突然ですが、明日4月14日はオレンジデーです。
これが何の日かと言いますと、「バレンタインデーとホワイトデーを経た恋人たちがオレンジorオレンジ色のものを贈り合って愛を再確認する日」だそうで。つまりダメ押しする日だよな。
これを知った時、将軍と行灯先生のテーマカラーをオレンジ色にしている素敵サイト様にピッタリ!だと思って早速通報しました。
で、唆したからには自分もやるべきだろう、と。
そういう事情ですので、この話は心の中でモトコ様に捧げます。大っぴらに献上しにいく度胸は無い……。
キャストは行灯先生と地雷原で。
世の中、恋人たちのための記念日は(必要以上に)多いです。
尤も既存の記念日にテキトーにこじつけてるのもあるのですが、調べてみると面白かったりします。ネタに詰まった時にいいかもしれない。
12/21なんか是非やりたいトコだけど、それまでこのページが続くかな。
これが何の日かと言いますと、「バレンタインデーとホワイトデーを経た恋人たちがオレンジorオレンジ色のものを贈り合って愛を再確認する日」だそうで。つまりダメ押しする日だよな。
これを知った時、将軍と行灯先生のテーマカラーをオレンジ色にしている素敵サイト様にピッタリ!だと思って早速通報しました。
で、唆したからには自分もやるべきだろう、と。
そういう事情ですので、この話は心の中でモトコ様に捧げます。大っぴらに献上しにいく度胸は無い……。
キャストは行灯先生と地雷原で。
世の中、恋人たちのための記念日は(必要以上に)多いです。
尤も既存の記念日にテキトーにこじつけてるのもあるのですが、調べてみると面白かったりします。ネタに詰まった時にいいかもしれない。
12/21なんか是非やりたいトコだけど、それまでこのページが続くかな。
「あら、珍しいお色だこと」
挨拶をして、藤原看護師の次のセリフがそれだった。
田口は苦笑を浮かべてしまった。
「兵藤先生にも言われました。そんなに珍しいですか、コレ?」
田口が指差したのは、白衣の襟から覗くネクタイだった。
藤原看護師ははっきりと頷いてみせた。
「ええ。田口先生、いつもグレーかブルーじゃないですか。オレンジ色も持ってらしたんですね」
田口が今日しているネクタイはシックなオレンジ色だった。派手すぎないがぱっと眼を引く明るさがある。今まで明るい色使いをしたことのない田口なので見慣れないが、意外と似合っていると藤原看護師は思う。
藤原看護師の評価など知るはずもなく、田口は苦笑と共に言った。
「貰い物なんです」
「あら、どなたからかしら?」
藤原看護師の目が鋭く光る。だが、田口はそれに気付かなかった。
「速水から。最近背広も着ないからくれてやるって言って、押しつけられました……そういえば、これを寄越した時、今日は絶対これにしてこいって言ってたけど、今日って何かあるんですか?」
「あらぁ」
田口の言葉に藤原看護師は唇を歪めた。チェシャ猫の笑いだ。
藤原看護師の口調に気付き、田口の表情に怯えが走る。何か、マズイことを言ったか。
「今日はですね、オレンジデーって言うんです。恋人同士がオレンジかオレンジ色のものを贈り合う日なんですよ」
「…………って、まさか…………」
田口の顔から血の気が引いていく。
藤原看護師はそこに止めを刺した。
「今日みたいな日にオレンジ色のものを身につけてたら、恋人から贈られましたって公言しているようなものですね」
「うわぁ…………あ、でもみんなが知ってるワケじゃないし!」
現に田口は知らなかった。そこに一抹の希望を見出す。
だが藤原看護師はショックの田口に追い討ちをかけてくる。
「局地的にはよく知られてますよ。兵藤先生とか。兵藤先生にも、速水先生からの戴き物だって仰ったんですか?」
「…………言いました」
「あらまあ」
廊下トンビ、歩く拡声器。兵藤に喋ってしまった時点で、何処まで話が広がるか知れたものではなかった。
