カウンター50000をヒットした、零那さまのリクエストです。
記念すべき50000番!
零那さま、おめでとうございます。
そして今更ですが、訪れて下さる全ての皆様に感謝します。
さてリク内容はといいますと、だ。
「血が怖い行灯先生と、それをからかう将軍」ということで……アレ?
昔似たようなの書いたよーな、書いてないよーな……。
ネタかぶりを避けようと足掻いた挙句、路線まで間違えた気がします。
意外とハートフルなものが出来上がったのにもビックリだ。
とにかくお待たせしました。
こんなんになりましたが、如何でしょうか?
私信:虎屋太さま
54444hitおめでとうございます。メッセージ受信しました。
気長にお待ち下さると有難いです。
記念すべき50000番!
零那さま、おめでとうございます。
そして今更ですが、訪れて下さる全ての皆様に感謝します。
さてリク内容はといいますと、だ。
「血が怖い行灯先生と、それをからかう将軍」ということで……アレ?
昔似たようなの書いたよーな、書いてないよーな……。
ネタかぶりを避けようと足掻いた挙句、路線まで間違えた気がします。
意外とハートフルなものが出来上がったのにもビックリだ。
とにかくお待たせしました。
こんなんになりましたが、如何でしょうか?
私信:虎屋太さま
54444hitおめでとうございます。メッセージ受信しました。
気長にお待ち下さると有難いです。
不幸なタイミングとしか言いようがなかった。
大学構内の空き教室で昼寝をしていて、目が覚めたら既に課外の時間というのは、田口にとってはよくあることだ。
グラウンドでは野球部(但し弱小)が練習を行っている。
何処からかはしゃいだ声が聞こえるのは、女子の多いテニスサークルだろう。
「青春だなぁ」
悪友どもに聞かれたら、お前は一体幾つだ、と突っ込まれそうなことを田口が呟いた時だった。
田口の隣りの窓ガラスが割れた。
なけなしの反射神経で、本能的に田口は顔を庇う。
破壊音の余韻も消えたところで、田口はそろそろと目を開けた。
床に野球ボールが転がっているのを見つける。
これが飛び込んできたのだろう。
因果関係に納得していた田口の視界を、赤いものが流れた。
「…………え」
思わず額に手をやる。
指先が濡れたものに触れる。
その指を目の前に持ってきて、赤い色を見た途端、田口の気は遠くなった。
「お前、ほんっとーにバカだな」
「…………言うなよ」
「いーや、言わせてもらうぞ」
田口の前にいる速水はかなり真剣に怒っている声だった。
自分でも大概阿呆だと思う。自覚している。
だからそれ以上、人の傷口に塩を塗り込まなくてもいいではないか。
割れたガラスで切れた額の傷を手当してもらいながら、不平たらたらで口を尖らせた。
速水は田口の制止など聞きもしない。
「自分の傷から出た血を見て気分が悪くなって意識を失うって、どれだけ血が苦手なんだ」
速水のセリフに反論出来ず、田口はそっぽを向いた。
だが、速水に空かさず「動くな」と顔を固定されてしまう。治療中だ。
視線だけをうろうろと彷徨わせながら、田口はささやかな言い訳を試みた。
「苦手なもんは苦手なんだから、仕方ないだろ」
「だからって気絶なんかしやがって。お陰でこっちは大騒ぎだ」
「騒ぎ過ぎなんだよ。医学生なら気付けって」
自分の血に気分を悪くして引っ繰り返った田口を見つけたのは、ガラスを割ったことに慌てて被害を確かめにきた野球部員だった。
頭から血を流して倒れている田口を見て、失血多量による昏倒かと思ったらしい。
「生命の危機」「デッド・オア・アライブ」「救急車だ」「緊急手術か」……つまりはそんな大騒ぎになりかけたのだ。
集まった人たちの中で唯一冷静だった島津が、「何だ、でこ切っただけじゃないか」と言うまで、騒ぎは大きくなる一方だったのである。
「まあ、そこは同感だけどな」
早とちり連中に呆れつつ、速水は田口の額を長い指で弾いた。
地味に痛い。
「速水ぃ…………」
「治療終わり。ったく、手間かけさせやがって」
田口の抗議は勿論聞かず、面倒臭そうな口調で言った速水は薬箱を片付け始めた。
薬箱を片付ける手つきが荒っぽい。
「…………そんな怒らなくてもいいだろ」
何となく苛立っている気配の速水が気になって、田口は小さく呟いた。
そんな田口に、部屋の隅で治療を観察していた島津がのっそりと寄ってくる。
