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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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地元で一人花見をしましたです。
ウチの地元は盛りを過ぎて散り際です。今日はちょっと風もあったので、花吹雪をぼっーっと眺めてました。

……で、ネタにします。まあそれだけの話。



ざっと梢が音を立てた。煽られた花が風に舞う。
己に向かってくる花びらに手を伸ばし、幾つもの花びらの行方を眼で追った。
肩先を掠めた花びらを指で追ったけれど、腕を動かした時にはもう花びらは後ろに流れていた。
風が少し収まって、視界を舞う花びらも消える。終焉まで田口は見守っていた。
その瞬間、速水は田口にキスをした。

「な……突然、何だよ?」
「突然じゃないぞ。さっきからしたかった」

田口は瞬間たじろぎ、眉を潜めて尋ねた。
至近距離で速水は囁き返す。
もう一度軽くキスをしてから、速水は食べかけのキャンディを再び口に放り込んだ。唇から棒が飛び出した状態で器用に喋る。

「お前が花吹雪に見蕩れているから、邪魔しないで待ってたんじゃないか」

速水の言い分に田口はため息を吐いた。お気遣い有難う、というべきなのか迷う。
話している最中にも風は吹いた。田口の視線は自然に速水から逸れ、宙に舞う花びらを追う。
少し風が冷たい。だがそれが心地よい。捕まえるつもりはないけれど手を広げて花を待つ。

「ああ…………」

夢心地で呟く田口を、速水は苦笑とともに見守った。
次のキスも、桜吹雪が止むまで待たなくてはならないようだ。
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 こんばんわ。家の近所の桜も、ここ2~3日の暖かさで一気に満開になりました。
 昔から桜が咲くと落ち着かなくなる私ですが満開の時よりも花びらが散る様が好きです。桜吹雪の中、佇む2人。お話の光景が目に浮かびます。
 う~ん(^^)桜吹雪が止むのを待つ速水先生がロマンティックゥ。萌えごちそうさまです。いい夢見ます!
maru 2009/04/11(Sat)23:45:13 編集
Re:桜
いらっしゃいませ。コメント有難う御座います。
桜咲くと気が漫ろになりますよねぇ。遠景近景、盛りも散り際も団子も満喫してます。

>速水先生がロマンティックゥ。
いつになく物わかりがいいなぁというのが底意地の悪い管理人の解釈だったりします。裏タイトルは「構ってもらえない将軍の話」でもいいかもしれない。
実は可哀相な話なのかも、コレ。
S.Kirishima 2009/04/12 10:41
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