51000hit、ハル様のリクエストです。
ハル様、ヒットおめでとう&リク有り難うデス。
リクエストは「梅雨・雨・雷」なお話ということでした。
梅雨って英語ないのね~。「Rainy season」になるようです。
どちらかというと小噺なノリですが、笑ってやって下されば幸いです。
備忘録:キリリク溜め込み状況
48888 とむ様
50000 零那さま
50001 黄月さま
51111 こなつ様
52000 瑛莉さま
7月! 7月になったらやるっ!
順不同でアップする形になってしまっています。
ホント申し訳ないです……。
ハル様、ヒットおめでとう&リク有り難うデス。
リクエストは「梅雨・雨・雷」なお話ということでした。
梅雨って英語ないのね~。「Rainy season」になるようです。
どちらかというと小噺なノリですが、笑ってやって下されば幸いです。
備忘録:キリリク溜め込み状況
48888 とむ様
50000 零那さま
50001 黄月さま
51111 こなつ様
52000 瑛莉さま
7月! 7月になったらやるっ!
順不同でアップする形になってしまっています。
ホント申し訳ないです……。
気のせいかと思ったが、二度目の呼鈴の音に田口はのそりと動き出した。
玄関に辿りつく前に、三度目、そして四度目、五度目が鳴る。
この気の短さは速水だ。
覗き穴を確認せずに田口はドアを開けた。
予想通り、速水が胸を反らして立っていた。
「お前、出んの遅ぇよ」
「…………お前が短気過ぎるんだ」
ボソボソと呟いた反論は、速水の耳には届かない。
田口を押し戻すように速水は玄関に乗り込んできた。
髪の毛が濡れて、額に張りついている。
梅雨らしいシトシト雨が降っていた。
「メシ食わせて」
「は?」
田口が問うより先に、速水は来訪の目的を口にした。
田口は呆気に取られて軽く目を見開いた。
濡れて張りついた髪を掻き上げながら、速水は苦笑を浮かべた。
「今日まで合宿だったんだけどよ、家帰ったら」
「『食いモノが無かった』?」
「まぁそんなトコ。全滅してやがった」
「全滅?」
速水の言葉に、田口は眉を顰めた。
全滅とはまた極端だ。
田口が速水に視線で問うと、速水もまた眉を顰めた。
「一回、雷鳴ってたことあったろ。あの日、停電したらしくてさ。冷蔵庫の中がカビだらけ」
「あー、この季節だしなぁ」
梅雨時である。
速水が何日留守にしていたか知らないが、それはなかなかに悲惨な状況だろう。
田口は同情と共に頷いた。
それなら、食わせてやるのも吝かではない。
納得した田口は、洗面所からタオルを取ってこようと踵を返した。
そこでふと気付く。
悲惨な状況の冷蔵庫を、速水はどうしたのか。
速水の運動能力ほどには家事能力を評価しない田口は、嫌な予感に襲われた。
「お前、そのカビだらけの冷蔵庫、片付けてきた?」
嫌な予感というものは的中する。
それが何故か、世の中のセオリーだ。
田口の問いに対して、速水は首を横に振ることで答えた。
「怖くて手ェ付けらんねぇもん。頼む、行灯。手伝え」
田口を拝むように、速水は両手を合わせて頼んできた。
田口は眩暈に襲われる。
「デカい図体して怖いって何だよっ! 俺だってそんなの触りたくないぞっ」
「頼む。奢るからっ!」
田口が叫ぶのも当然だ。
カビだらけの冷蔵庫を開ける場面を想像しただけで、怖気が走る。
それは速水も同じで、頭を下げる角度が更に深くなった。
例えば島津や彦根といった仲間内の誰も、家事能力に期待出来ない以上、結局は田口がやるハメになるのだ。
田口は一つ溜息を吐くと、頭を下げる速水をその場に残し、洗面所の棚を開けた。
洗面所から戻って、速水の頭にタオルを叩きつける。
このくらいの乱暴さは許されるべきだろう。
玄関に辿りつく前に、三度目、そして四度目、五度目が鳴る。
この気の短さは速水だ。
覗き穴を確認せずに田口はドアを開けた。
予想通り、速水が胸を反らして立っていた。
「お前、出んの遅ぇよ」
「…………お前が短気過ぎるんだ」
ボソボソと呟いた反論は、速水の耳には届かない。
田口を押し戻すように速水は玄関に乗り込んできた。
髪の毛が濡れて、額に張りついている。
梅雨らしいシトシト雨が降っていた。
「メシ食わせて」
「は?」
田口が問うより先に、速水は来訪の目的を口にした。
田口は呆気に取られて軽く目を見開いた。
濡れて張りついた髪を掻き上げながら、速水は苦笑を浮かべた。
「今日まで合宿だったんだけどよ、家帰ったら」
「『食いモノが無かった』?」
「まぁそんなトコ。全滅してやがった」
「全滅?」
速水の言葉に、田口は眉を顰めた。
全滅とはまた極端だ。
田口が速水に視線で問うと、速水もまた眉を顰めた。
「一回、雷鳴ってたことあったろ。あの日、停電したらしくてさ。冷蔵庫の中がカビだらけ」
「あー、この季節だしなぁ」
梅雨時である。
速水が何日留守にしていたか知らないが、それはなかなかに悲惨な状況だろう。
田口は同情と共に頷いた。
それなら、食わせてやるのも吝かではない。
納得した田口は、洗面所からタオルを取ってこようと踵を返した。
そこでふと気付く。
悲惨な状況の冷蔵庫を、速水はどうしたのか。
速水の運動能力ほどには家事能力を評価しない田口は、嫌な予感に襲われた。
「お前、そのカビだらけの冷蔵庫、片付けてきた?」
嫌な予感というものは的中する。
それが何故か、世の中のセオリーだ。
田口の問いに対して、速水は首を横に振ることで答えた。
「怖くて手ェ付けらんねぇもん。頼む、行灯。手伝え」
田口を拝むように、速水は両手を合わせて頼んできた。
田口は眩暈に襲われる。
「デカい図体して怖いって何だよっ! 俺だってそんなの触りたくないぞっ」
「頼む。奢るからっ!」
田口が叫ぶのも当然だ。
カビだらけの冷蔵庫を開ける場面を想像しただけで、怖気が走る。
それは速水も同じで、頭を下げる角度が更に深くなった。
例えば島津や彦根といった仲間内の誰も、家事能力に期待出来ない以上、結局は田口がやるハメになるのだ。
田口は一つ溜息を吐くと、頭を下げる速水をその場に残し、洗面所の棚を開けた。
洗面所から戻って、速水の頭にタオルを叩きつける。
このくらいの乱暴さは許されるべきだろう。
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