お中元のシーズンですね。
ところで、北海道限定商品の「熊出没注意」シリーズってご存じですか? あのインパクトのあるヒグマが咆哮するパッケージです。
今回、前フリはこれだけ!
一発芸ですから短いですよー。ホントに思いつきですからねっ。
ところで、北海道限定商品の「熊出没注意」シリーズってご存じですか? あのインパクトのあるヒグマが咆哮するパッケージです。
今回、前フリはこれだけ!
一発芸ですから短いですよー。ホントに思いつきですからねっ。
「速水からお中元が来たんだ」
不定愁訴外来に暇を潰しにきた島津にコーヒーを出しながら田口は話を振った。田口の口元には苦笑が浮かんでいる。
「小樽ワインのセットだったんだけど、アイツ、『俺が飲みに行くまでとっとけ』って言うんだよ。お中元の意味ないよなぁ」
苦笑交じりではあるが、田口の口調は柔らかく楽しそうだった。
一方、それを聞いた島津は眉間に深い皺を刻んだ。
「それは奇遇だな、俺んトコにも速水から届いた」
「ふぅん、何だった?」
島津の仏頂面を疑問に思いながら田口は尋ねた。
島津は白衣のポケットに突っ込んでいたペットボトル飲料を前に突き出す。
インパクトのある熊のイラストに、田口は一瞬退いた。
「北海道限定熊出没注意ガラナ。こんなのを一ダースも送って寄越しやがった。しかも『お前にお似合いだ』っつー失礼極まりない文句付きでな」
「はぁ…………」
確かに島津と熊は似ている。
似ているが、これは断じて中元に贈るようなものではない。
しかもこの、変に劇画的な迫力のある熊の絵。
「これが一ダースって、キツイな……」
「正確には、白黒一ダースずつだ」
「白?」
「白クマ版も寄越したんだよ、あの野郎」
つまり今、島津の家には熊のイラスト付清涼飲料水が24本あるワケだ。
想像しただけで田口はウンザリした。何て暑苦しい。
「何考えてんだ、速水…………」
男二人がウンザリした気分でいると、藤原看護師がにこやかに口を挟んだ。
「あら、速水先生からなら、私のところにも来ましたよ」
「え? 速水から? 何だったんですか?」
速水と藤原看護師の接点がよく解らない田口は首を傾げた。
そして、速水が何を贈ったかが非常に気にかかる。
それも当然だろう。速水のチョイスは冒険的だ。
しかし藤原看護師は、爆弾を落とした。地雷原なのに。
「桐箱入り夕張メロン」
聞いただけでお高いと知れる商品名。
田口は呆気に取られ、島津は長々と溜息を吐いた。
「媚び売る相手は間違っちゃいねえな」
田口の安全の為に藤原看護師に取り入っておく。
この作戦に則れば、藤原看護師宛てにゴージャスなお中元が行くのは当然だ。
……当然なのだが、ヒエラルキーの下位に置かれた島津の口から溜息が零れるのも無理はなかった。
不定愁訴外来に暇を潰しにきた島津にコーヒーを出しながら田口は話を振った。田口の口元には苦笑が浮かんでいる。
「小樽ワインのセットだったんだけど、アイツ、『俺が飲みに行くまでとっとけ』って言うんだよ。お中元の意味ないよなぁ」
苦笑交じりではあるが、田口の口調は柔らかく楽しそうだった。
一方、それを聞いた島津は眉間に深い皺を刻んだ。
「それは奇遇だな、俺んトコにも速水から届いた」
「ふぅん、何だった?」
島津の仏頂面を疑問に思いながら田口は尋ねた。
島津は白衣のポケットに突っ込んでいたペットボトル飲料を前に突き出す。
インパクトのある熊のイラストに、田口は一瞬退いた。
「北海道限定熊出没注意ガラナ。こんなのを一ダースも送って寄越しやがった。しかも『お前にお似合いだ』っつー失礼極まりない文句付きでな」
「はぁ…………」
確かに島津と熊は似ている。
似ているが、これは断じて中元に贈るようなものではない。
しかもこの、変に劇画的な迫力のある熊の絵。
「これが一ダースって、キツイな……」
「正確には、白黒一ダースずつだ」
「白?」
「白クマ版も寄越したんだよ、あの野郎」
つまり今、島津の家には熊のイラスト付清涼飲料水が24本あるワケだ。
想像しただけで田口はウンザリした。何て暑苦しい。
「何考えてんだ、速水…………」
男二人がウンザリした気分でいると、藤原看護師がにこやかに口を挟んだ。
「あら、速水先生からなら、私のところにも来ましたよ」
「え? 速水から? 何だったんですか?」
速水と藤原看護師の接点がよく解らない田口は首を傾げた。
そして、速水が何を贈ったかが非常に気にかかる。
それも当然だろう。速水のチョイスは冒険的だ。
しかし藤原看護師は、爆弾を落とした。地雷原なのに。
「桐箱入り夕張メロン」
聞いただけでお高いと知れる商品名。
田口は呆気に取られ、島津は長々と溜息を吐いた。
「媚び売る相手は間違っちゃいねえな」
田口の安全の為に藤原看護師に取り入っておく。
この作戦に則れば、藤原看護師宛てにゴージャスなお中元が行くのは当然だ。
……当然なのだが、ヒエラルキーの下位に置かれた島津の口から溜息が零れるのも無理はなかった。
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