葉を蹴散らした。
「言うねえ。俺も弱くはないよ」
「そう。飲み比べでもしますか?」
「しないよ、大人だろ」
味を気にしない飲み比べなど、大人の酒の嗜みではない。
そう言いながら、渡海もショットグラスを空にする。
「そうですよね」
渡海の言葉に頷きながら、高階はホステスの方へグラスを差し出した。
ウィスキーの琥珀色が、新たにグラスを満たした。
「で? 結局二人で黙々と飲んだってワケですか?」
「藤原さん、お願いですから…………」
翌日の東城大病院、外科病棟。
仁王立ちの藤原看護師の額には青筋が浮いている。
ちなみに、昨夜飲み倒した渡海は、突然の体調不良により休みである。
体調不良とはつまり、二日酔いと同義語だ。
高階は痛む頭を押さえながら、気まずそうに視線を逸らした。
「限度も解らんのか、この大バカ者どもがっ!」
藤原の怒号に、周囲の医師や看護婦が揃って跳び上がる。
肝心の高階は跳び上がる気力もなく、ずるずると机に突っ伏した。
二日酔いに効く点滴のオーダーを思い出そうとするが、さて巧く脳裏に出てこない。
ちゃっかり休んで、藤原の怒りから逃げた渡海が恨めしくて仕方ない高階だった。
その中で更に雰囲気と品の良さを比較検討していくと、残るのはほんの数軒だった。
半地下にあるシャングリラは、その貴重な一軒である。
「おや」
「…………よう」
聊か芝居がかった表情で片眉を上げた高階に、渡海はソファにふんぞり返ったままグラスをちょっと上げてみせた。
選択肢が少なくなればなるほど、遭遇率は上がる。
考えてみれば、こうして病院外で遭う可能性はゼロではなかった。
「あら、知り合い?」
渡海に侍っていた美香が、紅い唇で笑う。
渡海は肩を竦めた。
「同じ職場」
「あら、じゃあお医者さん。こちら、お座りになる?」
「おい」
美香の誘いに、渡海は明らかに渋い表情になった。
そんな渡海を面白そうに見下ろすと、高階は一つ笑みを浮かべて渡海と直角の位置に腰を下ろした。
「…………どういうつもりだ」
「嫌がらせ、ですかね。面白そうだと思いまして」
高階は自分がひねくれ者であることを承知している。
招かれざる客ほど、厚かましい顔をするに決まっているのだ。
案の定、渡海はますますうんざりした顔になった。
「あははっ」
美香が一つ声を上げて笑った。
その笑みも芝居じみていた。
ショットグラスの中で、ロックアイスが小さく音を立てる。
グラスの質がいいのだろう、店内のざわめきの中でも涼やかな音が聞こえる。
それを楽しむように、高階は何度かグラスを揺らした。
渡海が喉の奥で笑う。
「あんた、子供っぽいな」
「…………よく言われますけどね」
「ほぉ。言われるのか」
「不本意ながら」
嫌がらせ、と笑って断言した男が、今度は拗ねた顔だ。
それが面白くて、渡海は再度喉の奥で笑った。
いや、嫌がらせの為だけに、反りの合わない相手と酒の席を同じくするあたり、十分に子供っぽいか。
小天狗、という高階の渾名も、小柄なところと小生意気なところからきているのだろう。
渡海が笑ったのが気に食わない高階は、グラスのウィスキーを一息に呷った。
「おいおい、大丈夫かい?」
「酒はイケるくちなんですよ」
子供を心配する口調で渡海は言う。多分にからかいの要素混じりだ。
高階は鼻を鳴らして、渡海の言葉を蹴散らした。
「言うねえ。俺も弱くはないよ」
「そう。飲み比べでもしますか?」
「しないよ、大人だろ」
味を気にしない飲み比べなど、大人の酒の嗜みではない。
そう言いながら、渡海もショットグラスを空にする。
「そうですよね」
渡海の言葉に頷きながら、高階はホステスの方へグラスを差し出した。
ウィスキーの琥珀色が、新たにグラスを満たした。
「で? 結局二人で黙々と飲んだってワケですか?」
「藤原さん、お願いですから…………」
翌日の東城大病院、外科病棟。
仁王立ちの藤原看護師の額には青筋が浮いている。
ちなみに、昨夜飲み倒した渡海は、突然の体調不良により休みである。
体調不良とはつまり、二日酔いと同義語だ。
高階は痛む頭を押さえながら、気まずそうに視線を逸らした。
「限度も解らんのか、この大バカ者どもがっ!」
藤原の怒号に、周囲の医師や看護婦が揃って跳び上がる。
肝心の高階は跳び上がる気力もなく、ずるずると机に突っ伏した。
二日酔いに効く点滴のオーダーを思い出そうとするが、さて巧く脳裏に出てこない。
ちゃっかり休んで、藤原の怒りから逃げた渡海が恨めしくて仕方ない高階だった。
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COMMENT
ふふふ。
リクありがとうございました。
まさか行灯先生をリクしなかったのが私だけだったとは予想外でしたが、
わたし間違ってなかったと声を大にして言いますよ!
あ~あ。まこりんに怒られちゃったね、ゴンちゃん。
次の日に悪魔もネチっと叱られるのでしょうな。フフフ。
12月企画もFixされたようで、お疲れ様でした。
まさか行灯先生をリクしなかったのが私だけだったとは予想外でしたが、
わたし間違ってなかったと声を大にして言いますよ!
あ~あ。まこりんに怒られちゃったね、ゴンちゃん。
次の日に悪魔もネチっと叱られるのでしょうな。フフフ。
12月企画もFixされたようで、お疲れ様でした。
Re:ふふふ。
いらっしゃいませ。コメント有り難う御座います。
遅くなりました~っ。改めて企画参加有り難う御座いました!
む、難しかったですよ。悪魔。いや、狸の若い頃ってのも難しいのか。
黒本読んで、「何処で呑むんだ、コイツら?!」ってとこから始まらなきゃならなかったのもよい思い出デス。
次の日の悪魔には、延々ネチネチ嫌味の方が効くかな? 黒本の頃の地雷原さまは怒ってばかりなカンジです、大分苦労なさったのでしょう。
企画もキリリクもクリアしたので、ちょっと気楽になりました。
二月は何やろうかな~? 宜しければお付き合い下さいませ。
遅くなりました~っ。改めて企画参加有り難う御座いました!
む、難しかったですよ。悪魔。いや、狸の若い頃ってのも難しいのか。
黒本読んで、「何処で呑むんだ、コイツら?!」ってとこから始まらなきゃならなかったのもよい思い出デス。
次の日の悪魔には、延々ネチネチ嫌味の方が効くかな? 黒本の頃の地雷原さまは怒ってばかりなカンジです、大分苦労なさったのでしょう。
企画もキリリクもクリアしたので、ちょっと気楽になりました。
二月は何やろうかな~? 宜しければお付き合い下さいませ。