終わりです。うん、多分。⇒終わらなかったよ!
前回はどこが猟犬行灯話だったんだろうという位、将軍が出張ってました。
でも流石に最後には猟犬に出張って貰わないと……このままじゃヤバイよ!
私的行灯先生テーマソングに、鬼/束/ちひ/ろの「僕/ら バラ/色の日/々」というのがあります。例によって歌詞のワンフレーズ勝負ですが、
だから手を放そう 初めから幻のフリして
消えてゆく まるで いなかったように
ああ僕ら、バラ色の日々
行灯先生はこういうことをする人だと思っています。
ホントはこの曲を使って、「バラ色の日々の終わり」とか「ラヴィアンローズ・フェードアウト」とかってタイトルも考えたけど、「ラヴィアンローズシリーズ」と混ざりそうで止めた、というどうでもいい話。
それではどうぞです。
17日のCC123、一般で一人参加してきました。うん、イベントの空気は掴んだ!
お目当てのカプ本だけさくさくっとお買い物して、1時間程度で会場を後にしてきましたデス。
寧ろ久々に目にした海にちょっと舞い上がった。レインボーブリッジ。
海って好きだなぁ……海なし県の住人だから余計そう思う。
根性でりんかい線一駅分歩けるよ!
あの観覧車って乗車料幾らだろ? いつか挑戦したいですね。
前回はどこが猟犬行灯話だったんだろうという位、将軍が出張ってました。
でも流石に最後には猟犬に出張って貰わないと……このままじゃヤバイよ!
私的行灯先生テーマソングに、鬼/束/ちひ/ろの「僕/ら バラ/色の日/々」というのがあります。例によって歌詞のワンフレーズ勝負ですが、
だから手を放そう 初めから幻のフリして
消えてゆく まるで いなかったように
ああ僕ら、バラ色の日々
行灯先生はこういうことをする人だと思っています。
ホントはこの曲を使って、「バラ色の日々の終わり」とか「ラヴィアンローズ・フェードアウト」とかってタイトルも考えたけど、「ラヴィアンローズシリーズ」と混ざりそうで止めた、というどうでもいい話。
それではどうぞです。
17日のCC123、一般で一人参加してきました。うん、イベントの空気は掴んだ!
お目当てのカプ本だけさくさくっとお買い物して、1時間程度で会場を後にしてきましたデス。
寧ろ久々に目にした海にちょっと舞い上がった。レインボーブリッジ。
海って好きだなぁ……海なし県の住人だから余計そう思う。
根性でりんかい線一駅分歩けるよ!
あの観覧車って乗車料幾らだろ? いつか挑戦したいですね。
極北での、速水との生活は楽しいものだった。
勿論、速水は多忙だ。スレ違うことも多い。
だが、業務の隙間に送られてくるメールや、何とか時間を合わせて取る食事などが、速水の優しい気持ちを伝えてくれていた。
このまま時間が重ねれば、加納を忘れられそうだと田口は思う。
……時折交わすキスに違和感を拭えないうちは、難しいかもしれないが。
久々の休みを、速水はだらだらと過ごしていた。
北国仕様強力暖房が音を立てる室内で、長身をどろんと転がしている。
だらだらするのは田口も得意だ。
ソファに座って安楽な姿勢で、北海道観光ガイドを眺めていた。
写真に見る菜の花やラベンダーなどの色鮮やかさは、とても今の季節の白い街から想像できない。
出不精の自覚がある田口だったが、出掛けたいと思ってみたりもした。
「コーヒー飲むか?」
「おう、頼む」
コーヒーが飲みたくなって、田口は速水にも声をかけて立ち上がった。
サイフォンは極北には持ってこなかったので、ペーパードリップだ。
二人分の湯をヤカンにかける。
その時、呼び鈴が鳴った。
「はい?」
台所にいた田口の方が玄関にも近かったので、田口は返事をするとドアをチェーンの範囲で開いた。
細い隙間に顔が欠ける。
「よお」
怒りを孕んだ低い声が田口の頭上から聞こえた。
田口は弾かれたように顔を上げる。
底光りする鋭い目に出くわした。
「加納、さん…………っ」
「探したぞ」
喉の奥からようやっと声を出した田口に対し、加納は平然としたものだった。
ともすれば、今までの紆余曲折もまるで無かったような、当たり前の口調と表情だ。
「どうして、ここ……」
田口が呟くと、加納はにやりと自慢げな笑みを浮かべた。
「刑事をナメんじゃねえぞ、先生よぉ。地道な聞き込みの成果だ」
「…………現場百遍、でしたっけね」
「そーゆうこと」
そうだ、加納はキャリアではあるが、現場至上主義でもあった。
桜宮署の玉村警部補が、その点だけは尊敬に値すると言っていたのを田口は思い出す。
東城大病院関係者を当たれば、田口と速水の交友関係にもすぐ行きつくだろう。
玄関先の問答を聞きつけて、速水が奥から顔を出した。
加納を見て、疎ましそうな表情になった。
