それでは本日の記念日から。
鉄道電化の日/緑のおばさんの日
難しいの其の二です。どうしろっつーんじゃ、コレは。
毎月19日、というならクレープの日とかあるし、本気でそっちに逃げようかとも思った。
あとボージョレ・ヌーヴォーの解禁日なのですが、これは「11月の第三木曜日」なので、たまたま今年が19日なだけです。だから却下。
東海道が電化した記念日だそうです。つまりその前は蒸気機関だったワケさね。
たまたま別件で、鉄道系の本を読み漁っているところです。桜宮なら東海兄弟の管轄だなぁ。
将軍と行灯先生で、X'masエクスプレスごっこ。BGMは山下達郎。
鉄道電化の日/緑のおばさんの日
難しいの其の二です。どうしろっつーんじゃ、コレは。
毎月19日、というならクレープの日とかあるし、本気でそっちに逃げようかとも思った。
あとボージョレ・ヌーヴォーの解禁日なのですが、これは「11月の第三木曜日」なので、たまたま今年が19日なだけです。だから却下。
東海道が電化した記念日だそうです。つまりその前は蒸気機関だったワケさね。
たまたま別件で、鉄道系の本を読み漁っているところです。桜宮なら東海兄弟の管轄だなぁ。
将軍と行灯先生で、X'masエクスプレスごっこ。BGMは山下達郎。
ホームの人波に逆らうように田口は急ぎ足で歩いた。
時折振り返って、すれ違った人の顔を確かめる。
違う。
いない。
見つからない。
「くそっ」
こんなことなら、新幹線ホームまで上がってくるんじゃなかった。
わざわざ入場料まで払ったのに。
それとも、もう行ってしまった?
見つけられないまま、行き違った?
見過ごした?
暫く会わずにいたから、彼の姿を忘れてしまった?
そんなことないと思いたいのに。
「…………っ」
何時しか響く足音はまばらになる。
その中で、田口の靴だけが高く忙しい音を立てている。
ホームに残された人たちの姿は、誰もが遠くて小さい。
通り過ぎた人たちの中に、もう一度彼の長身を探そうと田口は後ろを向いた。
「田口」
受話器越しではない声は、何て強烈。
田口に一撃を喰らわせてその場に縫い付けてしまう。
慌ただしく動いていた足を止めて、田口はそっと振り向いた。
真っ直ぐに立っている速水と眼が合った。
「…………お前が見えたから、待ってた。来てくれたんだな」
「うん」
速水は小さな笑みを浮かべていた。
闇の落ち始めた、人のいないホーム。
速水の声が柔らかく響いていく。
誘われるように一歩、そしてまた一歩。
田口は足を踏み出した。
最後の数歩は大股の早足になる。
速水が微笑と共に、軽く腕を広げてみせた。
どすっ、とぶつかるようにその腕の中に飛び込んだ。
「…………おかえり、速水」
速水のコートを捕まえる。
顔は上げられなかった、泣きそうなのがバレてしまう。
俯いて、額を速水の肩に押し付けたまま呟く。
田口から見えない位置で、速水が一つ笑った。
速水の腕がそっと田口の背中に回る。
「ただいま」
この三年、その言葉を待っていた。
時折振り返って、すれ違った人の顔を確かめる。
違う。
いない。
見つからない。
「くそっ」
こんなことなら、新幹線ホームまで上がってくるんじゃなかった。
わざわざ入場料まで払ったのに。
それとも、もう行ってしまった?
見つけられないまま、行き違った?
見過ごした?
暫く会わずにいたから、彼の姿を忘れてしまった?
そんなことないと思いたいのに。
「…………っ」
何時しか響く足音はまばらになる。
その中で、田口の靴だけが高く忙しい音を立てている。
ホームに残された人たちの姿は、誰もが遠くて小さい。
通り過ぎた人たちの中に、もう一度彼の長身を探そうと田口は後ろを向いた。
「田口」
受話器越しではない声は、何て強烈。
田口に一撃を喰らわせてその場に縫い付けてしまう。
慌ただしく動いていた足を止めて、田口はそっと振り向いた。
真っ直ぐに立っている速水と眼が合った。
「…………お前が見えたから、待ってた。来てくれたんだな」
「うん」
速水は小さな笑みを浮かべていた。
闇の落ち始めた、人のいないホーム。
速水の声が柔らかく響いていく。
誘われるように一歩、そしてまた一歩。
田口は足を踏み出した。
最後の数歩は大股の早足になる。
速水が微笑と共に、軽く腕を広げてみせた。
どすっ、とぶつかるようにその腕の中に飛び込んだ。
「…………おかえり、速水」
速水のコートを捕まえる。
顔は上げられなかった、泣きそうなのがバレてしまう。
俯いて、額を速水の肩に押し付けたまま呟く。
田口から見えない位置で、速水が一つ笑った。
速水の腕がそっと田口の背中に回る。
「ただいま」
この三年、その言葉を待っていた。
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