忍者ブログ
こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
[305]  [303]  [302]  [301]  [300]  [299]  [298]  [297]  [296]  [295]  [294
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

終わりです。うん、多分。⇒終わらなかったよ!
前回はどこが猟犬行灯話だったんだろうという位、将軍が出張ってました。
でも流石に最後には猟犬に出張って貰わないと……このままじゃヤバイよ!


私的行灯先生テーマソングに、鬼/束/ちひ/ろの「僕/ら バラ/色の日/々」というのがあります。例によって歌詞のワンフレーズ勝負ですが、


だから手を放そう 初めから幻のフリして
消えてゆく まるで いなかったように
ああ僕ら、バラ色の日々


行灯先生はこういうことをする人だと思っています。
ホントはこの曲を使って、「バラ色の日々の終わり」とか「ラヴィアンローズ・フェードアウト」とかってタイトルも考えたけど、「ラヴィアンローズシリーズ」と混ざりそうで止めた、というどうでもいい話。
それではどうぞです。


17日のCC123、一般で一人参加してきました。うん、イベントの空気は掴んだ!
お目当てのカプ本だけさくさくっとお買い物して、1時間程度で会場を後にしてきましたデス。
寧ろ久々に目にした海にちょっと舞い上がった。レインボーブリッジ。
海って好きだなぁ……海なし県の住人だから余計そう思う。
根性でりんかい線一駅分歩けるよ!
あの観覧車って乗車料幾らだろ? いつか挑戦したいですね。

極北での、速水との生活は楽しいものだった。
勿論、速水は多忙だ。スレ違うことも多い。
だが、業務の隙間に送られてくるメールや、何とか時間を合わせて取る食事などが、速水の優しい気持ちを伝えてくれていた。
このまま時間が重ねれば、加納を忘れられそうだと田口は思う。
……時折交わすキスに違和感を拭えないうちは、難しいかもしれないが。



久々の休みを、速水はだらだらと過ごしていた。
北国仕様強力暖房が音を立てる室内で、長身をどろんと転がしている。
だらだらするのは田口も得意だ。
ソファに座って安楽な姿勢で、北海道観光ガイドを眺めていた。
写真に見る菜の花やラベンダーなどの色鮮やかさは、とても今の季節の白い街から想像できない。
出不精の自覚がある田口だったが、出掛けたいと思ってみたりもした。

「コーヒー飲むか?」
「おう、頼む」

コーヒーが飲みたくなって、田口は速水にも声をかけて立ち上がった。
サイフォンは極北には持ってこなかったので、ペーパードリップだ。
二人分の湯をヤカンにかける。
その時、呼び鈴が鳴った。

「はい?」

台所にいた田口の方が玄関にも近かったので、田口は返事をするとドアをチェーンの範囲で開いた。
細い隙間に顔が欠ける。

「よお」

怒りを孕んだ低い声が田口の頭上から聞こえた。
田口は弾かれたように顔を上げる。
底光りする鋭い目に出くわした。

「加納、さん…………っ」
「探したぞ」

喉の奥からようやっと声を出した田口に対し、加納は平然としたものだった。
ともすれば、今までの紆余曲折もまるで無かったような、当たり前の口調と表情だ。

「どうして、ここ……」

田口が呟くと、加納はにやりと自慢げな笑みを浮かべた。

「刑事をナメんじゃねえぞ、先生よぉ。地道な聞き込みの成果だ」
「…………現場百遍、でしたっけね」
「そーゆうこと」

そうだ、加納はキャリアではあるが、現場至上主義でもあった。
桜宮署の玉村警部補が、その点だけは尊敬に値すると言っていたのを田口は思い出す。
東城大病院関係者を当たれば、田口と速水の交友関係にもすぐ行きつくだろう。
玄関先の問答を聞きつけて、速水が奥から顔を出した。
加納を見て、疎ましそうな表情になった。

「何だ、やっぱり来たのか」
「やっぱりって……速水、知ってたのか?!」
「いんや。佐藤ちゃんが、刑事が俺のこと聞き回ってるって、心配して教えてくれただけだよ」

言いながら、速水は腕を伸ばして玄関チェーンを開けた。
速水の行動に田口の方が驚いて、息を呑んでしまう。
田口の呼吸音に気付いている速水は、小さく肩を竦めて言った。

「玄関先で修羅場を展開されても困るからな。ホントーは入れたくねぇけどさあ」

速水の口調はとてもわざとらしい。加納に向けているのが明らかだ。
加納も、美男が台無しの渋い表情を浮かべていた。
それでも、速水と田口が下がって玄関を空けると、加納は室内へと踏み込んできた。

「行灯。俺、少し外すぞ」
「え、あ、うん……悪い…………」

入れ違いに、コートと財布を手に速水が出て行く。
速水は独り決めしてしまっているが、それが田口への気遣いなのだ。
その程度の事は田口も解るし、速水にそういう優しさがあるのも知っている。
小さな声で詫びた田口に、速水は

「言いたい事は全部言っちまえ」

そう言って、田口の頭をぽんと叩いて出て行った。
閉まる玄関の扉を見届けて、それから田口は息を一つ吐いた。
PR
back
COMMENT
name
title
text
color   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
mail
URL
pass
secret
TRACKBACK
TrackbackURL:
PREV ←  HOME  → NEXT
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
最新コメント
[04/04 トワ]
[04/03 武那しめじ]
[03/12 名無し]
[01/04 みなみ]
[12/16 武那しめじ]
リンク
倉庫サイトと素敵同盟さま
プロフィール
腐れ管理人、霧島です。
趣味は図書館通いと立ち読み。
レンタルで映画DVD視聴。
モットーは「とりあえず」。
ブログ内検索
バーコード
最新トラックバック
Copyright (C) 2025 M-Rainbow All Rights Reserved.

Photo by (c)Tomo.Yun   TemplateDesign by kaie
忍者ブログ [PR]