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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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32000hit、やみちゅ様からのリクエストです。
やみちゅ様、ヒットおめでとうございます。
そんでもって、遅くなりましたゴメンなさい。


リク内容は「腹黒行灯先生」ということでした。
えっとおぉ……腹黒というより性悪になりました。更にスミマせん。
腹黒を書くには、賢さが必要です。

1/23追記:タイトル変更しました。多分誰も気付かないレベルで。



全く関係ないですが、週刊新潮連載中のカイドー先生の新作「ナニワ・モンスター」について。
一行に萌えたので叫びます。
多大にネタばれです、白文字にします。

「ネタばれ読んだら気になるじゃねえか、こン畜生! どうしてくれるっ!」

って人は見ないが吉です。見ても霧島を恨まないで下さい。


浪速の町医者が舞台です。既に二代目に病院を譲って名誉院長職に就いている老医師が、息子の提案で老人相手に愚痴外来のようなことをやっております。

「お前よくこんなことを考え付いたな」
「いや、東城大にそういうのがあるって聞いたんだ。愚痴外来って呼ばれてるんだって」
「何だ、お前、俺に年寄りの愚痴の押しつける気だったのか」

みたいなセリフがあったのです!
行灯先生と愚痴外来は、全国規模で有名人だよ!

当直の合間に外へ出て、田口に電話をかけるのが速水のささやかな息抜きだった。
その度に田口は仕事中だと怒るが、一緒に過ごせない夜を、せめて電話で声を聞くぐらいは許して欲しい。
そんなこんなで、速水はオレンジ新棟の屋上ヘリポートから携帯電話を発信した。
意外と早く田口は電話に出た。

「よぉ、寝るところだったのか?」
『いや、もうちょっと……お前、仕事中なんだろ?』
「そうだな……もう一時間は大丈夫か」
『一時間も付き合わないぞ、俺は』

速水は勘が導くままに時間を答えた。
電話の向こうで田口が苦笑を浮かべている。
受話器越しに聞く柔らかな声に、速水の緊張は緩んだ。
仕事には良くない影響だと、内心一人ごちる。
話が切れる瞬間を惜しみながら、取りとめもない会話をしていた時だった。

『んんっ』
「…………え」

電話の向こうで、田口が突拍子もない声を上げた。
色っぽい、艶めいた声。速水が間違える筈がない。
耳を疑った速水に構わず、田口は喋り続ける。

『あっと、何の話……こらっ、舐めるなっ! ダメだって、』
「はい?」
『ああもう、悪戯するなよぉ………っしょっと、あ、ゴメン、速水?』
「…………誰かいるのか?」

自分の声が低くなったのを速水は自覚した。
電話の向こうが見えないという、状況の焦れったさ。
携帯電話が軋んだが、小さい機械も案外と丈夫だ。まだ壊れない。
速水の機嫌が低下したのを察したらしい田口が、くすりと一つ笑うのが聞こえた。

『いるよ。悪戯好きの、可愛いのが』
「おまっ」
『拗ねてるみたいだから、もう切るな。仕事、頑張れよ』

呆気に取られる速水を無視して、田口はさっさと電話を切ってしまった。
携帯電話を握りしめたまま、寒い屋上に速水は呆然と佇んでしまう。
慌てて再度田口に電話を入れたが、用意周到にも電源が切られていて、ガイダンス音声が虚しく聞こえるばかりだった。






「田口っ!」

夜勤明けに直行で田口のアパートを強襲した速水を出迎えたのは、珍しくきちんと目が覚めていた田口と、一匹の小さな猫だった。

「ね、こ?」
「そう。昨夜拾ったんだ。可愛いだろ? 明日から貰い手探すつもりなんだ」

速水が乗り込んでくるのが解っていたらしい田口は、完璧な笑顔だった。
準備万端の朝食は、ちゃんと速水の分も用意されている。

「じゃあ、舐めたり拗ねたりって……」
「流石にさぁ、足の裏舐めるのはどうかと思うんだよなぁ。コタツの中でやられて、ちょっと焦った」

何だか田口の口調は説明的でわざとらしい。
つまり。つまり、だ。
電話の最中に、コタツの中で、猫にじゃれつかれたので、変な声が出た。

「だったらあの時そう言え…………っ」

脱力して呟く速水に、田口は実に楽しそうな笑みを見せた。
田口がこういうふうに笑う時は、まったくもってロクなことがない。

「誰がいると思ったのかな、速水クンは?」
「お前ってヤツは…………」

クスクスと笑う田口を恨めしい思いで睨み返して、速水は朝食の席に着いたのだった。
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ありがとうございました!
可愛い将軍行灯ありがとうございます!!
受理して下さっただけでも嬉しいと思いつつ、今か今かと待ち続けていた甲斐がありました^^
腹黒いはずなのに、逆にそれが可愛さになりますね…行灯先生は…!
周りには人畜無害な笑顔を振りまいて、将軍だけは含みのある笑顔で翻弄させてしまえばいいと思います。

行灯受ないかなーとHPを回り始めていた頃に霧島さんのサイトと出会ったので、本当に幸運でした!今では日参させて頂いております。
今後も行灯受やら将軍行灯やらめいっぱい応援させて頂きます!

本当にありがとうございました!!
やみちゅ 2010/01/21(Thu)18:19:21 編集
Re:ありがとうございました!
いらっしゃいませ。コメント有り難う御座います。
ホントーにホントーにっ! お待たせいたしました。
しかも「これ腹黒じゃないよ、何か違うよ……」と思いながらのアップです。
重ね重ね申し訳ありません!
か、勘弁して下せえ。

>行灯先生の含み笑い
これは赤本が聖典ですね! 底意地悪い行灯先生の方が実は本性なんだよ、きっと。
地雷原曰く「狸病院長に似てきた」のではなくて、元々そういう素質はあったんだろうなぁ……単に化けの皮が剥がれてきたのか、被っていた猫が逃亡したのか。
……霧島は行灯先生を何だと思っているのでしょう?
まあ、ウチはそんなサイトですが、末長くお付き合い下さいませ。
S.Kirishima 2010/01/22 11:24
いろんなところで
こんばんわ。週刊新潮情報ありがとうございました。ふむふむ、噂になってますか(^^)フフフ
田口先生、このミス2010のちょっとの登場でも楽しかった…。早く、田口&白鳥シリーズの新刊が出ないかな…。待ち遠しいですね。それまでは、霧島さんのサイトで萌え充足しています。
maru 2010/01/24(Sun)19:49:16 編集
Re:いろんなところで
いらっしゃいませ。コメント有り難うございます。

>週刊新潮ネタバレ
ストーリーには全然関係ないんですけどね~。まだまだ話の本筋は始まってませんし。
「極北」にもありましたけど、不定愁訴外来ってよっぽど画期的なコトらしい。行灯先生の怠け根性の結果だとしても(笑)。
ほんっと、一行の登場すら待ち遠しいですよねぇ。
行灯成分不足分は妄想で補って……好き勝手書き過ぎて、多分後で「やっべえ」とか思うんでしょうけど。
皆様一緒になって、新作の登場を待ちましょう!
S.Kirishima 2010/01/24 20:41
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