異種CP警報発令中
将軍とハヤブサですが、矢印の方向はハヤブサ→ネコっつー代物です。
……皆様の唖然とした顔が目に浮かぶようです。
コレが脳裏に浮かんだ時、これほどの捏造を辞さない自分の妄想具合にビックリしたね、あたしゃ。
前回に引き続き、怖いものが見たい人はどうぞ。
サイト更新してます。
「淋しさの隣に」の続きと100質の続き。
将軍とハヤブサですが、矢印の方向はハヤブサ→ネコっつー代物です。
……皆様の唖然とした顔が目に浮かぶようです。
コレが脳裏に浮かんだ時、これほどの捏造を辞さない自分の妄想具合にビックリしたね、あたしゃ。
前回に引き続き、怖いものが見たい人はどうぞ。
サイト更新してます。
「淋しさの隣に」の続きと100質の続き。
「桜宮に帰るわ」
奇妙なほどにさばさばとした顔で花房は言った。
つまりこれは別れ話か、と速水はぼんやり考える。
それにしたって悲壮感がない。今速水自身だって、ピントのボケたことを考えている。
「貴方と二人になって。貴方と向き合うようになって、ずっと足りないって思っていたの。何が足りないのか、解らなかった。最初は貴方に物足りなさを感じているのかと思っていたけど、違うみたい。貴方は桜宮の頃とちっとも変らなくて、でもそれは嫌ではないんですもの」
確かに、二人でいるのに、二人きりになったのに、ちっとも変らなかった。
速水は仕事優先で、花房も仕事の方が大切だった。
言い訳ではなく独り言のように花房は続けた。
組み合わされた細い指は、花房の姿形同様にスラリとした印象だ。
そういえば、あの手をろくに握っていないと思った。
それを惜しいとも残念だとも思わないあたり、速水は最低の人種だ。
「貴方の何を好きになったか、考えたの。私にちっとも構わない貴方の、何処を好きになったのか、馬鹿みたいだけど真剣に考えたの。そしたら解ってしまったわ」
花房の瞳が速水を見る。笑っていた。
綺麗だと思ったが、愛しさとは違っていた。
「私は、あの人が『貴方が私を好きなのよ』と言ったから、貴方を好きになったの」
速水も覚えている。二十年近く前の話だ。
言われてみれば速水もそうだった。
花房が自分を見る瞳に、その熱に、気持ちが揺れたのだ。
順番を少し間違えていて、二人ともがそうだったから、二人してそれに気付かずにいたのだ。
「あの人が、私たちがくっつくことを期待していたから、私は貴方を好きになったのかもしれないと、そう思ったの……あの人の期待通りに」
「…………かもな」
心当たりは十分にあった。
何時だって花房も、速水自身も、「あの人」の掌の上だった。何年経っても。
「だから桜宮に帰る。あの人がいないのに、あの人の期待通りなんて意味がないもの。あの人の傍がいいの」
フラレるのは久し振りだ。
だが速水は奇妙なほど軽くなった気分だった。
大体、あの人相手に最初から勝ち目など速水には無い。
速水は苦笑交じりで言った。
「コキ使われるぞ」
「応えてみせるわ。あの人の期待通りに働けるのは、私だけだもの」
花房の言う通りだと思った。
初めて、花房が去っていくことを残念に思う。
それが恋人が離れることではなく、優秀な看護師が去ることを惜しむ気持ちであるのを、今の速水はよく解っていた。
「さよなら」
「ああ、ネコさんによろしく」
「ええ」
綺麗な笑顔を一つ残して花房は部屋を出ていった。
一人になった部屋で、速水はぼんやりと天井を仰ぐ。
彼女の、彼女たちの幸せを願った。
奇妙なほどにさばさばとした顔で花房は言った。
つまりこれは別れ話か、と速水はぼんやり考える。
それにしたって悲壮感がない。今速水自身だって、ピントのボケたことを考えている。
「貴方と二人になって。貴方と向き合うようになって、ずっと足りないって思っていたの。何が足りないのか、解らなかった。最初は貴方に物足りなさを感じているのかと思っていたけど、違うみたい。貴方は桜宮の頃とちっとも変らなくて、でもそれは嫌ではないんですもの」
確かに、二人でいるのに、二人きりになったのに、ちっとも変らなかった。
速水は仕事優先で、花房も仕事の方が大切だった。
言い訳ではなく独り言のように花房は続けた。
