2月の企画、スタートします!
題して「やっぱりバレンタイン企画・ガールズスペシャル月間」です。
シリーズの女の子たちと、バレンタイン絡みのお話をボチボチ書いていければいいなぁと思っております。
今のところの候補は小児科の歌姫、ICUの爆弾娘、我儘バイオレット、猫とハヤブサでしょうか。丹羽さんと地雷原を何とか出したい……。
ノーマル傾向になります。
「ダメ、絶対」って方は回避して下さい。
さて、疑問その一。
最初の二人は兎も角、年齢的に「ガールズ」と称し難い人々が混ざっているのではないかという点。
解答⇒「ガールズスペシャル」というネーミングが優先なので、敢えて強行する、そこは。
疑問のその二。
行灯先生と将軍の出番は? というか、将軍行灯カプの出番があるか、という点。
解答⇒……大層微妙なのですが。
まずは第一弾。歌姫と青本王子です。イチャいです。
多分これが一番甘くて、今後糖分は目減りしていく一方な気がします……。
それっていいのか?
題して「やっぱりバレンタイン企画・ガールズスペシャル月間」です。
シリーズの女の子たちと、バレンタイン絡みのお話をボチボチ書いていければいいなぁと思っております。
今のところの候補は小児科の歌姫、ICUの爆弾娘、我儘バイオレット、猫とハヤブサでしょうか。丹羽さんと地雷原を何とか出したい……。
ノーマル傾向になります。
「ダメ、絶対」って方は回避して下さい。
さて、疑問その一。
最初の二人は兎も角、年齢的に「ガールズ」と称し難い人々が混ざっているのではないかという点。
解答⇒「ガールズスペシャル」というネーミングが優先なので、敢えて強行する、そこは。
疑問のその二。
行灯先生と将軍の出番は? というか、将軍行灯カプの出番があるか、という点。
解答⇒……大層微妙なのですが。
まずは第一弾。歌姫と青本王子です。イチャいです。
多分これが一番甘くて、今後糖分は目減りしていく一方な気がします……。
それっていいのか?
My fanny Valentine
Sweet comic Valentine
小夜が歌う声に、瑞人は義眼を細めた。
勿論見えはしない。
伝わってくるのは楽しそうな雰囲気だけだ。
「小夜さん、それ『MY FANNY VALENTINE』?」
「ええ。知ってるの?」
「さっき自分で歌ったじゃないか」
「そうね」
瑞人が指摘すれば、小夜はくすり、と小さな声で笑った。
クラシック中心の小夜にしては珍しい歌だ、と瑞人が思ったのに気付いたのか、小夜は瑞人の隣りに座ってそっと手を触れた。
瑞人の目が見えない分、触れることでいろいろなものを伝え合おうとしているのだ。
「城崎さんがね、バレンタインのステージ用に覚えておけって」
「ああ、そうだよね」
「ええ」
確かに、バレンタインに歌わないで何時歌うというのか。
城崎の提案に納得して瑞人が頷くと、やはり頷いた小夜は再びバレンタインの曲を歌いだした。
瑞人の中に映像が流れ込んでくる。これは小夜の歌の力だ。
華やかなラッピングのチョコが並ぶ売り場、楽しそうに製菓材料を選ぶ女子高生や、真剣にガラスケースを見比べる女性客。
空気の中に漂うチョコの香りまで届けてくれる歌だった。
「小夜さんも、こういうところへ行ったの? チョコ買いに?」
「ええ」
「ふぅん」
小夜が創り出す映像の細密さに問えば、小夜はまた一つ頷いた。
瑞人は曖昧に頷いたが、それは単に返しに困ったからであり、嫉妬やその他のモヤモヤした感情とは無縁だった。
小夜が瑞人にチョコレートをくれるだろうことを、瑞人は疑っていなかった。
確かにその通り、小夜は歌いながら小さな箱を瑞人の手に滑り込ませた。
白をベースにしたシックな箱、中身のチョコレートは意外にカラフル。
そんな姿まで、小夜の歌は伝えてくる。
「開けて食わせてよ、小夜さん」
「……甘ったれね」
「いいじゃないか、俺見えないし」
「都合のいい時ばっかりそう言うのね」
瑞人は冗談めかして言った。
小夜の声に苦笑が交じるのが解る。
だが、箱が瑞人の手から奪われ、リボンが解ける音がした。
甘い香りが鼻に強く届く。
唇に触れた何かを迎え入れるべく口を開け、柔らかく歯で挟めば、食べ物だけではない感触に触れた。
小夜の指に舌を絡めるようにして、チョコレートを受け取る。
歯を立てれば、コーティングチョコの歯応えの後に、がナッシュの柔らかさが舌に乗った。
当たり前だが甘い。
駄菓子とは違う、丁寧な甘さだった。
「美味いよ。ありがと、小夜さん」
「どういたしまして」
礼を述べれば、小夜は柔らかい口調で返してきた。
小夜の歌は小夜の姿を伝えてはくれない。
だが、小夜が笑顔であることを瑞人は当たり前のように思った。
Sweet comic Valentine
小夜が歌う声に、瑞人は義眼を細めた。
勿論見えはしない。
伝わってくるのは楽しそうな雰囲気だけだ。
「小夜さん、それ『MY FANNY VALENTINE』?」
「ええ。知ってるの?」
「さっき自分で歌ったじゃないか」
「そうね」
瑞人が指摘すれば、小夜はくすり、と小さな声で笑った。