藤原看護師の口調も気の毒そうだったが、その実、表情は楽しそうである。
「外す」
「速水先生が不貞腐れますよ」
「うっ…………どうしたらいいんでしょう?」
田口はネクタイに指を掛けたが、藤原看護師の一言に言葉を詰まらせて動作を止めた。
不貞腐れた速水の機嫌を取るのはどうしたって田口で、それがまた厄介だというのは、田口は身を以て知っていた。
途方に暮れた顔で藤原看護師を見る。
流石にいささか田口が気の毒になりながら、藤原看護師は口を開いた。
「売店で、オレンジ味のチュッパチャプスでも買ってらしたら如何ですか?」
「え?」
意外な方向転換に田口はきょとんとした顔になった。
藤原看護師は穏やかに笑って言った。
「お二人はそういう関係なのでしょう? 今更、兵藤先生の口は塞げませんよ。だったら、今日のイベントを楽しんでもいいんじゃありませんか?」
「そう、ですか?」
「速水先生も喜びますよ、きっと」
「そう…………ですね。貰いっぱなしもよくないですし」
「ええ」
田口の表情にようやく笑みが浮かぶ。
速水は今日の日付の意味に気付いているし、田口が気付いていないことにも気付いている。その上で仕掛けた悪戯なのだろう。
田口がオレンジ色を返したら、多少驚くだろうか。そして喜ぶだろう、多分。
藤原看護師の笑みに背中を押され、田口は不定愁訴外来のドアに手をかけた。そこでふと振り返る。
「残念、藤原さん。チュッパチャプスのオレンジ味って今出回ってないんですよ」
「まあ、そうなの?」
「そうなんです」
ささやかだが、一本取った気分になる。
田口のそんな気持ちを解っているのだろう、藤原看護師もからかうような表情で笑った。
非常階段を上りながら、売店の商品を脳裏に思い浮かべる。
みかんゼリーにでもしようかと田口は思った。
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COMMENT
美味しく頂きましたv
こんにちは、モトコです。
オレンジデーな行灯センセ、嬉しいですよ~v
知らずにしっかりネクタイ締めて来ちゃうあたり、
可愛いとしか言いようがvしかも、拡声器が院内中に宣伝して回ったので、虫よけ対策にもなる辺り、
将軍にとっては美味しい事だらけですね~。
きっと、ネクタイ締めて微妙な顔してる行灯センセを、ご満悦な表情で眺めてるんだろうなぁ。
凄く美味しく頂いちゃいましたvありがとうです!
連載の続きも楽しみにお待ちしてますv
オレンジデーな行灯センセ、嬉しいですよ~v
知らずにしっかりネクタイ締めて来ちゃうあたり、
可愛いとしか言いようがvしかも、拡声器が院内中に宣伝して回ったので、虫よけ対策にもなる辺り、
将軍にとっては美味しい事だらけですね~。
きっと、ネクタイ締めて微妙な顔してる行灯センセを、ご満悦な表情で眺めてるんだろうなぁ。
凄く美味しく頂いちゃいましたvありがとうです!
連載の続きも楽しみにお待ちしてますv
Re:美味しく頂きましたv
モトコ様、いらっしゃいませ。ハッピー・オレンジデー!(←なんてセリフ、世の中無いかな)
>虫よけ対策
そりゃ、将軍は狙っていたでしょう。贈り主をバラしちゃったのは行灯先生の不覚ですが、バラさなくたって十分意味深ですもの。
「機嫌を損ねるとメンドーだから」って言いながら、言われた通りネクタイ締めて外さないでいる行灯先生は、結局将軍に甘いんだろうな。
一月も前の妄言にお付き合い下さいまして、有難う御座いましたデス。
>虫よけ対策
そりゃ、将軍は狙っていたでしょう。贈り主をバラしちゃったのは行灯先生の不覚ですが、バラさなくたって十分意味深ですもの。
「機嫌を損ねるとメンドーだから」って言いながら、言われた通りネクタイ締めて外さないでいる行灯先生は、結局将軍に甘いんだろうな。
一月も前の妄言にお付き合い下さいまして、有難う御座いましたデス。