「何だ、やっぱり来たのか」
「やっぱりって……速水、知ってたのか?!」
「いんや。佐藤ちゃんが、刑事が俺のこと聞き回ってるって、心配して教えてくれただけだよ」
言いながら、速水は腕を伸ばして玄関チェーンを開けた。
速水の行動に田口の方が驚いて、息を呑んでしまう。
田口の呼吸音に気付いている速水は、小さく肩を竦めて言った。
「玄関先で修羅場を展開されても困るからな。ホントーは入れたくねぇけどさあ」
速水の口調はとてもわざとらしい。加納に向けているのが明らかだ。
加納も、美男が台無しの渋い表情を浮かべていた。
それでも、速水と田口が下がって玄関を空けると、加納は室内へと踏み込んできた。
「行灯。俺、少し外すぞ」
「え、あ、うん……悪い…………」
入れ違いに、コートと財布を手に速水が出て行く。
速水は独り決めしてしまっているが、それが田口への気遣いなのだ。
その程度の事は田口も解るし、速水にそういう優しさがあるのも知っている。
小さな声で詫びた田口に、速水は
「言いたい事は全部言っちまえ」
そう言って、田口の頭をぽんと叩いて出て行った。
閉まる玄関の扉を見届けて、それから田口は息を一つ吐いた。
勿論、速水は多忙だ。スレ違うことも多い。
だが、業務の隙間に送られてくるメールや、何とか時間を合わせて取る食事などが、速水の優しい気持ちを伝えてくれていた。
このまま時間が重ねれば、加納を忘れられそうだと田口は思う。
……時折交わすキスに違和感を拭えないうちは、難しいかもしれないが。
久々の休みを、速水はだらだらと過ごしていた。
北国仕様強力暖房が音を立てる室内で、長身をどろんと転がしている。
だらだらするのは田口も得意だ。
ソファに座って安楽な姿勢で、北海道観光ガイドを眺めていた。
写真に見る菜の花やラベンダーなどの色鮮やかさは、とても今の季節の白い街から想像できない。
出不精の自覚がある田口だったが、出掛けたいと思ってみたりもした。
「コーヒー飲むか?」
「おう、頼む」
コーヒーが飲みたくなって、田口は速水にも声をかけて立ち上がった。
サイフォンは極北には持ってこなかったので、ペーパードリップだ。
二人分の湯をヤカンにかける。
その時、呼び鈴が鳴った。
「はい?」
台所にいた田口の方が玄関にも近かったので、田口は返事をするとドアをチェーンの範囲で開いた。
細い隙間に顔が欠ける。
「よお」
怒りを孕んだ低い声が田口の頭上から聞こえた。
田口は弾かれたように顔を上げる。
底光りする鋭い目に出くわした。
「加納、さん…………っ」
「探したぞ」
喉の奥からようやっと声を出した田口に対し、加納は平然としたものだった。
ともすれば、今までの紆余曲折もまるで無かったような、当たり前の口調と表情だ。
「どうして、ここ……」
田口が呟くと、加納はにやりと自慢げな笑みを浮かべた。
「刑事をナメんじゃねえぞ、先生よぉ。地道な聞き込みの成果だ」
「…………現場百遍、でしたっけね」
「そーゆうこと」
そうだ、加納はキャリアではあるが、現場至上主義でもあった。
桜宮署の玉村警部補が、その点だけは尊敬に値すると言っていたのを田口は思い出す。
東城大病院関係者を当たれば、田口と速水の交友関係にもすぐ行きつくだろう。
玄関先の問答を聞きつけて、速水が奥から顔を出した。
加納を見て、疎ましそうな表情になった。
「何だ、やっぱり来たのか」
「やっぱりって……速水、知ってたのか?!」
「いんや。佐藤ちゃんが、刑事が俺のこと聞き回ってるって、心配して教えてくれただけだよ」
言いながら、速水は腕を伸ばして玄関チェーンを開けた。
速水の行動に田口の方が驚いて、息を呑んでしまう。
田口の呼吸音に気付いている速水は、小さく肩を竦めて言った。
「玄関先で修羅場を展開されても困るからな。ホントーは入れたくねぇけどさあ」
速水の口調はとてもわざとらしい。加納に向けているのが明らかだ。
加納も、美男が台無しの渋い表情を浮かべていた。
それでも、速水と田口が下がって玄関を空けると、加納は室内へと踏み込んできた。
「行灯。俺、少し外すぞ」
「え、あ、うん……悪い…………」
入れ違いに、コートと財布を手に速水が出て行く。
速水は独り決めしてしまっているが、それが田口への気遣いなのだ。
その程度の事は田口も解るし、速水にそういう優しさがあるのも知っている。
小さな声で詫びた田口に、速水は
「言いたい事は全部言っちまえ」
そう言って、田口の頭をぽんと叩いて出て行った。
閉まる玄関の扉を見届けて、それから田口は息を一つ吐いた。
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