それでは、本日の記念日から。
早慶戦の日/八一忌
八一忌は会津八一の命日ってことなんですが、不勉強にしてちぃっとも知らないので。
カテゴリに迷いましたが、話の下らなさが一発芸レベルと判断してこっちに分類しました。
登場人物は将軍と行灯先生です。
……迦陵頻伽を知らないくらいだから、行灯先生が旬のスポーツ選手を知っているとも思えないのですが、そこはそれで。
早慶戦の日/八一忌
八一忌は会津八一の命日ってことなんですが、不勉強にしてちぃっとも知らないので。
カテゴリに迷いましたが、話の下らなさが一発芸レベルと判断してこっちに分類しました。
登場人物は将軍と行灯先生です。
……迦陵頻伽を知らないくらいだから、行灯先生が旬のスポーツ選手を知っているとも思えないのですが、そこはそれで。
休日の昼間に見る番組など限られる。
バラエティにも、再放送の二時間サスペンスにも食指が動かないとなると、あとはスポーツ中継だ。
そして本日のネタは、六大学野球早慶戦だった。
「っつってもなぁ」
ぼんやりと熱意のない視線で速水はテレビを眺めていた。
何せ、慶應にも早稲田にもご縁というものがない。
そうなると、どちらに肩入れするわけでもなくなり、漠然と「眺める」だけになる。
ちょうど画面は、内野フライでスリーアウトチェンジ、ベンチに戻ってきた選手を映しているところだった。彼らが慶應の選手か早稲田の選手かさえ、速水には曖昧でどうでもいい話だ。
田口の熱意もそんなモンだろうと思っていた。
ところが、だ。
コタツから身を乗り出さんばかりの熱心さで、田口は画面を注視している。
「あれ? お前どっち応援してんの?」
「早稲田」
「は? 何で?」
意外な即答に、速水は目を瞬かせた。
田口にだって慶應にも早稲田にもご縁はない筈だ。
田口の親戚縁者に早稲田に行った人間がいるとも聞いたことがない。
速水の当然の疑問に、田口は真顔でテレビ画面を指差した。
早稲田のピッチャーが投球練習を終え、マウンドをスパイクで均している。
「ハンカチ王子がいるから」
数年前、甲子園のマウンドに立って球場を湧かせた渾名だった。
速水もうっすらと覚えている。
そういえば早稲田に進学したのだったか。
速水と田口が見詰める先、先頭打者に対し、ボールカウント2-2からファーストゴロだった。アウトカウントが一つ。
「よしっ」
田口は小さく声にして拳を握る。
その熱意に速水は呆然とし、意外にミーハーらしい田口に半ば呆れたのだった。
バラエティにも、再放送の二時間サスペンスにも食指が動かないとなると、あとはスポーツ中継だ。
そして本日のネタは、六大学野球早慶戦だった。
「っつってもなぁ」
ぼんやりと熱意のない視線で速水はテレビを眺めていた。
何せ、慶應にも早稲田にもご縁というものがない。
そうなると、どちらに肩入れするわけでもなくなり、漠然と「眺める」だけになる。
ちょうど画面は、内野フライでスリーアウトチェンジ、ベンチに戻ってきた選手を映しているところだった。彼らが慶應の選手か早稲田の選手かさえ、速水には曖昧でどうでもいい話だ。
田口の熱意もそんなモンだろうと思っていた。
ところが、だ。
コタツから身を乗り出さんばかりの熱心さで、田口は画面を注視している。
「あれ? お前どっち応援してんの?」
「早稲田」
「は? 何で?」
意外な即答に、速水は目を瞬かせた。
田口にだって慶應にも早稲田にもご縁はない筈だ。
田口の親戚縁者に早稲田に行った人間がいるとも聞いたことがない。
速水の当然の疑問に、田口は真顔でテレビ画面を指差した。
早稲田のピッチャーが投球練習を終え、マウンドをスパイクで均している。
「ハンカチ王子がいるから」
数年前、甲子園のマウンドに立って球場を湧かせた渾名だった。
速水もうっすらと覚えている。
そういえば早稲田に進学したのだったか。
速水と田口が見詰める先、先頭打者に対し、ボールカウント2-2からファーストゴロだった。アウトカウントが一つ。
「よしっ」
田口は小さく声にして拳を握る。
その熱意に速水は呆然とし、意外にミーハーらしい田口に半ば呆れたのだった。
PR
COMMENT