パラレル警報発令中
ついでに肩透かし注意報も発令しようかな……。
何か、本日の大ウソの他に書きたいことがあったような気がするんだけど、ちっとも思い出せません。何だろ?
霧島は諦めはかなりよい(でなきゃ根気がない)ので、思い出せない時はさっさと諦めることにしております。
さて、本日の大ウソ。
④役職名は大ウソ。
ビジュアル系の江戸時代の資料参考にしたんだけど、そういう場合、幕府職制は図表になっているけど、藩の職制のは見当たらなくて。大体幕府と同じようなモンだろ、という安直な方針です。
ついでに言うと、役職名と家格と年齢の相互関係がよく解らない。
偉い家のお坊ちゃんが、出仕を始めて数年目でどの程度の職に就くのか、ということがどうにもねえ。
一応、去年の大きい河ドラマで登場した小松尚五郎は、17か18での出仕初年は「近侍」でしたので、将軍もそのくらいでスタートしております。
将軍の「近侍御用掛」は捏造だな。男行灯の「奥祐筆」はアリ。
魔人の場合、そういう役職はあるだろうが年齢と家格に釣り合っているのかどうかが解らない。
こうまで長い前振りをして、今日は魔人のお仕事風景です。
ついでに肩透かし注意報も発令しようかな……。
何か、本日の大ウソの他に書きたいことがあったような気がするんだけど、ちっとも思い出せません。何だろ?
霧島は諦めはかなりよい(でなきゃ根気がない)ので、思い出せない時はさっさと諦めることにしております。
さて、本日の大ウソ。
④役職名は大ウソ。
ビジュアル系の江戸時代の資料参考にしたんだけど、そういう場合、幕府職制は図表になっているけど、藩の職制のは見当たらなくて。大体幕府と同じようなモンだろ、という安直な方針です。
ついでに言うと、役職名と家格と年齢の相互関係がよく解らない。
偉い家のお坊ちゃんが、出仕を始めて数年目でどの程度の職に就くのか、ということがどうにもねえ。
一応、去年の大きい河ドラマで登場した小松尚五郎は、17か18での出仕初年は「近侍」でしたので、将軍もそのくらいでスタートしております。
将軍の「近侍御用掛」は捏造だな。男行灯の「奥祐筆」はアリ。
魔人の場合、そういう役職はあるだろうが年齢と家格に釣り合っているのかどうかが解らない。
こうまで長い前振りをして、今日は魔人のお仕事風景です。
速水様ときみ様のご対面も気にかかるところでは御座いますが、少し時と場所を移しましょう。
速水様のご友人に、島津様と仰られる方が御座います。
速水様とは藩学で一つ机に並んで座られた時からの御縁で御座いまして、今は町奉行所の書記方をお勤めで御座いました。
その島津様の下に、奇妙な書状が舞い込んでおりました。
「藍の質が悪い、と?」
「然様」
問い返した島津に、町奉行・新垣は一つ頷いて島津に書状を渡した。
押し頂くように受け取ってから島津は書状を開く。
町人の拙い文字で、役所宛ての堅苦しい文章が綴られていた。
訴状は藍染の職人たちからのもので、藍の値が高いことへの不満だった。
「藍の値が高い、というのは仕方のないことかもしれませんが……」
書状を読みながら島津は呟いた。新垣はまた一つ頷く。
藍は桜宮藩では藩の専売下にある商品作物だった。
藩が売値を管理し、代わりに生産奨励の為の資金を出す。藩で決めた価格で問屋に卸されるから、値段が高くなるのは仕方のないことではあるのだ。
「だが、質が悪いというのは有り得ないだろう」
島津の疑問を後押しするように新垣は言った。今度は島津が頷く番だ。
書状をよくよく読むと、ただ高いと訴えているだけではなく、「この質であの値は高い」という主旨なのである。
藩の専売である以上、藩で品質の管理をしている。藩の名を背負うものであるからだ。藍の一大産地である阿州や尾州にはやや劣るかもしれないが、訴えられるほど悪い筈がない。
この点が新垣には引っ掛かったようである。
そして今、島津もこの点が気にかかった。
「少し調べてみてくれないか」
「承知仕りました」
新垣の言葉に島津は平伏して答えた。
早速島津は調べを始めた。
まずは訴状を書いた藍染の職人たちから話を聞き、次に彼らに藍を下ろす問屋に行く。
ところが、そこで早速行き詰った。
藍問屋の沼田屋が、今まで出会ったことがないほどの解らず屋だったのだ。
「だからっ! 帳面を見せろと言っているんだ!」
「いえいえ。帳面は我々の魂で御座います。そう、お侍様の刀と同じと言えますでしょうか。おいそれとお見せする訳には参りませぬ次第でして、誠に相済ませんが、本日はお引き取り頂くということで……」
