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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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28888ヒットの月華さまからのリクエストです。
月華さま、ヒットおめでとう&リクエスト有難う御座います。


リク内容は「二人シリーズ、着飾った行灯とスーツ姿の将軍でイチャラブ」でした。
大好物だ、こういう系は。寧ろ私が読みたいぞ。
二人シリーズですので、カテゴリを「キリ番リクエスト」ではなくこちらに分類致しました。解りにくかったらゴメンなさい。


11月企画で「洋服の日」ってやった時に、紳士フォーマルサイトを漁りましたが、実に萌えページでした。
そうだ、一つご注意を。
霧島にファッションセンスはほぼありませんので、あんまり想像力を緻密に働かせないで下さい。こんなもんだろ、くらいで。
さあどんな出来になりますやら。

一応インターホンは押したが、速水は田口が答える前にドアを開けて上がり込んだ。

「支度出来たのか?」
「んーもうちょっと…………」

田口が私室に使っている6畳間に首を突っ込むと、田口は鏡と睨めっこしているところだった。
女の支度が長いのはよく知っていたが、やはり田口も同じらしい。
リビングの椅子に勝手に座ると、速水は溜息を吐いて天井を振り仰いだ。
同期の奴が学生結婚をすることになった。
勿論、金は無い。
そこで、会費制立食パーティーという形で祝宴を挙げることになったのだ。
それに二人揃って招待されたのである。
大学医学部四年目という多忙な時期であり、先の困難など予想する間でもない。
だが、新たな門出を踏み出す二人を祝う気持ちは、速水にも田口にも十分にあった。
二人で一緒に行く約束をして、速水は田口を迎えに来たのである。

「こんなモンかなぁ……えっと、お祝い持った、地図持った、ハンカチとティッシュも持った……あと何か要ると思う?」

化粧を終えて私室から出てきたらしい田口は、ハンドバッグの中を覗きながら速水に尋ねた。
ぼんやり天井を見ていた速水は、田口の声に目を田口の方へ向けた。

「別に、いらないんじゃ…………」

言葉が切れたのは、不覚にも見惚れたからだった。
田口は、この日の為になけなしの金を出した紺色のカラードレス姿だった。黒を重ねたスカートがふんわりと広がっている。
買い物に付き合わされたからデザインはとうに知っているのに、改めて細い肢体に見惚れてしまった。
濡れたように光るピンク色の唇が、実に美味しそうだ。

「速水?」
「ああ、いや……」
「変なの。あ、速水スーツかぁ」

長過ぎる沈黙に、田口が首を傾げた。
田口の声に速水は我に返り、曖昧な返事でその場を誤魔化した。
田口は今一つ解らないままだったが、その時になって速水の支度に気付いた。
速水の姿を上から下まで見回すと、楽しそうに笑って速水を急かした。

「立って立って」
「は?」
「いいからっ」
「ん???」

ワケが解らないなりに速水は立ち上がる。
その場に直立した速水から、田口は一歩下がって速水の全体を見た。
どうにも鑑賞されているような眼に、少しばかり速水は落ち着かない気分になった。
そうやって存分に速水の姿を目で楽しむと、田口は実に満足そうに笑った。

「やっぱりお前、カッコいいなぁ……」
「は?」

今まで聞いたことのなかった言葉を聞き、速水は目を見開いた。
田口はやたらと嬉しそうに速水を眺めている。
予想外の反応に、逆に速水は素直に喜べないでいた。
何せ田口は、イケ面メガネバージョンの速水を大笑いしたという過去の持ち主だ。

「お前のことだから、七五三とか何とか言い出すかと思ったのに」
「こんな図体デカい奴に七五三はないだろ、流石に」

速水の言葉に、田口は心外だという顔をした。
それから、先程までのからかうような表情から一変して、照れたような恥ずかしそうな笑みを浮かべた。

「お前が卒業して社会人になったら、こういうカンジかな。ちょっと…………ドキドキする」

……ドキドキしたのは速水の方だ。
田口は時々、とても素直に可愛い事を言う。
そんな時の田口のセリフは、ハッキリ言ってとんでもなく効く。
心臓は揺らされる、息は止まる、思考回路も破裂、感情が暴走するカンジだ。
そして速水は感情のままに、可愛いことを言うカノジョを抱き締めようとした。
だがその寸前で、自分の発言に照れた田口の方が、速水にくるりと背中を向けた。

「あの、これっ! 付けてくれないっ!」

田口が焦った口調と共に差し出したのは、ピンクパールの三連ネックレスだった。勿論本物の真珠ではなく、ビーズをパール調に加工した手頃な品である。
気勢を削がれた速水はどもりながら頷いた。

「あ、ああっ」
「ちょっと髪の毛引っ掛かりそうでさ、片手じゃ出来なくて」

田口は襟足にかかる髪を分けて、速水の目の前に白い項を晒した。
こちゃこちゃと小さな金具を面倒臭く思いながら、速水は田口の背中を見下ろしていた。
田口が着ているカラードレスは肩紐式で、鎖骨の辺りと肩甲骨辺りの露出が多い。
確かにネックレスでもしないと胸元が寂しいだろう。
しかし、可愛いカノジョの肌の露出が多いのは、カレシとしては気になるところだ。

「なあ、この上何にも着ないのか?」
「上? ああ、ショール羽織るけど。流石にこう、肩剥き出しは恥ずかしいよ」

田口の言葉に速水は一安心する。
ネックレスの金具を留め終えると、田口の両肩を手のひらで包んだ。

「速水? …………きゃぅんっ」

怪訝な声で首を後ろに捻る田口に構わず、速水は身体を屈めて田口の首筋に口づけた。
首よりも肩に近い、ちょうど肩凝りのツボがあるような場所を強く吸って赤い印を残す。
驚いた田口が細い悲鳴を上げた。

「ん、付いた」
「痕付けたのっ?! ちょっと何で!!」
「見られたくなかったら、ショール外すなよ」
「速水、お前…………仕方ないなぁ」

赤い印に満足した速水の声に、田口は引き攣った顔になる。
しかし、速水の言葉から滲み出ている独占欲に気付いて、田口は呆れた顔になった。
それから苦笑を浮かべる。
田口の言葉に、速水は喉の奥で小さく笑った。
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ありがとうございました
こんばんは。月華です。
とても素敵です。フォーマルな二人。やっぱり彼らはナチュラルにイチャラブですよね。ネックレスが着けられないって、すごく行灯らしい(笑)
行灯も将軍もすっごくかわいくてニヤニヤしながら読みました。
本当にありがとうございました!
月華 2009/11/29(Sun)22:15:14 編集
Re:ありがとうございました
月華さま、いらっしゃいませ。コメント有難う御座います!

>ナチュラルにイチャラブ
魔人がいたら絶対砂吐いてるでしょうね、コレ。
ネクタイ直しのイチャイチャは既にやったので、今度は女性側ネックレスでイチャつかせてみましたが、上手くいったようで何よりです。
でも実際、あのチマい金具に焦れる時ってありますよね。首の後ろは尚更だ、うん。

こんなんで宜しかったでしょうか? これからも遊びに来てやって下さいませ。
…………出来れば12月1日あたりにでも(←小声)。
S.Kirishima 2009/11/29 23:12
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