10001ヒットのマリコ様からのリクエストです。
マリコ様、キリ番報告とリクエスト有難う御座います。
リクは「すずめ四天王の平和な日常」ということですが。
すずめ四天王という時点で
× 平和 → ○ 騒がしい
になるのは目に見えているカンジです。
タイトルがアレですが、飲酒運転する話じゃないです。
それでは、お楽しみ頂ければ幸い。
これで、進行中のなりきり100質も含めて、今の時点で承っているリクエストは消化したと思います……が。
「私のリクエストどこよ――っ?!」って方がありましたら、遠慮なくご指摘ください。
マリコ様、キリ番報告とリクエスト有難う御座います。
リクは「すずめ四天王の平和な日常」ということですが。
すずめ四天王という時点で
× 平和 → ○ 騒がしい
になるのは目に見えているカンジです。
タイトルがアレですが、飲酒運転する話じゃないです。
それでは、お楽しみ頂ければ幸い。
これで、進行中のなりきり100質も含めて、今の時点で承っているリクエストは消化したと思います……が。
「私のリクエストどこよ――っ?!」って方がありましたら、遠慮なくご指摘ください。
彦根新吾は絡み上戸である。
しかもセクハラ系の、非常にタチの悪いタイプ。撫でる触るハグにキスは毎度のことだ。
傍から聞けば笑い話だが、被害に遭う方は堪ったものではない。
そして、被害に遭うのはよく共に飲むメンバーと決まっているワケである。
「たーぐちせんぱーいっ。ちゅー」
「止めろってば、彦根」
「え――――、いーじゃないですか、ちょっとぐらい――」
「いいモンかっ。こら放せっ」
雀荘すずめからの流れで、すずめ四天王が一緒に飲むことは多い。財布の重いヤツが少しカンパして安酒を買い込み、誰かの下宿で管を巻くのである。
本日の会場は速水邸。
彦根に絡まれる役は大概田口だった。
至近距離の彦根の顔を、田口は遠慮なく押し返した。彦根の眼鏡が歪もうが何だろうが、田口の知ったことではなかった。
しかし彦根は一向に堪える様子もない。彦根の方もいいだけ箍が外れている。流石酔っ払い。
そうやって、愚にもつかない攻防を繰り広げる田口と彦根の間に割り込むのは、田口と「いい仲」の速水だった。
「こぉら、彦根っ。田口は俺んだぞ」
彦根の襟首を掴み、強引に後ろへ引っ張って田口から放し、自由になった田口を今度は自分がヘッドロックの要領で抱え込む。
速水が相手なら、田口もいくら抱き込まれようが触られようが抵抗しない。小さな声で笑いながらちびちびと酒を舐めている。
田口から引き剥がされた彦根だったが、だが、機嫌を損ねたりしなかった。後ろ手をついて座り込んでいた体勢から身体を起こすと、膝を使って速水ににじり寄った。
「じゃあ速水先輩でいーや」
そうして彦根がしたことは。
「っっ!」
「…………ぷはぁっ」
ぽんっ、と吸盤が外れるような音がするほどのキスを速水にかましたワケである。
流石の速水も目を見開いて身体を硬直させた。田口を抱き込んでいた腕からも力が抜けてぽろりと落ちる。
「あーあーあー」
安全圏の第三者であった島津は、無責任に驚いていた。
目と鼻の先で速水と彦根のキスシーンを見せられた田口も呆然とするばかりである。
凶悪な犯罪者・彦根一人がご満悦の表情だった。
「わーい、田口先輩と間接ちゅーっ」
「いや、速水とチョクって方が問題だろ」
島津が律儀に突っ込むが、彦根も田口も聞いていなかった。速水に至っては、驚きの余り島津の声など聞こえてもいない。
さてどうするんだこの二人、と島津が速水と田口を見物していると、先に田口の方が動き出した。
速水の腕から抜け出すと、その場に林立していた日本酒の五合瓶を手にしてにっこり笑ったのである。
「ひーこーねっ」
実に可愛らしいと言っていいくらいの声とリズムで、田口は彦根を呼んだ。常日頃のボンヤリぶりが嘘のような愛想の良さである。
その明るい声に誘われて、彦根は笑顔で田口を振り返った。
「何です、かっ」
がっ、と。
彦根の口に、田口は五合瓶を突っ込んだ。当然、瓶の口を下にして。