というような次第だ。
流石に、強引に上がり込んで帳場を引っ繰り返すような、押し込み強盗の真似をするわけにもいかず、島津は引き下がるしかなかった。
「畜生め」
「島津様」
口汚く罵る島津の前に、奉行所の小者が駆け寄ってきて、城からの呼び出しを告げた。
「殿のお召し?」
「すぐに参上するように、との至急のお召しです」
小者の言葉に島津は首を傾げた。
藩主・高階上総介は有用な人材を抜擢するのが巧みであるとの評だ。島津も速水も、目を掛けて頂いている若手のうちに含まれる。
それでも、島津や速水の身分と年では、藩主のお召しなど滅多にないことだった。一昨日の田口きみの件も異例だったのだ。
怪訝には思ったが、小者は島津の疑問など気に掛ける様子もなく、ただ早急に参上しろと島津を急かすばかりだった。
「藍の値について調べているそうですね」
「はっ」
藩主・高階上総介は早速に本題に入った。新垣が報告したのだろう。
調べが行き詰っている現状では、余り触れられたくない話題だ。
島津は藪を突かぬよう、一言で答えたのみだった。
だが、その次の高階の言葉は、島津の意表を突いた。
「沼田屋で行き詰っているのではありませんか?」
藍問屋の名前は新垣に報告してあった。
しかし、そこで行き詰ったことはまだ報告していない。
息を呑んだ島津の表情に、高階は瞬間笑顔を浮かべた。悪戯が成功して喜ぶ子供のような反応である。
だがそれはほんの一瞬で、次には表情を曇らせて長い溜息を吐いた。
「五年前と同じですね…………」
五年前。
この言葉は、島津の中では禁句になりつつあった。
兄を亡くして嘆くきみと、速水の間に何があったのか、島津は知らない。
あの事件の直後に参勤交代で高階は江戸へ上り、島津と速水も随行した。一年後に戻ってみれば、きみは行方を晦ましていたのだ。
速水の慌てようは並大抵ではなかった。きみの縁者を片端から当たったが、きみは見事なまでに足跡を断っていた。
その時の速水の様子を知っているので、あの時の話題は迂闊に出来るものではなかった。
一昨日に高階からきみの名を聞くまでは。
「まさか、田口先生は…………?」
「ええ」
島津の疑問に答えて高階は一つ頷く。
それから静かに言葉を繋いだ。
「やはり藍の値動きを調べていて、沼田屋で行き詰りました。それから暫くもしないうちに、鉄砲の所持で縄を打たれたのです」
「背後に、何者かがいると?」
それも、田口を罠にかけることが出来るほどの大物だ。
島津の背中に冷たいものが流れた。
速水様のご友人に、島津様と仰られる方が御座います。
速水様とは藩学で一つ机に並んで座られた時からの御縁で御座いまして、今は町奉行所の書記方をお勤めで御座いました。
その島津様の下に、奇妙な書状が舞い込んでおりました。
「藍の質が悪い、と?」
「然様」
問い返した島津に、町奉行・新垣は一つ頷いて島津に書状を渡した。
押し頂くように受け取ってから島津は書状を開く。
町人の拙い文字で、役所宛ての堅苦しい文章が綴られていた。
訴状は藍染の職人たちからのもので、藍の値が高いことへの不満だった。
「藍の値が高い、というのは仕方のないことかもしれませんが……」
書状を読みながら島津は呟いた。新垣はまた一つ頷く。
藍は桜宮藩では藩の専売下にある商品作物だった。
藩が売値を管理し、代わりに生産奨励の為の資金を出す。藩で決めた価格で問屋に卸されるから、値段が高くなるのは仕方のないことではあるのだ。
「だが、質が悪いというのは有り得ないだろう」
島津の疑問を後押しするように新垣は言った。今度は島津が頷く番だ。
書状をよくよく読むと、ただ高いと訴えているだけではなく、「この質であの値は高い」という主旨なのである。
藩の専売である以上、藩で品質の管理をしている。藩の名を背負うものであるからだ。藍の一大産地である阿州や尾州にはやや劣るかもしれないが、訴えられるほど悪い筈がない。
この点が新垣には引っ掛かったようである。
そして今、島津もこの点が気にかかった。
「少し調べてみてくれないか」
「承知仕りました」
新垣の言葉に島津は平伏して答えた。
早速島津は調べを始めた。
まずは訴状を書いた藍染の職人たちから話を聞き、次に彼らに藍を下ろす問屋に行く。
ところが、そこで早速行き詰った。
藍問屋の沼田屋が、今まで出会ったことがないほどの解らず屋だったのだ。
「だからっ! 帳面を見せろと言っているんだ!」
「いえいえ。帳面は我々の魂で御座います。そう、お侍様の刀と同じと言えますでしょうか。おいそれとお見せする訳には参りませぬ次第でして、誠に相済ませんが、本日はお引き取り頂くということで……」
