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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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27000ヒットの鈴木さまからのリクエストです。
鈴木さま、おめでとうございます&リクエスト有難う御座いました!


さて、リク内容は「のんびりした話」ということでした。
ほんっとにのんびりして貰いました。実に何も起こらない話かも。
……平和でいいよね、うん。

私信返し・Nさま
探りまで入れて下さったのですね! 有難う御座います。
「のし梅」は美味いよね。好きだな、アレ。

その映画を見ようと言い出したのは田口だった。
映画と言っても、映画館に行くわけではない。
随分前に録画したきりで見ていなかったものだ。

「ダメ、か?」

折角二人で過ごす休日なのだ。
どうせならもう少し活動的なことをしたい速水だったが、田口にお願いされてノーと言えるわけがない。
この辺り、速水は大層田口に甘かった。
そうして、天気の良い昼下がりに、二人はソファに座って映画を見ることになったのだ。



「ふあぁ…………っ」

実にスローテンポな映画だった。
速水は眠気に襲われる。
大体、速水が好きなのは派手で解り易い、ハリウッド系の映画だ。
田口好みの、しっとり系との接点は少なかった。
それが解っていて田口に付き合っていたが、限度というものがあった。
速水が漏らしたあくびに、田口は苦笑を浮かべて言った。

「無理に付き合わなくても、他の事やってていいのに」
「バカ言えよ」

速水は即座に否定を返した。
折角二人一緒に過ごしているのに、別々の事をして楽しいものか。
そう主張するように田口の肩を抱き寄せる。
田口は抵抗も無く、コテンと頭を速水の肩に預けた。
少し動いて収まりのいい場所を探す。
そんな場所を見つけて動くのを止めた田口は、ゆっくりと息を吐いた。

「…………俺もダメかも。眠くなってきた」

それからそっとあくびを漏らした。
速水は可笑しくなって、小さく笑った。
笑いの波が身体越しに田口に伝わり、田口がまた小さく動いた。

「それならこのまま、二人で昼寝でもするか?」
「それもいいかもしれないなぁ」

田口はのんびりとした口調で言って、再び画面に視線を戻す。
映画に集中するのかと思ったら、また一つあくびをした。
田口が身体を寄せている体側がじんわりと温かくなってくる。
その温もりに誘われて、速水ももう一つあくびをした。
本当にこのまま寝てしまいそうだ。
とろとろと訪れる眠りは、とても心地がよく抗い難い。

「ま、悪くない」

田口が傍にいるなら何だっていいのだ、多分。
ちょっとボンヤリしているうちに、別の人物が画面に現れていた。
さてあれは何て名前だっただろうか。
考えるのが億劫で、速水は目を閉じた。
老俳優の訥々とした語りに尚更眠りを誘われる。
速水の隣りで、田口が小さく笑った気がした。
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