残っていた酒は急流の如くに彦根の喉に滑り落ちていった。ごっごっごっ、と音を立てて彦根は酒を飲み下す。噎せ返りもせずに最後の一滴まで干してしまった。
「~~~きゅううぅぅっ」
一気飲みが利いたのか、口から瓶を放すと同時に彦根は呻き声と共に沈没した。年季の入って色褪せた畳の上に横倒しになってしまう。
「よし、黙った」
「…………急性アル中になんねえか、コレ?」
今度ご満悦の笑みを浮かべるのは田口だった。いい仕事したなぁ、という満足感の溢れる表情だ。
あまりのやりように島津は呆れてしまった。にっこり笑って仕掛けるところが、田口という男は意外に根性が黒い。酔っ払っているから尚、腹黒さに歯止めがかかっていないのだろう。
島津が抱いた戦慄も知らず、田口は速水に寄り掛かった。不貞腐れた表情で呟く。
「彦根のヤツ……速水は俺のなのにさ」
「田口っ」
田口の重みにようやっと正気に返った速水は、自分の傍に戻ってきた田口をがっしりと抱き締めた。猛虎と渾名される男が、実にだらしないニヤケ面になっていた。
田口の頬を掠めるような距離で速水は囁いた。
「なあ、消毒してくれよ」
「ん」
小さく頷くと、田口の方からそっと唇を寄せる。すぐに速水が主導権を握って、キスは深く…………。
「おーい、お前ら、俺がいるんだぞ――っ」
島津は棒読みで割って入った。
島津の声に田口は身を捩ったが、速水が強引に抱き締めて押さえ込んだ。田口を腕に閉じ込めたまま、速水はちょっとだけ島津に視線を投げた。
「あ、いいよ、俺たちは勝手にやるから。お前、好きに飲んでて」
それだけ言って、速水は田口にキスを仕掛け直した。戸惑っていた田口も速水のキスに流されて、うっとりと眼を瞑る。
二人の世界から置いてけぼりにされた島津に、取る道は二つしかなかった。酒も入っていることだし帰るのは億劫だ。そうなると、残された道は決まってくる。
「ったく、勝手にしやがれ」
吐き捨てるように呟いて、島津は続き部屋の襖を開けた。速水が寝室として使っている6畳間はお世辞にも片付いているとは言えない。が、ラブシーンを見せつけられるよりはマシだろう。
ぶっ倒れたままの彦根を6畳間の隅っこに転がし、残った酒を適当に持ち込んで、島津はわざと音を立てて襖を閉めた。
隣から聞こえるヒソヒソ声に小さな笑い声が混ざっている。
嬌声が聞こえないうちに酔い潰れてしまえ、とばかり、島津は酒を煽ったのだった。
翌朝、少し草臥れ気味の田口が用意した朝食を、上機嫌で艶の乗った速水と二日酔いの島津、彦根が黙々と食べることになる。
実に微妙な雰囲気だったのは言う間でもない。
しかもセクハラ系の、非常にタチの悪いタイプ。撫でる触るハグにキスは毎度のことだ。
傍から聞けば笑い話だが、被害に遭う方は堪ったものではない。
そして、被害に遭うのはよく共に飲むメンバーと決まっているワケである。
「たーぐちせんぱーいっ。ちゅー」
「止めろってば、彦根」
「え――――、いーじゃないですか、ちょっとぐらい――」
「いいモンかっ。こら放せっ」
雀荘すずめからの流れで、すずめ四天王が一緒に飲むことは多い。財布の重いヤツが少しカンパして安酒を買い込み、誰かの下宿で管を巻くのである。
本日の会場は速水邸。
彦根に絡まれる役は大概田口だった。
至近距離の彦根の顔を、田口は遠慮なく押し返した。彦根の眼鏡が歪もうが何だろうが、田口の知ったことではなかった。
しかし彦根は一向に堪える様子もない。彦根の方もいいだけ箍が外れている。流石酔っ払い。
そうやって、愚にもつかない攻防を繰り広げる田口と彦根の間に割り込むのは、田口と「いい仲」の速水だった。
「こぉら、彦根っ。田口は俺んだぞ」
彦根の襟首を掴み、強引に後ろへ引っ張って田口から放し、自由になった田口を今度は自分がヘッドロックの要領で抱え込む。
速水が相手なら、田口もいくら抱き込まれようが触られようが抵抗しない。小さな声で笑いながらちびちびと酒を舐めている。
田口から引き剥がされた彦根だったが、だが、機嫌を損ねたりしなかった。後ろ手をついて座り込んでいた体勢から身体を起こすと、膝を使って速水ににじり寄った。
