忍者ブログ
こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
[259]  [255]  [254]  [253]  [252]  [251]  [250]  [248]  [247]  [246]  [244
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

それでは本日の記念日から。

鉄道電化の日/緑のおばさんの日

難しいの其の二です。どうしろっつーんじゃ、コレは。
毎月19日、というならクレープの日とかあるし、本気でそっちに逃げようかとも思った。
あとボージョレ・ヌーヴォーの解禁日なのですが、これは「11月の第三木曜日」なので、たまたま今年が19日なだけです。だから却下。


東海道が電化した記念日だそうです。つまりその前は蒸気機関だったワケさね。
たまたま別件で、鉄道系の本を読み漁っているところです。桜宮なら東海兄弟の管轄だなぁ。
将軍と行灯先生で、X'masエクスプレスごっこ。BGMは山下達郎。

ホームの人波に逆らうように田口は急ぎ足で歩いた。
時折振り返って、すれ違った人の顔を確かめる。
違う。
いない。
見つからない。

「くそっ」

こんなことなら、新幹線ホームまで上がってくるんじゃなかった。
わざわざ入場料まで払ったのに。
それとも、もう行ってしまった?
見つけられないまま、行き違った?
見過ごした?
暫く会わずにいたから、彼の姿を忘れてしまった?
そんなことないと思いたいのに。

「…………っ」

何時しか響く足音はまばらになる。
その中で、田口の靴だけが高く忙しい音を立てている。
ホームに残された人たちの姿は、誰もが遠くて小さい。
通り過ぎた人たちの中に、もう一度彼の長身を探そうと田口は後ろを向いた。

「田口」

受話器越しではない声は、何て強烈。
田口に一撃を喰らわせてその場に縫い付けてしまう。
慌ただしく動いていた足を止めて、田口はそっと振り向いた。
真っ直ぐに立っている速水と眼が合った。

「…………お前が見えたから、待ってた。来てくれたんだな」
「うん」

速水は小さな笑みを浮かべていた。
闇の落ち始めた、人のいないホーム。
速水の声が柔らかく響いていく。
誘われるように一歩、そしてまた一歩。
田口は足を踏み出した。
最後の数歩は大股の早足になる。
速水が微笑と共に、軽く腕を広げてみせた。
どすっ、とぶつかるようにその腕の中に飛び込んだ。

「…………おかえり、速水」

速水のコートを捕まえる。
顔は上げられなかった、泣きそうなのがバレてしまう。
俯いて、額を速水の肩に押し付けたまま呟く。
田口から見えない位置で、速水が一つ笑った。
速水の腕がそっと田口の背中に回る。

「ただいま」

この三年、その言葉を待っていた。
PR
back
COMMENT
name
title
text
color   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
mail
URL
pass
secret
TRACKBACK
TrackbackURL:
PREV ←  HOME  → NEXT
カレンダー
01 2025/02 03
S M T W T F S
1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28
最新コメント
[04/04 トワ]
[04/03 武那しめじ]
[03/12 名無し]
[01/04 みなみ]
[12/16 武那しめじ]
リンク
倉庫サイトと素敵同盟さま
プロフィール
腐れ管理人、霧島です。
趣味は図書館通いと立ち読み。
レンタルで映画DVD視聴。
モットーは「とりあえず」。
ブログ内検索
バーコード
最新トラックバック
Copyright (C) 2025 M-Rainbow All Rights Reserved.

Photo by (c)Tomo.Yun   TemplateDesign by kaie
忍者ブログ [PR]