返礼の七つ星

54000をヒットしたゆぽん様のリクエストです。
ゆぽん様、ヒットおめでとう＆リクエスト有り難う御座いました。

リク内容は「世良×渡海」でした。
……ビックリでしょう？
品質保証致しかねますと先に宣言しましたが、掛け算になりませんでした。
せーぜーが足し算です。取り敢えず二人一緒にいる、かな。
「ペアン」の、世良ちゃんが辞める辞めないあたりの話です。
ちなみに「メス」はまだ購入しておりません。


正直、連日の暑さに作業能率が落ちてます。
とゆーかね、パソコン触りたくないの。機械熱酷いし。
この暑いのにパソコン使うのは、機械にも可哀想な気がするなぁ。

世良の進退問題は、高階や渡海からすればタバコ一箱程度の話らしい。
渡海から渡されたセブンスターを高階に届ければ、高階は

「おや、律儀ですね」

と笑った。
渡海を笑ったようだったが、実はわざわざタバコ一箱を届けにきた世良を笑ったようにも見えた。
高階の所を辞去した足で、世良は自販機の前に立つ。
小銭を投入して、先程高階に渡した銘柄のボタンを押した。
世良はタバコを嗜まない。
いい加減、二十歳も過ぎて後ろめたい事などない筈なのに、少しばかり緊張したのが我ながら滑稽だった。



「はい」
「ん？　何だよ、これ」
「タバコですが」

世良が手渡したタバコを、渡海は怪訝そうな顔で見た。
世良は敢えて平静な口調で当たり前の答えを返した。
いくら照明に翳して矯めつ眇めつしても、種も仕掛けもないタバコだ。
渡海は世良に怪訝そうな顔を向けた。

「何だよ、くれんのか？」
「ええ」

からかうような口調の渡海に、世良は頷いてみせた。
渡海は軽く目を見開いたが、たちまちニヤリと口の端を歪める。
悪魔の渾名に相応しい、性根の悪そうな笑みだった。

「ふぅん。俺が損した分を買ってくれたってワケか」
「そんなところです」
「成程ね」

お前のせいで損をした、みたいなことを言われたので、何となくやり返したくなっただけである。
申し訳ないと思ったワケでは、断じてなかった。
タバコ一箱、世良が返したのなら渡海の損は無かったことになるはずだ。
渡海はニヤニヤと笑っている。
どうやら、世良の微妙な反抗心などお見通しのようだ。

「ほいじゃ、折角だから貰っとくか」

タバコを掲げて、渡海は軽く振った。
パッケージされたままのタバコは音を立てることもなく、セロファンがひしゃげて少し鳴っただけだった。

「ご自由に」

世良が返したのは可愛げのない一言だ。
尤も、今この場ではそんなドライさが相応しいのだろう。