「じゃあ速水先輩でいーや」
そうして彦根がしたことは。
「っっ!」
「…………ぷはぁっ」
ぽんっ、と吸盤が外れるような音がするほどのキスを速水にかましたワケである。
流石の速水も目を見開いて身体を硬直させた。田口を抱き込んでいた腕からも力が抜けてぽろりと落ちる。
「あーあーあー」
安全圏の第三者であった島津は、無責任に驚いていた。
目と鼻の先で速水と彦根のキスシーンを見せられた田口も呆然とするばかりである。
凶悪な犯罪者・彦根一人がご満悦の表情だった。
「わーい、田口先輩と間接ちゅーっ」
「いや、速水とチョクって方が問題だろ」
島津が律儀に突っ込むが、彦根も田口も聞いていなかった。速水に至っては、驚きの余り島津の声など聞こえてもいない。
さてどうするんだこの二人、と島津が速水と田口を見物していると、先に田口の方が動き出した。
速水の腕から抜け出すと、その場に林立していた日本酒の五合瓶を手にしてにっこり笑ったのである。
「ひーこーねっ」
実に可愛らしいと言っていいくらいの声とリズムで、田口は彦根を呼んだ。常日頃のボンヤリぶりが嘘のような愛想の良さである。
その明るい声に誘われて、彦根は笑顔で田口を振り返った。
「何です、かっ」
がっ、と。
彦根の口に、田口は五合瓶を突っ込んだ。当然、瓶の口を下にして。
残っていた酒は急流の如くに彦根の喉に滑り落ちていった。ごっごっごっ、と音を立てて彦根は酒を飲み下す。噎せ返りもせずに最後の一滴まで干してしまった。
「~~~きゅううぅぅっ」
一気飲みが利いたのか、口から瓶を放すと同時に彦根は呻き声と共に沈没した。年季の入って色褪せた畳の上に横倒しになってしまう。
「よし、黙った」
「…………急性アル中になんねえか、コレ?」
今度ご満悦の笑みを浮かべるのは田口だった。いい仕事したなぁ、という満足感の溢れる表情だ。
あまりのやりように島津は呆れてしまった。にっこり笑って仕掛けるところが、田口という男は意外に根性が黒い。酔っ払っているから尚、腹黒さに歯止めがかかっていないのだろう。
島津が抱いた戦慄も知らず、田口は速水に寄り掛かった。不貞腐れた表情で呟く。
「彦根のヤツ……速水は俺のなのにさ」
「田口っ」
田口の重みにようやっと正気に返った速水は、自分の傍に戻ってきた田口をがっしりと抱き締めた。猛虎と渾名される男が、実にだらしないニヤケ面になっていた。
田口の頬を掠めるような距離で速水は囁いた。
「なあ、消毒してくれよ」
「ん」
小さく頷くと、田口の方からそっと唇を寄せる。すぐに速水が主導権を握って、キスは深く…………。
「おーい、お前ら、俺がいるんだぞ――っ」
島津は棒読みで割って入った。
島津の声に田口は身を捩ったが、速水が強引に抱き締めて押さえ込んだ。田口を腕に閉じ込めたまま、速水はちょっとだけ島津に視線を投げた。
「あ、いいよ、俺たちは勝手にやるから。お前、好きに飲んでて」
それだけ言って、速水は田口にキスを仕掛け直した。戸惑っていた田口も速水のキスに流されて、うっとりと眼を瞑る。
二人の世界から置いてけぼりにされた島津に、取る道は二つしかなかった。酒も入っていることだし帰るのは億劫だ。そうなると、残された道は決まってくる。
「ったく、勝手にしやがれ」
吐き捨てるように呟いて、島津は続き部屋の襖を開けた。速水が寝室として使っている6畳間はお世辞にも片付いているとは言えない。が、ラブシーンを見せつけられるよりはマシだろう。
ぶっ倒れたままの彦根を6畳間の隅っこに転がし、残った酒を適当に持ち込んで、島津はわざと音を立てて襖を閉めた。
隣から聞こえるヒソヒソ声に小さな笑い声が混ざっている。
嬌声が聞こえないうちに酔い潰れてしまえ、とばかり、島津は酒を煽ったのだった。
翌朝、少し草臥れ気味の田口が用意した朝食を、上機嫌で艶の乗った速水と二日酔いの島津、彦根が黙々と食べることになる。
実に微妙な雰囲気だったのは言う間でもない。
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