2月企画、ガールズスペシャルその2です。
今回はICUの爆弾娘と副部長代理です。
カプ未満です。義理チョコな話。
爆弾娘はとっても現代っ子なので、義理チョコ友チョコ大好きだと思います。作る暇はないでしょうけど。
世間さまがチョコレート売り込み強化中なので、チョコ食べたい病が発症しております。
でも2月15日まで我慢だ……!
売れ残り安売り狙いです。コンビニのは大して美味くないが。
端っからソレ狙いってどうよ、と思わなくもない。
今回はICUの爆弾娘と副部長代理です。
カプ未満です。義理チョコな話。
爆弾娘はとっても現代っ子なので、義理チョコ友チョコ大好きだと思います。作る暇はないでしょうけど。
世間さまがチョコレート売り込み強化中なので、チョコ食べたい病が発症しております。
でも2月15日まで我慢だ……!
売れ残り安売り狙いです。コンビニのは大して美味くないが。
端っからソレ狙いってどうよ、と思わなくもない。
「佐藤せーんせっ」
明るい声で呼びかけられ、佐藤は自然と笑顔になって振り向いた。
予想通り、佐藤の後ろには如月が茶目っ気たっぷりの笑顔を浮かべて立っている。
如月はちょこんと頭を下げると、小ぶりな紙袋を差し出した。
「これ。いつもお世話になってオリマス」
日付は2月14日。
この日に差し出されるものがチョコレート以外の何かだったら、佐藤は泣くだろう。
ふんわりと漂ってくる香りからしても、佐藤は泣かずに済むようだ。
如月の口上は明らかに「これは義理です」と言っていたが、この際そういうことは気にしないことにする。
義理チョコだって、可愛い子から貰えれば有難味が増すものだ。
「まったくその通りだな」
「あ――、佐藤先生ひっどい!」
わざと横柄に頷きながら紙袋を受け取れば、如月は憤慨して声を上げた。
だが、お互い軽いジョークというのは解りきっている。
表情は笑顔のままだった。
黒ベースの和風の紙袋だった。
中身に興味がそそられる。
「ねえ、開けてみて下さいよ。面白いんですよ、和風チョコ。柚子味とかあるんです」
「へえぇ…………」
如月が子供のような口調で勧めた。
本人の目の前で開けることに多少の抵抗もあったが、如月は期待に満ちた目をしている。
その期待を裏切ることは、佐藤には出来なかった。
きっちりとした包装に眉を顰めながら、佐藤は箱を開けた。
「へえ、凄いな」
「ですねぇ……綺麗」
プリント技術の応用だろう。
特に、四角いチョコレートの上に淡い水色の唐草模様や、明るい黄色の花模様が入っているのは見事だった。
まずは目を楽しませてくれる一品だ。
「美味しそうだなぁ……ちょっと気になってたんですよね、柚子味とか」
「…………それは密かに催促してるのか?」
「えへへっ」
如月があんまり物欲しそうな口調で言うので、佐藤は呆れてしまった。
佐藤にそう言われても、如月は恐縮する様子もない。
逆に、可愛らしく笑うことで、佐藤の言葉を肯定している。
佐藤は溜息を一つ吐いた。
結局自分は、この可愛らしい若手女性看護師に甘くなってしまうらしい。
「おひとつどーぞ」
「有り難う御座いますっ!」
箱を差し出して勧めると、如月の手は素早く伸びた。
黄色のデコレーションが付いたチョコレートを、前歯で半分噛む。
「あ、柚子だぁ…………」
中身を観察しつつ味わうその様子に、佐藤は笑いが込み上げてきた。
どちらがバレンタインを満喫しているか、解らない。
残り半分を惜しみながら食べる如月の表情を楽しみながら、佐藤は渋い緑色のチョコレートを口に放り込んだ。
予想通りの抹茶味。普段は滅多に口にしない味だ。
こういうのが、バレンタインの特別なのだと思った。
明るい声で呼びかけられ、佐藤は自然と笑顔になって振り向いた。
予想通り、佐藤の後ろには如月が茶目っ気たっぷりの笑顔を浮かべて立っている。
如月はちょこんと頭を下げると、小ぶりな紙袋を差し出した。
「これ。いつもお世話になってオリマス」
日付は2月14日。
この日に差し出されるものがチョコレート以外の何かだったら、佐藤は泣くだろう。
ふんわりと漂ってくる香りからしても、佐藤は泣かずに済むようだ。
如月の口上は明らかに「これは義理です」と言っていたが、この際そういうことは気にしないことにする。
義理チョコだって、可愛い子から貰えれば有難味が増すものだ。
「まったくその通りだな」
「あ――、佐藤先生ひっどい!」
わざと横柄に頷きながら紙袋を受け取れば、如月は憤慨して声を上げた。
だが、お互い軽いジョークというのは解りきっている。
表情は笑顔のままだった。
黒ベースの和風の紙袋だった。
中身に興味がそそられる。
「ねえ、開けてみて下さいよ。面白いんですよ、和風チョコ。柚子味とかあるんです」
「へえぇ…………」
如月が子供のような口調で勧めた。
本人の目の前で開けることに多少の抵抗もあったが、如月は期待に満ちた目をしている。
その期待を裏切ることは、佐藤には出来なかった。
きっちりとした包装に眉を顰めながら、佐藤は箱を開けた。
「へえ、凄いな」
「ですねぇ……綺麗」
プリント技術の応用だろう。
特に、四角いチョコレートの上に淡い水色の唐草模様や、明るい黄色の花模様が入っているのは見事だった。
まずは目を楽しませてくれる一品だ。
「美味しそうだなぁ……ちょっと気になってたんですよね、柚子味とか」
「…………それは密かに催促してるのか?」
「えへへっ」
如月があんまり物欲しそうな口調で言うので、佐藤は呆れてしまった。
佐藤にそう言われても、如月は恐縮する様子もない。
逆に、可愛らしく笑うことで、佐藤の言葉を肯定している。
佐藤は溜息を一つ吐いた。
結局自分は、この可愛らしい若手女性看護師に甘くなってしまうらしい。
「おひとつどーぞ」
「有り難う御座いますっ!」
箱を差し出して勧めると、如月の手は素早く伸びた。
黄色のデコレーションが付いたチョコレートを、前歯で半分噛む。
「あ、柚子だぁ…………」
中身を観察しつつ味わうその様子に、佐藤は笑いが込み上げてきた。
どちらがバレンタインを満喫しているか、解らない。
残り半分を惜しみながら食べる如月の表情を楽しみながら、佐藤は渋い緑色のチョコレートを口に放り込んだ。
予想通りの抹茶味。普段は滅多に口にしない味だ。
こういうのが、バレンタインの特別なのだと思った。
PR
COMMENT