クラシック中心の小夜にしては珍しい歌だ、と瑞人が思ったのに気付いたのか、小夜は瑞人の隣りに座ってそっと手を触れた。
瑞人の目が見えない分、触れることでいろいろなものを伝え合おうとしているのだ。
「城崎さんがね、バレンタインのステージ用に覚えておけって」
「ああ、そうだよね」
「ええ」
確かに、バレンタインに歌わないで何時歌うというのか。
城崎の提案に納得して瑞人が頷くと、やはり頷いた小夜は再びバレンタインの曲を歌いだした。
瑞人の中に映像が流れ込んでくる。これは小夜の歌の力だ。
華やかなラッピングのチョコが並ぶ売り場、楽しそうに製菓材料を選ぶ女子高生や、真剣にガラスケースを見比べる女性客。
空気の中に漂うチョコの香りまで届けてくれる歌だった。
「小夜さんも、こういうところへ行ったの? チョコ買いに?」
「ええ」
「ふぅん」
小夜が創り出す映像の細密さに問えば、小夜はまた一つ頷いた。
瑞人は曖昧に頷いたが、それは単に返しに困ったからであり、嫉妬やその他のモヤモヤした感情とは無縁だった。
小夜が瑞人にチョコレートをくれるだろうことを、瑞人は疑っていなかった。
確かにその通り、小夜は歌いながら小さな箱を瑞人の手に滑り込ませた。
白をベースにしたシックな箱、中身のチョコレートは意外にカラフル。
そんな姿まで、小夜の歌は伝えてくる。
「開けて食わせてよ、小夜さん」
「……甘ったれね」
「いいじゃないか、俺見えないし」
「都合のいい時ばっかりそう言うのね」
瑞人は冗談めかして言った。
小夜の声に苦笑が交じるのが解る。
だが、箱が瑞人の手から奪われ、リボンが解ける音がした。
甘い香りが鼻に強く届く。
唇に触れた何かを迎え入れるべく口を開け、柔らかく歯で挟めば、食べ物だけではない感触に触れた。
小夜の指に舌を絡めるようにして、チョコレートを受け取る。
歯を立てれば、コーティングチョコの歯応えの後に、がナッシュの柔らかさが舌に乗った。
当たり前だが甘い。
駄菓子とは違う、丁寧な甘さだった。
「美味いよ。ありがと、小夜さん」
「どういたしまして」
礼を述べれば、小夜は柔らかい口調で返してきた。
小夜の歌は小夜の姿を伝えてはくれない。
だが、小夜が笑顔であることを瑞人は当たり前のように思った。
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COMMENT
ステキ…
このカップル、ほんと甘甘ですね。いいなあ…
おまけになんでか、エロチック…
王子のせい?www
他のカップルも、楽しみにしています~♪
おまけになんでか、エロチック…
王子のせい?www
他のカップルも、楽しみにしています~♪
Re:ステキ…
いらっしゃいませ! コメント有り難う御座いますです。
>このカップル
うん、今回は甘いけど、実際の脳内設定はかなり病んでるカンジなのです。
何だろう? イメージはとってもセフレ的な。
身体の関係はあるのに両片想い、というか。矢印通じ合っていないというイメージなのです。
自分でもとっても謎です。謎過ぎて書けないデス。
エロチックは、一応狙ってみた(笑)。
他もまたけったいなのが出てくるかもしれません。
宜しくお付き合い下さいませ。
>このカップル
うん、今回は甘いけど、実際の脳内設定はかなり病んでるカンジなのです。
何だろう? イメージはとってもセフレ的な。
身体の関係はあるのに両片想い、というか。矢印通じ合っていないというイメージなのです。
自分でもとっても謎です。謎過ぎて書けないデス。
エロチックは、一応狙ってみた(笑)。
他もまたけったいなのが出てくるかもしれません。
宜しくお付き合い下さいませ。
あー、確かに…
私が、原作読んでこの二人に抱いたイメージは『病んでる』って感じでした。
きっと、同じ事してても行灯先生の場合は『可愛らしい』になるんでしょうねぇ…www
ふふっ♪
>けったいなの
どんなカップルが出て来るのか、めちゃくちゃ楽しみです☆
…って前のコメントでも言ってましたね……orz
きっと、同じ事してても行灯先生の場合は『可愛らしい』になるんでしょうねぇ…www
ふふっ♪
>けったいなの
どんなカップルが出て来るのか、めちゃくちゃ楽しみです☆
…って前のコメントでも言ってましたね……orz
Re:あー、確かに…
>原作
うん……「地球儀」読んでも、どうにもラブラブ両想いという印象はないのよね、この二人。
もっとも、霧島の解釈は思いっきり世間さまとズレていることがあったりなかったりするので、断言はしない。
ところでこの企画、バレンタイン過ぎたらお終いかしら?
バレンタインに関係なく女性陣を書けばいいか、と思っていたりもするところです。
うん……「地球儀」読んでも、どうにもラブラブ両想いという印象はないのよね、この二人。
もっとも、霧島の解釈は思いっきり世間さまとズレていることがあったりなかったりするので、断言はしない。
ところでこの企画、バレンタイン過ぎたらお終いかしら?
バレンタインに関係なく女性陣を書けばいいか、と思っていたりもするところです。