組み合わされた細い指は、花房の姿形同様にスラリとした印象だ。
そういえば、あの手をろくに握っていないと思った。
それを惜しいとも残念だとも思わないあたり、速水は最低の人種だ。
「貴方の何を好きになったか、考えたの。私にちっとも構わない貴方の、何処を好きになったのか、馬鹿みたいだけど真剣に考えたの。そしたら解ってしまったわ」
花房の瞳が速水を見る。笑っていた。
綺麗だと思ったが、愛しさとは違っていた。
「私は、あの人が『貴方が私を好きなのよ』と言ったから、貴方を好きになったの」
速水も覚えている。二十年近く前の話だ。
言われてみれば速水もそうだった。
花房が自分を見る瞳に、その熱に、気持ちが揺れたのだ。
順番を少し間違えていて、二人ともがそうだったから、二人してそれに気付かずにいたのだ。
「あの人が、私たちがくっつくことを期待していたから、私は貴方を好きになったのかもしれないと、そう思ったの……あの人の期待通りに」
「…………かもな」
心当たりは十分にあった。
何時だって花房も、速水自身も、「あの人」の掌の上だった。何年経っても。
「だから桜宮に帰る。あの人がいないのに、あの人の期待通りなんて意味がないもの。あの人の傍がいいの」
フラレるのは久し振りだ。
だが速水は奇妙なほど軽くなった気分だった。
大体、あの人相手に最初から勝ち目など速水には無い。
速水は苦笑交じりで言った。
「コキ使われるぞ」
「応えてみせるわ。あの人の期待通りに働けるのは、私だけだもの」
花房の言う通りだと思った。
初めて、花房が去っていくことを残念に思う。
それが恋人が離れることではなく、優秀な看護師が去ることを惜しむ気持ちであるのを、今の速水はよく解っていた。
「さよなら」
「ああ、ネコさんによろしく」
「ええ」
綺麗な笑顔を一つ残して花房は部屋を出ていった。
一人になった部屋で、速水はぼんやりと天井を仰ぐ。
彼女の、彼女たちの幸せを願った。
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COMMENT
いいっすね。
超サバサバしてて、すきだなーこういうの。
わたし元々、将軍×ハヤブサって想像できない人だったので、
このお話あっさり受け入れちゃいました♪
速×花は、恋人よりも戦友って感じを希望します!
司令官とその右腕って、惚れた腫れたよりもっと深いところで
分かり合ってるものがある、みたいな。
・・・そりゃ全部あたしの萌えか(笑)
それにしても。
そっかー。ネコさん相手じゃどんな関係でも、将軍は勝てませんね。
ネコさんネコさん。盲点だったー(笑)
わたし元々、将軍×ハヤブサって想像できない人だったので、
このお話あっさり受け入れちゃいました♪
速×花は、恋人よりも戦友って感じを希望します!
司令官とその右腕って、惚れた腫れたよりもっと深いところで
分かり合ってるものがある、みたいな。
・・・そりゃ全部あたしの萌えか(笑)
それにしても。
そっかー。ネコさん相手じゃどんな関係でも、将軍は勝てませんね。
ネコさんネコさん。盲点だったー(笑)
Re:いいっすね。
こんばんは、です。
なゆた様ってもしかしてウチの「怖いもの」全部平気そう?
霧島、腐り視点で読む前は赤本のあのエンディングも歓迎だってんですけど、腐った頭で読んだら見事にスルーポイントになってます。スルーしなくてもこう、別れる算段をつけようとするあたりが腐れ脳。
ネコさんは、我ながらいいチョイスだと思ったなぁ。これ思いついてから黒本の、「ネコちゃんが男に興味無い」byオペ室の悪魔のセリフが意味深に思えて仕方ない……。
なゆた様ってもしかしてウチの「怖いもの」全部平気そう?
霧島、腐り視点で読む前は赤本のあのエンディングも歓迎だってんですけど、腐った頭で読んだら見事にスルーポイントになってます。スルーしなくてもこう、別れる算段をつけようとするあたりが腐れ脳。
ネコさんは、我ながらいいチョイスだと思ったなぁ。これ思いついてから黒本の、「ネコちゃんが男に興味無い」byオペ室の悪魔のセリフが意味深に思えて仕方ない……。