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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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桃色警報発令中。

7777番を踏んだ初さまのリクエストです。
キリ番ゲットおめでとう御座います&報告・リクエスト有難う御座います!
Rシーンのリクエストもあったので、無理無理入れてみた。


リクエスト内容は「衝動で飛行機に飛び乗っちゃう行灯先生」だそうで。
アレ? これかなりリク内容を曲解してる?
何か違ったものが出来上がったかもおぉ……っ。ゆ、許してっ!

やはり藤原さんへのお土産は銘菓だろうか。
「白い恋人」は定番過ぎるか? もう少しランクアップするなら六花亭。個人的にはロイズの生チョコが好きだけど、今の流行りは生キャラメル。チョコがけしたポテトチップスの類は流石に食べないよなぁ……。
それにしても、到着口の直ぐ前に土産物屋があるなんて、商魂逞し過ぎる。
自分が考えていることが、見事なまでの現実逃避だと田口は自覚していた。

「近いよ…………」

こんなにあっさり到着してしまうなんて思ってもいなかった。
実際のフライト時間は1時間半。その他諸々入れても、思い立って半日で、田口は北の大地に降り立ってしまったのだ。
そもそも今朝、速水からかかってきた電話がいけなかった。
最初のうちは互いの近況などをぽつぽつと話していたのだ。
田口は今日は休み。
速水の方は昨日日勤だったが、結局帰れなくて救命救急センターで朝を迎えたこと。今日も仕事だから、このまま次の勤務に入るということ。

「無理、するなよ」
『心配してくれるのか? 嬉しいな』

電話の向こうで笑う速水の顔を思い浮かべて、田口は切ない気分になった。田口に向けてくれる甘く蕩けそうなあの顔を見られないなんて。
ところがそこへ、割って入った声が一つ。

『速水先生――っ』
『来たか。すぐ行く、行灯悪い、またな』
「あ、うん、また」

看護師の声だ。速水を仕事に呼び戻す声だった。
田口からの別れの言葉が終わるか終らないかのうちに、速水の方から電話は切れた。
暫くそのままボンヤリと携帯電話の液晶画面を見つめて、それから田口は電源を切った。
救命救急センターにだって女性看護師はいる。どこの病院だってそれは同じことだ。
だけど。
……そして気付いたら、羽田空港へ行くために家を飛び出していたのである。

「ど、どうしよう…………」

どうするもこうするも、ここまで来てしまったのだ。
今更引き返すのもバカらしい話である。それは十分解っている。
だが突然行って、速水の迷惑になったらと思うと、それが怖かった。



そこからが時間がかかった。
新千歳空港から、速水のいる雪見市までの直通電車がないのだ。一度札幌へ出てから乗り継ぎ、結局雪見市に到着したのは夕刻になっていた。
タクシーから降りて、田口は救命救急センターの建物を見上げる。
また溜息が零れた。
ここまで来て、まだ怖気づいている。我ながら腹の据わらないことだ。
東城大病院でも速水はモテた。女性からの視線は速水がいくつ年を重ねても熱かった。それに嫉妬しなかったと言ったら嘘になる。
だが、速水は隠し事をしなかった。田口の方も、速水の時間を把握しきれていた。だから心配しなかった。
だけどここでは、隠し事が簡単に出来てしまう。
見たくないものを見てしまった場合の覚悟を固めつつ、通用口へ行こうとした時だった。
田口の鼻先で通用口の扉が開いた。

「っと、すんません」

一歩下がった田口にその相手は咄嗟に詫びた。
声に打たれて田口は顔を上げる。相手の方も田口を見た。
私服の、帰宅姿の速水がそこにいた。
田口も呆然としていたが、速水の方が田口以上に呆然としていた。

「た、ぐち…………?」

ところが、一つ呟いただけで速水は頭を大きく左右に振って歩きだしてしまったのだ。
田口は慌てて速水の後を追った。

「幻覚が見えるなんてよっぽど疲れてんのかなぁ…………」
「幻覚って」
「あ――、会いてえ…………」

速水にしては珍しい独り言。後ろで田口が聞いていることに、きっと気付いていない。
そして、田口の気分を浮上させるには十分だった。
ちょっと強く声を出して、速水の名を呼んだ。

「速水」
「ん?」

速水が振り返る。
視線が合って、田口は笑った。ここぞとばかり、テレビスターが見せ場を作るように。

「幻覚じゃないよ、速水」
「…………田口? 本当に?」
「うん。会いに来た」

掴まれた手が痛いほどだったが、その必死さが田口は嬉しかった。



電話越しじゃないキスは久し振りだ。
たっぷりと舌を絡め合い、唾液は滴り落ちるままに任せた。

「お、前、食事は? …………んはっ、ん……っ、疲れ、てるんじゃっ、ないの…………?」
「今はお前のが大事」

キスの合間に尋ねたら、速水は素っ気ない口調でそれだけ言った。
よほど切羽詰まっているらしい。衣類越しに股間の膨らみが触れる。
救命救急センターから大して遠くない場所に速水の下宿はあった。片付ける暇もないらしく、日用必需品以外のものはまだダンボール箱の中だ。
玄関に入った途端にキスをされた。鍵を掛ける音が田口の背後に響く。
唇を合わせたまま家の中へ引きずり込まれ、畳の上に押し倒された。

「舐めて」

二本の指が口に突っ込まれる。
身長に見合うように長い指を、田口は夢中で舐めた。
その間にも速水の手は田口の身体を這ってどんどんと服を剥いでいく。額や瞼、こめかみに唇が落ちる。足は刺激を求めて擦り合わされる。
抱き起こされて、田口は速水の腿に座る形になった。
唇を合わせたまま、互いの身体を探り合う。
速水の手は田口の背中を辿り、二人が交わるための場所へ。田口が濡らした指が心得たように田口の内側を暴いていく。

「んふぅ…………っ、んんっ、あっ…………」
「あ、っくう………っ」

田口の手は二人分の雄を掴んで扱き立てた。
速水のものは熱くて重い。速水が与えてくれる快楽を思うだけで、田口の腰が疼く。
速水の指が田口のイイトコロに触れる、田口の身体に刺激が走る、その拍子に田口の手に力が入る、速水自身が強く握られて弾けそうになる。
互いの身体の連鎖反応を存分に味わった。
だが、まだ足りない。

「あ、はぁ……っん、あぅ、ん……っ。や、はやっ、み……ぃ」
「はあ…………っ」

速水の楔が田口の中を奔放に動く。吐息が熱い。
深く抉られ、浅く掻き回され、その度に田口の身体は勝手に跳ねる。
ほんの僅かでも遠ざかるのが嫌で、田口は強く速水にしがみ付いた。



田口は夜中に目を覚ましてしまった。
あれだけ激しく交わった後で田口が目を覚ますのは珍しい。移動ばかりで実際にはあまり体力を使っていないせいだろう。
ゆっくりと首を回せば、脱ぎ散らかした服が見えた。ろくに脱がずにヤってしまったので、特に速水の服は目も当てられない有り様になっている。
それから、速水の寝顔。これまた珍しい。
疲労が浮かぶ目元にそっとキスをすると、速水は薄く眼を開けた。

「…………夢か、これ?」
「夢じゃないよ」
「そうか…………」

小さく尋ねた速水は、田口の返答に嬉しそうに笑って再び眠りに落ちた。
この分では、この遣り取りも速水の夢の中の出来事になりそうだ。朝目覚めた速水に夢かと訊かれたら、キスで応えようと田口は思う。
その思いつきに満足して、田口もゆっくりと瞼を閉じた。
今度はいつ極北に来られるかな、と思いながら。
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