というような次第だ。
流石に、強引に上がり込んで帳場を引っ繰り返すような、押し込み強盗の真似をするわけにもいかず、島津は引き下がるしかなかった。
「畜生め」
「島津様」
口汚く罵る島津の前に、奉行所の小者が駆け寄ってきて、城からの呼び出しを告げた。
「殿のお召し?」
「すぐに参上するように、との至急のお召しです」
小者の言葉に島津は首を傾げた。
藩主・高階上総介は有用な人材を抜擢するのが巧みであるとの評だ。島津も速水も、目を掛けて頂いている若手のうちに含まれる。
それでも、島津や速水の身分と年では、藩主のお召しなど滅多にないことだった。一昨日の田口きみの件も異例だったのだ。
怪訝には思ったが、小者は島津の疑問など気に掛ける様子もなく、ただ早急に参上しろと島津を急かすばかりだった。
「藍の値について調べているそうですね」
「はっ」
藩主・高階上総介は早速に本題に入った。新垣が報告したのだろう。
調べが行き詰っている現状では、余り触れられたくない話題だ。
島津は藪を突かぬよう、一言で答えたのみだった。
だが、その次の高階の言葉は、島津の意表を突いた。
「沼田屋で行き詰っているのではありませんか?」
藍問屋の名前は新垣に報告してあった。
しかし、そこで行き詰ったことはまだ報告していない。
息を呑んだ島津の表情に、高階は瞬間笑顔を浮かべた。悪戯が成功して喜ぶ子供のような反応である。
だがそれはほんの一瞬で、次には表情を曇らせて長い溜息を吐いた。
「五年前と同じですね…………」
五年前。
この言葉は、島津の中では禁句になりつつあった。
兄を亡くして嘆くきみと、速水の間に何があったのか、島津は知らない。
あの事件の直後に参勤交代で高階は江戸へ上り、島津と速水も随行した。一年後に戻ってみれば、きみは行方を晦ましていたのだ。
速水の慌てようは並大抵ではなかった。きみの縁者を片端から当たったが、きみは見事なまでに足跡を断っていた。
その時の速水の様子を知っているので、あの時の話題は迂闊に出来るものではなかった。
一昨日に高階からきみの名を聞くまでは。
「まさか、田口先生は…………?」
「ええ」
島津の疑問に答えて高階は一つ頷く。
それから静かに言葉を繋いだ。
「やはり藍の値動きを調べていて、沼田屋で行き詰りました。それから暫くもしないうちに、鉄砲の所持で縄を打たれたのです」
「背後に、何者かがいると?」
それも、田口を罠にかけることが出来るほどの大物だ。
島津の背中に冷たいものが流れた。
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COMMENT
つ・・ついに
15,000踏んだ!どうしよう霧島さんっ!!
えっと、えっと・・・15,000到達おめでとうございます。
これからもますますのご発展、期待しております!
って、普段、なにも無くてもリクエストを聞いていただいてる身なので
なんかほんと、どうしよう(苦笑)
すこし、お時間ください。熟考してきます。
きっと二度とはないことだから!
えっと、えっと・・・15,000到達おめでとうございます。
これからもますますのご発展、期待しております!
って、普段、なにも無くてもリクエストを聞いていただいてる身なので
なんかほんと、どうしよう(苦笑)
すこし、お時間ください。熟考してきます。
きっと二度とはないことだから!
Re:つ・・ついに
おめでとう御座います!
3か月超で15000か。ガンバってる方だよね、多分。
これも御来訪下さる皆様あってのことです。
今後ともどうぞよろしくご贔屓に。
リクエストは何時でも結構ですよ。
今までのだって、リクエストと言っていいものやら。
霧島の感覚としては、単なる妄想の暴発だったりささやかな提案を採用したっていうくらいのものですって。気にしない気にしない。
桜宮藩でも書きながらノンビリ待ってますので……出来たら手加減して下さい(苦笑)。
3か月超で15000か。ガンバってる方だよね、多分。
これも御来訪下さる皆様あってのことです。
今後ともどうぞよろしくご贔屓に。
リクエストは何時でも結構ですよ。
今までのだって、リクエストと言っていいものやら。
霧島の感覚としては、単なる妄想の暴発だったりささやかな提案を採用したっていうくらいのものですって。気にしない気にしない。
桜宮藩でも書きながらノンビリ待ってますので……出来たら手加減して下さい(苦笑)。