12月企画、暁さまからのリクエストです。
暁さま、企画参加有り難う御座いました!
さてリク内容は「行灯を治療または介抱する将軍」ということでした。
治療は得意過ぎるので、介抱の方にしてみた……。
ウチに将軍は家事に関してはダメダメです。
久しぶりにリクエストリストを こちら に用意しました。
結構捗ってるじゃないか、自分。
この調子なら、ちゃんと1月中に終わりそうですね。
キリ番を溜め込んでますので、そちらも何とかしないとならのですが……。
世間は冬の祭りです。行きたかった……。
尤も、霧島はイベントに関してはトーシロー同然なので、どうやって入ったらいいかすら解らないという無知っぷりです。一緒に行って指導してくれる人がどうしても必要なカンジ。
休みが無いっていうのもありますけど。
暁さま、企画参加有り難う御座いました!
さてリク内容は「行灯を治療または介抱する将軍」ということでした。
治療は得意過ぎるので、介抱の方にしてみた……。
ウチに将軍は家事に関してはダメダメです。
久しぶりにリクエストリストを こちら に用意しました。
結構捗ってるじゃないか、自分。
この調子なら、ちゃんと1月中に終わりそうですね。
キリ番を溜め込んでますので、そちらも何とかしないとならのですが……。
世間は冬の祭りです。行きたかった……。
尤も、霧島はイベントに関してはトーシロー同然なので、どうやって入ったらいいかすら解らないという無知っぷりです。一緒に行って指導してくれる人がどうしても必要なカンジ。
休みが無いっていうのもありますけど。
今風邪をひいたら、今シーズンはもうひかなくて済むだろうか。
布団の中で、田口はそんな埒も無い事を考えた。
免疫がつくのはインフルエンザだ、普通の風邪は何度だってかかるもの。
それでも、こうも酷い頭痛と喉痛と鼻水は一度きりにしてほしいものである。
そこまで酷いなら大人しく寝ていればよいものを、今の田口はのんびり寝ていられない状況にあった。
「何だぁ? 氷ってこんだけか?」
がたっ、バキっ。ぴぴーっ。
冷凍庫の警告が鳴っている。
その前の破壊音は、多分冷凍庫の内部のパーツを割ったか何かしたのだろう。
田口は耳を塞ぎたい気分だった。
「なあ、行灯? 氷少ないぞ」
「要らない……救急箱に冷えピタ入ってるから……」
「先に言えよ、そういうことは。で、救急箱は?」
「居間のキャビネット…………」
布団の中で戦々恐々としている田口の気も知らず、ひょいと顔を出したのは速水だった。
風邪ひいて動けない、と電話で告げたのがそもそもの間違いだったのだ。
じゃあ看病してやると乗り込んできた速水だったが、思わぬ弱点を晒すことになった。
救命の現場では実力を如何なく発揮するジェネラルも、風邪っぴきの看病に関しては素人同然だったのである。
「家事の出来ないヤツに、看病なんて無理なんだよ……」
看病とはつまり、「お母さん」の仕事である。
速水にはそのスキルが徹底的に欠けていた。
でなきゃ、やってきたはいいものの、いちいち田口に指示を仰ぐ必要などない。
「なあ、お前メシは? やっぱこういうのがいいんだろ?」
「…………うん」
レトルトパックのおかゆを見せられて、田口は少しだけ安心した。
そこのところの常識はあったらしい。
食欲は無かったが食べないと薬も飲めないので、田口はセーターを着込んでコタツでおかゆを待った。
電子レンジが低い音と共に回る。
ボツっ、と何だか不吉な音がした。
「あちっ! 出来たぞ、ほら」
「……………………っ」
こめかみが引き攣ったのを田口は自覚した。
茶碗の中では、白い溶岩がふつふつと煮え滾っている。
蓋をしないでレンジにかけたものだから、部分的におかゆが乾いて茶碗にこびりついていた。
「ふ、袋ごとレンジに入れなかっただけマシなのかな…………」
「何ブツブツ言ってんだ? 食わないと冷めるぞ」
寧ろ冷ましたい。冷まさなければ食えない。
レンゲで茶碗の中を掻き回しながら、田口は長い溜息を吐いた。
この溜息で少しはおかゆが冷めればいいのだが。
田口の気も知らない速水は事も無げに言うと、救急箱と冷えピタを探すべく立ち上がった。
田口は何とかおかゆを片付け、薬を飲んだ。
東城大の内科で貰ってきた薬を見た速水は、「ふぅん、解熱と胃薬、抗生剤……弱めだな」とこういうところだけは優秀な医師であることを見せる。
「なあ。他に何か、して欲しいことないか?」
