パラレル警報発令中
かな入力が出来なくて一瞬焦ったぞ。
現時点で予想12回ってトコなんだけど、ホントにあと5回で終わるのかは疑問です。最低で12回の予想。
今日の大ウソは、前回の陰謀に関しての話。
⑥伊豆は藍の産地じゃない。
阿波と尾張が藍の産地だったのはホント。あと武蔵。
藍の専売制を敷いていた藩があったのもホント。やっぱり阿波と尾張、あと安芸辺り。
大体、伊豆辺りは幕府直轄領だったので、殖産興業にはそんっなに熱心じゃなかったかもしれない。金山が伊豆半島の先っぽにあったみたいだけど。
相変わらず大ウソ吐いている、と暴露しながら話が進んでおりますな。
かな入力が出来なくて一瞬焦ったぞ。
現時点で予想12回ってトコなんだけど、ホントにあと5回で終わるのかは疑問です。最低で12回の予想。
今日の大ウソは、前回の陰謀に関しての話。
⑥伊豆は藍の産地じゃない。
阿波と尾張が藍の産地だったのはホント。あと武蔵。
藍の専売制を敷いていた藩があったのもホント。やっぱり阿波と尾張、あと安芸辺り。
大体、伊豆辺りは幕府直轄領だったので、殖産興業にはそんっなに熱心じゃなかったかもしれない。金山が伊豆半島の先っぽにあったみたいだけど。
相変わらず大ウソ吐いている、と暴露しながら話が進んでおりますな。
再び速水様ときみ様に話を戻すことに致しましょう。
とはいえ、その場でお話になったことは大して多くも御座いませんでした。
速水様は五年間の消息をお尋ねになり、きみ様は理路整然とお答えするのみで御座いました。
「兄の死に得心がいかず、真相を探ろうと親族宅を飛び出したものの、所詮は女の浅慮。行き詰りましたところをお助け下さったお方と夫婦になりまして、一太郎を授かりました。その方も亡くなり、お家は継嗣幼少を理由にお取り潰しに……思うところあって城下に戻る途中、以前にお世話になりました藤原尼様にご挨拶に伺いましたが、体調を崩しましてご厄介になっているところで御座います」
「そう、か」
きみの言葉に淀みは無く、また速水が口を挟む隙間もなかった。
嘘か真かを問い質そうにも綻びが見当たらない。
速水は曖昧に頷きながら、きみの言葉を脳内で反芻した。
そして口を開く。
「城下へ戻るつもりだった、と?」
「ええ」
「なれば、当家へ参られよ」
速水の申し出に、きみは初めて顔を上げた。
表情にちょっとだけ焦りが浮かんでいる。
それを見た速水は、やっと生きたきみに対面した気がした。
「ですが」
「構わぬ。飛び出した親族宅にも、顔を出し難かろう」
きみが断りを口にする前に速水は強引に決めてしまう。
速水の言うことが図星だったのか、きみは黙り込んでしまった。
そのまま暫く速水が待っていると、きみは一つ息を吐いて畳に手を突いた。
「それでは、お言葉に甘えまして、お世話になりまする」
「うむ」
そうして、速水にとっては大した収穫もなく二人の対面は終わる。
立ち会い人さながらにその場に鎮座していた藤原尼が、二人の会話が終わったのを見取って速水に昼餉の用意を告げた。
愁訴庵は、数代前の藩主の大伯母だかが庵主を務めたという、由緒正しいものであった。
内装も凝っているが、外の景色も青竹が涼やかで見応えがある。お鷹場や農村が近くにある筈なのだが、遮られて静かな空間を作っていた。
昼餉を終えて、青竹の間を渡る風に速水が目を細めていると、子供の気合い声が聞こえてきた。
誘われるままに板張りの濡縁を辿っていくと、土を固めた軒先で、一太郎が木刀を振っていた。
そのすぐ傍の濡縁にきみが座り、微笑を浮かべて一太郎を見守っている。
きみは速水が来たのを察して少しだけ視線を上げたが、すぐに視線を一太郎へと戻した。
「えいっ! えいっ!」
速さではなく、一つ一つを正確に振ろうとしているようだ。すらりとした美しい姿勢で振れている。このまま伸びればさぞや、と思われた。
だが、如何せん身体の小さな一太郎には、木刀は手に余るように見受けられた。身の丈に合わせて短く誂えてあるようだが、重さも必要とされる木刀はどうしても太いものになる。
子供は七つの歳辺りから稽古事を始めるのが慣わしであった。
速水自身も、剣術を学び始めたのは七つを数えてからだ。
どう見ても四つか五つの一太郎に、剣術は尚早かと思われてならなかった。
「一太郎には、剣術はまだ早いのではないか?」
きみの隣に座り、裸足の足を沓掛石にぺたりと下ろして速水はそっと尋ねた。
きみはちょっとだけ苦笑を浮かべて言った。
「私も、何も焦らずとも良いと言ったのですが、一向に聞きません」
「何でまた?」
「…………一日も早く、立派な武士になるのだと」
