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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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それでは本日の記念日から。今日はちょっと多め。

小雪/和歌山県・ふるさと誕生日/いい夫婦の日/大工さんの日/オール川柳の日/回転寿司記念日/長野県りんごの日/ペットたちに「感謝」する日

以上です。
ありきたりかとも思ったけど、やっぱり「いい夫婦の日」かなぁと。
で、ラヴィアンローズの二人で。

「寝たのか?」
「うん、やっとな」

子供部屋から戻ってきた田口に、速水は声をかけた。
速水の言葉に一つ頷いて、田口は長く一つ息を吐いた。
最近、双子の娘たちは寝る前に絵本を読んで貰うのがお気に入りだ。
一冊だけ、と約束するのだが、その一冊を何度も繰り返しせがむ。
ページは遅々として進まず、読み聞かせ担当の田口は喉がひりつくほどだった。

「何か飲むか?」
「ん、ちょーだい」
「待ってろ、特別を作ってやる」
「…………特別?」

読み聞かせで草臥れた田口に速水は問いかけた。
田口が頷くと、速水は何だか楽しそうに笑って立ち上がった。
田口は首を傾げるが、リビングのソファからは速水の背中しか見えず、台所に立つ速水が何をしているのかは窺い知れない。
そうして待っているうちに、速水はリビングへ戻ってきた。
田口の前に、ことんと音を立ててマグカップを置く。
うっすらと湯気が上っていた。

「何だ、これ?」
「飲んでみろよ」
「ん…………」

マグカップ越しの温もりを指先に感じながら、田口は一口啜った。
酸味と、自然で優しい甘みがあった。
温もりが腹に落ちて、じんわりと体温を上げる。

「はちみつレモン…………?」
「手抜きだけどな」

酎ハイ用に置いてあるレモン果汁と、朝食のトーストにかける蜂蜜を、お湯と水とで程よく割って出来上がり。
喉にも優しいその飲み物に、田口は目を細めた。
田口が視線を投げると、速水は柔らかな表情で笑った。
自然と田口の口元にも笑みが浮かぶ。
互いの瞳にあるのは愛おしさだ。
二人、労わり合うことが当たり前に出来る。
それはとても幸せなことなのだろう。

「ありがと。美味いよ」
「どういたしまして」

田口が言うと、速水は胸に手を当てて気取った一礼をする。
田口はもう一度笑って、ゆっくりと速水お手製のホットはちみつレモンを飲んだのだった。



「…………で、何でいきなり、はちみつレモン?」
「いいだろ。作ってやりたいんだよ、俺が」

朝から不定愁訴外来に顔を出したかと思えば、速水は蜂蜜とレモン果汁のボトル持参だった。
眉間に皺を寄せる田口を無視して、勝手に田口と速水自身のマグカップを用意している。

「なあ、お湯は?」
「…………そっちのポット」

説明する気は全くなさそうな速水の問いに、田口は溜息を吐きながらも結局は答えてしまうのだった。
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