歯磨きついでに用足しもして、再度布団に潜った田口の傍に速水も座り込んだ。
窺うような上目遣いが、不覚にも可愛いと思ってしまう。
熱のせいで脳ミソが沸いているのかもしれない。
田口は緩く首を横に振った。
途端にグラリと頭痛に襲われる。
一呼吸おいて痛みをやり過ごしてから、田口は口を開いた。
「何もしなくていいよ」
「本当に?」
「うん…………傍にいてくれればいい」
「…………そうか」
田口が差し出した手を、速水は微笑と共に握ってくれる。
かなりズルイ手段だと思わないでもなかったが、全くのウソではないのだから許して貰いたい。
これでゆっくり休める筈だ。
速水が風邪をひいたら優しくしてやろうと思いながら、田口は瞼を下ろしたのだった。
布団の中で、田口はそんな埒も無い事を考えた。
免疫がつくのはインフルエンザだ、普通の風邪は何度だってかかるもの。
それでも、こうも酷い頭痛と喉痛と鼻水は一度きりにしてほしいものである。
そこまで酷いなら大人しく寝ていればよいものを、今の田口はのんびり寝ていられない状況にあった。
「何だぁ? 氷ってこんだけか?」
がたっ、バキっ。ぴぴーっ。
冷凍庫の警告が鳴っている。
その前の破壊音は、多分冷凍庫の内部のパーツを割ったか何かしたのだろう。
田口は耳を塞ぎたい気分だった。
「なあ、行灯? 氷少ないぞ」
「要らない……救急箱に冷えピタ入ってるから……」
「先に言えよ、そういうことは。で、救急箱は?」
「居間のキャビネット…………」
布団の中で戦々恐々としている田口の気も知らず、ひょいと顔を出したのは速水だった。
風邪ひいて動けない、と電話で告げたのがそもそもの間違いだったのだ。
じゃあ看病してやると乗り込んできた速水だったが、思わぬ弱点を晒すことになった。
救命の現場では実力を如何なく発揮するジェネラルも、風邪っぴきの看病に関しては素人同然だったのである。
「家事の出来ないヤツに、看病なんて無理なんだよ……」
看病とはつまり、「お母さん」の仕事である。
速水にはそのスキルが徹底的に欠けていた。
でなきゃ、やってきたはいいものの、いちいち田口に指示を仰ぐ必要などない。
「なあ、お前メシは? やっぱこういうのがいいんだろ?」
「…………うん」
レトルトパックのおかゆを見せられて、田口は少しだけ安心した。
そこのところの常識はあったらしい。
食欲は無かったが食べないと薬も飲めないので、田口はセーターを着込んでコタツでおかゆを待った。
電子レンジが低い音と共に回る。
ボツっ、と何だか不吉な音がした。
「あちっ! 出来たぞ、ほら」
「……………………っ」
こめかみが引き攣ったのを田口は自覚した。
茶碗の中では、白い溶岩がふつふつと煮え滾っている。
蓋をしないでレンジにかけたものだから、部分的におかゆが乾いて茶碗にこびりついていた。
「ふ、袋ごとレンジに入れなかっただけマシなのかな…………」
「何ブツブツ言ってんだ? 食わないと冷めるぞ」
寧ろ冷ましたい。冷まさなければ食えない。
レンゲで茶碗の中を掻き回しながら、田口は長い溜息を吐いた。
この溜息で少しはおかゆが冷めればいいのだが。
田口の気も知らない速水は事も無げに言うと、救急箱と冷えピタを探すべく立ち上がった。
田口は何とかおかゆを片付け、薬を飲んだ。
東城大の内科で貰ってきた薬を見た速水は、「ふぅん、解熱と胃薬、抗生剤……弱めだな」とこういうところだけは優秀な医師であることを見せる。
「なあ。他に何か、して欲しいことないか?」
歯磨きついでに用足しもして、再度布団に潜った田口の傍に速水も座り込んだ。
窺うような上目遣いが、不覚にも可愛いと思ってしまう。
熱のせいで脳ミソが沸いているのかもしれない。
田口は緩く首を横に振った。
途端にグラリと頭痛に襲われる。
一呼吸おいて痛みをやり過ごしてから、田口は口を開いた。
「何もしなくていいよ」
「本当に?」
「うん…………傍にいてくれればいい」
「…………そうか」
田口が差し出した手を、速水は微笑と共に握ってくれる。
かなりズルイ手段だと思わないでもなかったが、全くのウソではないのだから許して貰いたい。
これでゆっくり休める筈だ。
速水が風邪をひいたら優しくしてやろうと思いながら、田口は瞼を下ろしたのだった。
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