2月企画第3弾、バイオレットと行灯先生です。
やっと出番ですよ、行灯先生。
実は今まで登場したチョコレートたちにはモデルが御座います。
第1弾はメリーの「琴音色」シリーズ、第2弾は7&iの企画「花織」シリーズです。
どちらも食ったことないですよ、当たり前ですがっ!
個人的にはメリーが馴染みの深いメーカーなので、メリーが好きですね。あの味に慣れていると思います。
今回はあれかなぁ。
やっと出番ですよ、行灯先生。
実は今まで登場したチョコレートたちにはモデルが御座います。
第1弾はメリーの「琴音色」シリーズ、第2弾は7&iの企画「花織」シリーズです。
どちらも食ったことないですよ、当たり前ですがっ!
個人的にはメリーが馴染みの深いメーカーなので、メリーが好きですね。あの味に慣れていると思います。
今回はあれかなぁ。
「田口先生、失礼します」
「ああ、すみれ先生。どうしましたか?」
田口が、当たり前の言葉と当たり前の表情ですみれを出迎えた。
すみれは手で勧められたソファを、首を横に振ることで断った。
ファイルの影に隠していたギフトボックスを差し出す。
「いつもお世話になっている、御礼です」
「ああ、バレンタイン」
「忘れてらしたんですか?」
「ちょっとだけ。すみれ先生、有り難う」
田口がちょっと驚いた顔をしたので、すみれは小さく笑いながら尋ねた。
田口は恥ずかしそうに笑い、それからお礼の言葉を口にする。
「えっと、それ渡しに寄っただけなんです、失礼しますっ」
「ああ、忙しいんだね。頑張って」
「…………っ」
すみれは大きく頷いて、慌ただしく愚痴外来を去って行った。
「大変そうだなぁ」
愚痴外来には、田口の小さな呟きとギフトボックスが残された。
「わた、せた…………っ」
愚痴外来を飛び出して、向かった先は職場ではなかった。
建物の影に入ったところで、すみれは力尽きた。
白衣が汚れるのも構わず、壁に背中を預ける。
「田口先生、笑ってくれた…………っ」
田口の笑顔を反芻する。
義理だからこその笑顔だと解っている、本命だと言ったら、きっと田口は困惑しただろう。
それが少し切ない。
緊張の糸が緩んで、すみれはその場にしゃがみこんだ。
涙まで滲んできそうな気がした。
口上はあくまで義理を主張した。御礼だと言って。
でも気持ちは本命だった。
悩んだ。
ピンクのハートで可愛いものがいいかも、でもそれって自分のキャラじゃない気がする、とか。
美味しいのがいい、あのメーカーは好きだから大丈夫かな、とか。
他の誰に買うよりも、今までの誰に買ったものよりも、悩んだ。
結局選んだのは、シンプルな棒状のチョコレート。
味はいいけれど、飾り気が無い。
シックなのがいいと自分に思い込ませて、今日を迎えた。
あくまで「義理ですよ」という姿勢で臨んだ。
そして、田口の笑顔だ。
「嬉しいよぉ…………っ」
先程まで泣けそうな気がしていたくせに、今は口元が緩んでいる。
多分、今、かなりだらしない顔になっている。
零れてもいない涙を拭って、すみれはそのまま暫く丸くしゃがみ込んでいたのだった。
「ああ、すみれ先生。どうしましたか?」
田口が、当たり前の言葉と当たり前の表情ですみれを出迎えた。
すみれは手で勧められたソファを、首を横に振ることで断った。
ファイルの影に隠していたギフトボックスを差し出す。
「いつもお世話になっている、御礼です」
「ああ、バレンタイン」
「忘れてらしたんですか?」
「ちょっとだけ。すみれ先生、有り難う」
田口がちょっと驚いた顔をしたので、すみれは小さく笑いながら尋ねた。
田口は恥ずかしそうに笑い、それからお礼の言葉を口にする。
「えっと、それ渡しに寄っただけなんです、失礼しますっ」
「ああ、忙しいんだね。頑張って」
「…………っ」
すみれは大きく頷いて、慌ただしく愚痴外来を去って行った。
「大変そうだなぁ」
愚痴外来には、田口の小さな呟きとギフトボックスが残された。
「わた、せた…………っ」
愚痴外来を飛び出して、向かった先は職場ではなかった。
建物の影に入ったところで、すみれは力尽きた。
白衣が汚れるのも構わず、壁に背中を預ける。
「田口先生、笑ってくれた…………っ」
田口の笑顔を反芻する。
義理だからこその笑顔だと解っている、本命だと言ったら、きっと田口は困惑しただろう。
それが少し切ない。
緊張の糸が緩んで、すみれはその場にしゃがみこんだ。
涙まで滲んできそうな気がした。
口上はあくまで義理を主張した。御礼だと言って。
でも気持ちは本命だった。
悩んだ。
ピンクのハートで可愛いものがいいかも、でもそれって自分のキャラじゃない気がする、とか。
美味しいのがいい、あのメーカーは好きだから大丈夫かな、とか。
他の誰に買うよりも、今までの誰に買ったものよりも、悩んだ。
結局選んだのは、シンプルな棒状のチョコレート。
味はいいけれど、飾り気が無い。
シックなのがいいと自分に思い込ませて、今日を迎えた。
あくまで「義理ですよ」という姿勢で臨んだ。
そして、田口の笑顔だ。
「嬉しいよぉ…………っ」
先程まで泣けそうな気がしていたくせに、今は口元が緩んでいる。
多分、今、かなりだらしない顔になっている。
零れてもいない涙を拭って、すみれはそのまま暫く丸くしゃがみ込んでいたのだった。
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