内緒話をする近さまで島津が来たので、田口の視界が暗くなった。
島津はひっそりと耳打ちした。
「アイツは怒ってるわけじゃねえよ」
「そうなのか……?」
島津の言葉に田口は首を傾げてしまった。
怪訝そうな顔をする田口に、島津は人の悪い笑みを見せてちらりと速水に視線をやった。
「引っ繰り返ってるお前を見て慌てた自分が、小っ恥ずかしいんだよ」
「え…………?」
島津の言葉に驚いて、田口も速水の背中を盗み見る。
それが本当かどうかは解らない、だが。
腹の中がむずむずと落ち着かなくなって、田口はそそくさと視線を反らしたのだった。
大学構内の空き教室で昼寝をしていて、目が覚めたら既に課外の時間というのは、田口にとってはよくあることだ。
グラウンドでは野球部(但し弱小)が練習を行っている。
何処からかはしゃいだ声が聞こえるのは、女子の多いテニスサークルだろう。
「青春だなぁ」
悪友どもに聞かれたら、お前は一体幾つだ、と突っ込まれそうなことを田口が呟いた時だった。
田口の隣りの窓ガラスが割れた。
なけなしの反射神経で、本能的に田口は顔を庇う。
破壊音の余韻も消えたところで、田口はそろそろと目を開けた。
床に野球ボールが転がっているのを見つける。
これが飛び込んできたのだろう。
因果関係に納得していた田口の視界を、赤いものが流れた。
「…………え」
思わず額に手をやる。
指先が濡れたものに触れる。
その指を目の前に持ってきて、赤い色を見た途端、田口の気は遠くなった。
「お前、ほんっとーにバカだな」
「…………言うなよ」
「いーや、言わせてもらうぞ」
田口の前にいる速水はかなり真剣に怒っている声だった。
自分でも大概阿呆だと思う。自覚している。
だからそれ以上、人の傷口に塩を塗り込まなくてもいいではないか。
割れたガラスで切れた額の傷を手当してもらいながら、不平たらたらで口を尖らせた。
速水は田口の制止など聞きもしない。
「自分の傷から出た血を見て気分が悪くなって意識を失うって、どれだけ血が苦手なんだ」
速水のセリフに反論出来ず、田口はそっぽを向いた。
だが、速水に空かさず「動くな」と顔を固定されてしまう。治療中だ。
視線だけをうろうろと彷徨わせながら、田口はささやかな言い訳を試みた。
「苦手なもんは苦手なんだから、仕方ないだろ」
「だからって気絶なんかしやがって。お陰でこっちは大騒ぎだ」
「騒ぎ過ぎなんだよ。医学生なら気付けって」
自分の血に気分を悪くして引っ繰り返った田口を見つけたのは、ガラスを割ったことに慌てて被害を確かめにきた野球部員だった。
頭から血を流して倒れている田口を見て、失血多量による昏倒かと思ったらしい。
「生命の危機」「デッド・オア・アライブ」「救急車だ」「緊急手術か」……つまりはそんな大騒ぎになりかけたのだ。
集まった人たちの中で唯一冷静だった島津が、「何だ、でこ切っただけじゃないか」と言うまで、騒ぎは大きくなる一方だったのである。
「まあ、そこは同感だけどな」
早とちり連中に呆れつつ、速水は田口の額を長い指で弾いた。
地味に痛い。
「速水ぃ…………」
「治療終わり。ったく、手間かけさせやがって」
田口の抗議は勿論聞かず、面倒臭そうな口調で言った速水は薬箱を片付け始めた。
薬箱を片付ける手つきが荒っぽい。
「…………そんな怒らなくてもいいだろ」
何となく苛立っている気配の速水が気になって、田口は小さく呟いた。
そんな田口に、部屋の隅で治療を観察していた島津がのっそりと寄ってくる。
内緒話をする近さまで島津が来たので、田口の視界が暗くなった。
島津はひっそりと耳打ちした。
「アイツは怒ってるわけじゃねえよ」
「そうなのか……?」
島津の言葉に田口は首を傾げてしまった。
怪訝そうな顔をする田口に、島津は人の悪い笑みを見せてちらりと速水に視線をやった。
「引っ繰り返ってるお前を見て慌てた自分が、小っ恥ずかしいんだよ」
「え…………?」
島津の言葉に驚いて、田口も速水の背中を盗み見る。
それが本当かどうかは解らない、だが。
腹の中がむずむずと落ち着かなくなって、田口はそそくさと視線を反らしたのだった。
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COMMENT
ありがとうございます!
