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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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32222ヒット、mana様のリクエストです。
mana様、有り難う御座いました!
……やみちゅ様、もう暫くお待ち下さいませっ。すみませんっ。


リク内容は「将軍の誕生日」でした。
ホントはもう少し具体的なリクですが、今は割愛。
将軍は冬か夏生まれなイメージですねぇ。今が冬なせいか、冬>夏なイメージ。
行灯先生は逆に春とか秋とか、ゆったりした季節が似合います。
魔人は夏か春、暖かい季節というイメージかな。
ゲリラは冬、クリスマスとか大みそかとかバレンタインデーとか閏年とか、ピンポイントな誕生日だと面白いかもしれない。
将軍と行灯先生、どっちの方が先に誕生日がくるにしても

「俺の方が年上だな、敬え」

とか

「三十路(四十路)だな、ご愁傷さま」

とかいう会話はしたに違いないよ!
それではどうぞです。


私信:ほたか様
メール受信しました。リクエスト了解です。
……のんびり待って頂けると有難いです、ハイ。

救命救急センターにも仮眠室はあるが、速水は滅多にそこを使わなかった。
部長室のソファに寝転がって仮眠をとるのがほとんどだ。
ソファの寸が足りないのがネックだが、人間、慣れるものである。
とろとろと浅い眠りに揺蕩いながら見た今日の夢は、とても温かくて幸せなものだった。
詳細は覚えていなかった。
小さな優しいキスと、囁きのような吐息だけはしっかり覚えている。

「ん…………田口?」

速水にそんなキスをする相手は田口しかいない。
幸せな気分で呟いて、速水はようやっと目を開けた。
ソファから半身を起こすと、真っ先にモニターに視線を投げる。これは最早癖だ。
モニターの画像は全て良好で、危険を予兆するものは何もなかった。
そこで初めて速水は夢を反芻した。
思い出すとまた、幸せで口元が綻んでしまう。
登場人物の顔は実のところハッキリしていないのだが、速水は田口だと確定した。
何事か囁いていたようだったが、そのセリフがちょっと思い出せない。
首を傾げながら立ち上がって、速水は応接テーブルの上にチュッパチャプスが三本転がっているのに気が付いた。
思わず自分の白衣のポケットに手を突っ込む。
棒が二本手に触った。寝る前の記憶にあるのと同じ数だ。

「ん――――?」

首を傾げて、速水はチュッパチャプス三本を手に部長室を出た。
ナースセンターに首を突っ込むと、やはり当直の如月が弾かれたように顔を上げる。

「速水先生! 今のところ問題ありません!」

如月は笑顔と共にハキハキした口調で言った。
深夜だと言うのに元気のよい事だ。
思わず笑ってしまいながら、速水は手にした三本のチュッパチャプスを如月に見えるようにかざした。

「俺んトコにあったんだけどさ、誰か知らねー?」
「え――?」

如月ともう一人の看護師は顔を見合わせる。
その怪訝そうな口調から、既に速水は答えを掴んでいた。
この二人は知らないようだ。
速水は眉間に皺を寄せて、チュッパチャプスを睨みつけた。

「誰だか知らねーけど貰っちまうぞ」
「いいんじゃないですか?」

速水の呟きに、如月は楽しそうに笑った。

「きっと小人さんのプレゼントですよ」
「小人さんって、あんた……」
「そんな話あったじゃないですか、寝てる間に靴作ってくれる小人の話」
「『いーとー巻き巻き』ってヤツよね」

如月の発言にもう一人の看護師が呆れた顔をしたが、そのまま二人で童話の話を始めてしまう。
女性のお喋りが尽きないのは、こういうところに理由があるらしい。
しかし、「小人」よりも速水の脳裏に引っ掛かったのは、「プレゼント」の一言だった。
夢の中で、囁かれた言葉を不意に思い出す。

『誕生日、おめでとう』

間違いなく田口の声だった。
瞼の上に囁いた唇が、そう言っていた。

「夢じゃなかったのか…………」

そう思ってみれば、日付は確かに速水の誕生日だ。
無造作に置かれたチュッパチャプス三本というのも、如何にも田口らしい。
速水はひょいと踵を返した。
目敏い如月がお喋りを中断して速水に声を掛ける。

「あ、速水先生お戻りですか?」
「おう。お前らも適当に休めよ」
「「はぁい」」

後ろ手に手を振って、看護師二人の声に見送られた速水は、部長室に戻って早速携帯電話を起動した。
第一声は決まっている。
数度のコールの後、ボンヤリした声が聞こえた。

「よお、小人さん」
『えっ、え…………?』

ワケが解らない、というような田口の声が可笑しくて、速水は喉の奥で笑った。
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