母の声が聞こえたのだろう、一太郎は素振りを止めて速水の方を振り向いた。子供が息を上げている様子は、正直少々気の毒な気がした。
速水の方から会話を投げた。
「立派な武士になりたいそうだな?」
「はいっ! 一日も早く立派な武士になって、亡きお父上の分まで、母上をお守りするのです!」
「…………そうか」
子供の決意に満ちた言葉に、母親は緩く満ち足りた笑みを浮かべる。
そこにあるのは母子の絆であって、速水に割り込む余地はなかった。
それが面白くなくて、速水は言葉を更に紡いだ。
「剣術は誰に教わった?」
「桐生先生ですっ!」
一太郎がそう自信たっぷりに言うが、さて、桐生とやらがどんな人物なのか一向に見えてこない。
速水がきみを見ると、きみは心得たように説明を始めた。
「湯治の為に桜宮においでになったお方です。以前は南十字藩で剣術指南役をお勤めでいらっしゃったとか」
「南十字藩の桐生……聞き覚えがあったな。何処か悪いのか?」
「目をお悪くされたそうで……家督を弟君にお譲りになり、湯治と称して気儘な旅をされているそうですよ」
きみはそこまで和やかに説明した。
だが、速水は心中穏やかでいられなかった。
余りに懐かしそうにきみが語るから、何かあったのかと勘繰りたくなってしまう。
そこへ、一太郎がちょこちょこと速水へ歩み寄った。
木刀を脇へ置き、内緒話をする風情で両手で口を囲む。
「速水様、桐生先生は母上がお好きだったのです」
本人は内緒話のつもりだが、きみの方にもしっかり聞こえたようだ。
速水が横目で窺うと、きみは口も目も丸くしている。
せいぜい内緒話を気取って、速水は声を低くして一太郎に尋ねた。
「それでお母上はどうしたんだ?」
「母上は、私のお父上をずっとお慕いしているからと仰っておりましたっ」
一太郎が何処となく自慢気なのは、「私の」お父上というところだろうと、子供に不慣れな速水でも漠然と感じられた。
やっぱり速水には面白くない話だったが、呆れた顔で溜息を吐いたきみが、
「まったく、子の口に戸は立てられぬ…………」
と愚痴を零す様子だけは、見ていて楽しいと思った。
とはいえ、その場でお話になったことは大して多くも御座いませんでした。
速水様は五年間の消息をお尋ねになり、きみ様は理路整然とお答えするのみで御座いました。
「兄の死に得心がいかず、真相を探ろうと親族宅を飛び出したものの、所詮は女の浅慮。行き詰りましたところをお助け下さったお方と夫婦になりまして、一太郎を授かりました。その方も亡くなり、お家は継嗣幼少を理由にお取り潰しに……思うところあって城下に戻る途中、以前にお世話になりました藤原尼様にご挨拶に伺いましたが、体調を崩しましてご厄介になっているところで御座います」
「そう、か」
きみの言葉に淀みは無く、また速水が口を挟む隙間もなかった。
嘘か真かを問い質そうにも綻びが見当たらない。
速水は曖昧に頷きながら、きみの言葉を脳内で反芻した。
そして口を開く。
「城下へ戻るつもりだった、と?」
「ええ」
「なれば、当家へ参られよ」
速水の申し出に、きみは初めて顔を上げた。
表情にちょっとだけ焦りが浮かんでいる。
それを見た速水は、やっと生きたきみに対面した気がした。
「ですが」
「構わぬ。飛び出した親族宅にも、顔を出し難かろう」
きみが断りを口にする前に速水は強引に決めてしまう。
速水の言うことが図星だったのか、きみは黙り込んでしまった。
そのまま暫く速水が待っていると、きみは一つ息を吐いて畳に手を突いた。
「それでは、お言葉に甘えまして、お世話になりまする」
「うむ」
そうして、速水にとっては大した収穫もなく二人の対面は終わる。
立ち会い人さながらにその場に鎮座していた藤原尼が、二人の会話が終わったのを見取って速水に昼餉の用意を告げた。
愁訴庵は、数代前の藩主の大伯母だかが庵主を務めたという、由緒正しいものであった。
内装も凝っているが、外の景色も青竹が涼やかで見応えがある。お鷹場や農村が近くにある筈なのだが、遮られて静かな空間を作っていた。
昼餉を終えて、青竹の間を渡る風に速水が目を細めていると、子供の気合い声が聞こえてきた。
誘われるままに板張りの濡縁を辿っていくと、土を固めた軒先で、一太郎が木刀を振っていた。
そのすぐ傍の濡縁にきみが座り、微笑を浮かべて一太郎を見守っている。
きみは速水が来たのを察して少しだけ視線を上げたが、すぐに視線を一太郎へと戻した。
「えいっ! えいっ!」
速さではなく、一つ一つを正確に振ろうとしているようだ。すらりとした美しい姿勢で振れている。このまま伸びればさぞや、と思われた。