この度は、リクエストを受けていただきまして、ありがとう御座いました!
ネタかぶりのような、やりにくいであろうリクエストですみませんでした。
バカとか言われて不貞腐れてる行灯が可愛かったです!運動神経がややアレなのも可愛いらしい。
あと、何故かデット・オア・アライブで吹きました。真顔で言ってると思うと何故か…
なんだかんだ言いつつ、心配性な将軍に和みました。手間が掛かる子ほど可愛いっていうのが思い浮かんだり。
ふわふわした、和むようなのを書いてくださり、ありがとうございました!
50000hitという、記念すべき回に踏ませて頂いたことも光栄に思っております。
このような、素敵なサイト様が末永く続いていくことを、心より願いつつ、本日は締めくくらせていただきます。
素敵な和む文をありがとうございました!
ネタかぶりのような、やりにくいであろうリクエストですみませんでした。
バカとか言われて不貞腐れてる行灯が可愛かったです!運動神経がややアレなのも可愛いらしい。
あと、何故かデット・オア・アライブで吹きました。真顔で言ってると思うと何故か…
なんだかんだ言いつつ、心配性な将軍に和みました。手間が掛かる子ほど可愛いっていうのが思い浮かんだり。
ふわふわした、和むようなのを書いてくださり、ありがとうございました!
50000hitという、記念すべき回に踏ませて頂いたことも光栄に思っております。
このような、素敵なサイト様が末永く続いていくことを、心より願いつつ、本日は締めくくらせていただきます。
素敵な和む文をありがとうございました!
Re:ありがとうございます!
いらっしゃいませ。こちらこそ、リクエスト有り難う御座いました。
折角記念番号だったのに、おまけもなしで申し訳ない。
その上、キリ番hitしてから、ギリギリ1カ月以内だとぅ?
ほんとお待たせいたしましたです。
>和み文
ねえ。意外なほどほのぼのしましたね。大体このテのはギャグに走るのですが……。
でもあんまり「からかって」ないので、そこのとこはリク外ししたなぁと思っていたところです。寧ろ怒ってるし。
許して頂けたようで有難い限り……感謝感謝。
行灯先生の運動神経が繋がってないのは仕様! だと思っております。
これからものっそり更新していきますので、どうぞ宜しくお付き合い下さいませ。
またのご来訪をお待ちしておりまーす。
折角記念番号だったのに、おまけもなしで申し訳ない。
その上、キリ番hitしてから、ギリギリ1カ月以内だとぅ?
ほんとお待たせいたしましたです。
>和み文
ねえ。意外なほどほのぼのしましたね。大体このテのはギャグに走るのですが……。
でもあんまり「からかって」ないので、そこのとこはリク外ししたなぁと思っていたところです。寧ろ怒ってるし。
許して頂けたようで有難い限り……感謝感謝。
行灯先生の運動神経が繋がってないのは仕様! だと思っております。
これからものっそり更新していきますので、どうぞ宜しくお付き合い下さいませ。
またのご来訪をお待ちしておりまーす。