だが、如何せん身体の小さな一太郎には、木刀は手に余るように見受けられた。身の丈に合わせて短く誂えてあるようだが、重さも必要とされる木刀はどうしても太いものになる。
子供は七つの歳辺りから稽古事を始めるのが慣わしであった。
速水自身も、剣術を学び始めたのは七つを数えてからだ。
どう見ても四つか五つの一太郎に、剣術は尚早かと思われてならなかった。
「一太郎には、剣術はまだ早いのではないか?」
きみの隣に座り、裸足の足を沓掛石にぺたりと下ろして速水はそっと尋ねた。
きみはちょっとだけ苦笑を浮かべて言った。
「私も、何も焦らずとも良いと言ったのですが、一向に聞きません」
「何でまた?」
「…………一日も早く、立派な武士になるのだと」
母の声が聞こえたのだろう、一太郎は素振りを止めて速水の方を振り向いた。子供が息を上げている様子は、正直少々気の毒な気がした。
速水の方から会話を投げた。
「立派な武士になりたいそうだな?」
「はいっ! 一日も早く立派な武士になって、亡きお父上の分まで、母上をお守りするのです!」
「…………そうか」
子供の決意に満ちた言葉に、母親は緩く満ち足りた笑みを浮かべる。
そこにあるのは母子の絆であって、速水に割り込む余地はなかった。
それが面白くなくて、速水は言葉を更に紡いだ。
「剣術は誰に教わった?」
「桐生先生ですっ!」
一太郎がそう自信たっぷりに言うが、さて、桐生とやらがどんな人物なのか一向に見えてこない。
速水がきみを見ると、きみは心得たように説明を始めた。
「湯治の為に桜宮においでになったお方です。以前は南十字藩で剣術指南役をお勤めでいらっしゃったとか」
「南十字藩の桐生……聞き覚えがあったな。何処か悪いのか?」
「目をお悪くされたそうで……家督を弟君にお譲りになり、湯治と称して気儘な旅をされているそうですよ」
きみはそこまで和やかに説明した。
だが、速水は心中穏やかでいられなかった。
余りに懐かしそうにきみが語るから、何かあったのかと勘繰りたくなってしまう。
そこへ、一太郎がちょこちょこと速水へ歩み寄った。
木刀を脇へ置き、内緒話をする風情で両手で口を囲む。
「速水様、桐生先生は母上がお好きだったのです」
本人は内緒話のつもりだが、きみの方にもしっかり聞こえたようだ。
速水が横目で窺うと、きみは口も目も丸くしている。
せいぜい内緒話を気取って、速水は声を低くして一太郎に尋ねた。
「それでお母上はどうしたんだ?」
「母上は、私のお父上をずっとお慕いしているからと仰っておりましたっ」
一太郎が何処となく自慢気なのは、「私の」お父上というところだろうと、子供に不慣れな速水でも漠然と感じられた。
やっぱり速水には面白くない話だったが、呆れた顔で溜息を吐いたきみが、
「まったく、子の口に戸は立てられぬ…………」
と愚痴を零す様子だけは、見ていて楽しいと思った。
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COMMENT
気にしないって
お言葉にあまえて、リクエストに参上しました。
えっと、『伝説の後、約束のディナー仕切りなおし』の二人のお話をお願いします。
もしかしたら、既出だったりしますか?
なんか、ありそうだと思ったりしてるんですけど。
もし、ない様ならばということで。
南十字藩、超ウケました!
続きを楽しみにしています。
えっと、『伝説の後、約束のディナー仕切りなおし』の二人のお話をお願いします。
もしかしたら、既出だったりしますか?
なんか、ありそうだと思ったりしてるんですけど。
もし、ない様ならばということで。
南十字藩、超ウケました!
続きを楽しみにしています。
Re:気にしないって
いらっしゃいませ。リクエスト有難う御座います。
ディナーの話は書いてませんね。
自分でも時々過去の記事を見返さないと、何を書いたか忘れます。ブログを戻るのが自分で面倒なので、サイトを作ったという裏事情だったりする……。
一太郎さんのお食事シーンが出せません! 登場の余地が今のところ無い……。
思いついたのは、速水様に嫌いなものがあって、子供が母親の受け売りで「お百姓さんが汗水流して作っている物なのです」と偉そうに説教かますシーンでした。逆じゃん。
ディナーの話は書いてませんね。
自分でも時々過去の記事を見返さないと、何を書いたか忘れます。ブログを戻るのが自分で面倒なので、サイトを作ったという裏事情だったりする……。
一太郎さんのお食事シーンが出せません! 登場の余地が今のところ無い……。
思いついたのは、速水様に嫌いなものがあって、子供が母親の受け売りで「お百姓さんが汗水流して作っている物なのです」と偉そうに説教かますシーンでした。逆じゃん。