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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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51111番をヒットした、こなつ様のリクエストです。
キリ番ヒットおめでとう。
リクエスト有り難う。
お待たせしてゴメンなさい。
……ご挨拶オンパレードですな。
いやホント、お待たせ致しました。


リク内容はといいますと、「同期でパジャマパーティー、中年Ver.」でした。
あなたそんな、萌え度の低いものを……と正直思った。
ウチは文字だからまだそうでもないけど、これをストレートにマンガにしたら、おっさんくさいものが出来上がるのは間違いない、と思う。
しかしそこで何とか、萌えツボを捏造するのが同人屋の心意気!
というワケで、頑張ってみたいと思います。
某Iさまのところでこのリクの学生時代バージョンを発見したので、ちょこっと対抗意識があったりするが……負けは目に見えているな。
ところで"パジャマパーティー"ってさ、「パジャマで、布団の上でゴロゴロしながらグダグダと話(主に恋バナ)をすること」って定義でいいの?
何か違うものが出来上がったよ!


私信
・黄月さま:リクメール読みました。暫く考えてみますね~。
・初さま:55000hitおめでとうございます。ごゆっくりどうぞデス。

「ぅんっ、や…………っ」
「ヤ、じゃねえよ。いいだろ?」
「まだ歯ぁ磨いてないっ」
「うん、ビールの味がする」

食後ほどなくして、速水から仕掛けられた悪戯に田口が身を捩った時だった。
ピンポーン、と間抜けなチャイムの音がする。

「え?」

予想外の時間の訪問客に、田口と速水は思わず顔を見合わせる。
そんな僅かな時間にも焦れたのか、チャイムは連打乱打に切り替わった。
ピンポーンっンポーンピンポンピンポーンっ!
怒涛のピンポンラッシュに急かされて、田口は慌てて玄関に向かった。
覗き穴を確認するより先に、勢いよく扉を開く。

「はいっ、何でしょう……って、彦根?!」

扉を開けて出たところには、呼鈴の前に人差し指を構えた彦根が立っていた。
他県にいる筈の彦根が、どうしてこの場にいるのか。

「どうもぉ~」

呆気にとられる田口に向かい、彦根はだらしなく笑った。



つまり、学会絡みで彦根は桜宮に来たらしかった。
本当はホテルをとるつもりでいたが、忙しなさに紛れて気付けば期日直前、宿泊先が確保出来なかったらしい。
そこで、急に押し掛けても泊めてくれそうなお人好し……つまり田口の元を訪れたというワケだ。

「お前、こっちの都合も考えろよ……」
「まーまー。ちゃんと手土産持ってきましたからっ」

仏頂面の二人に、彦根は大きいビニール袋を差し出した。
受け取った田口がその重みに瞬間よろけた。
中身は酒類とつまみ各種だ。
横から袋の中身を覗き込んだ速水は、溜息を吐くと携帯電話を取り出した。

「速水?」

首を傾げた田口に、発信音の間を縫って速水が答えた。

「島津だよ。もう、今日は酒盛りだ」
「あ、うん、そうだな」

速水の言葉に田口はほにゃりと笑った。
二人の時間が潰れた事をめいっぱい残念がっている速水の内心は、田口には伝わっていないようだった。



急遽呼びつけられた島津が仏頂面で加わり、突発的なすずめ四天王吞み会が開催される運びになった。
車座になって胡坐をかき、床に直接ツマミやグラスを並べる宴会は、学生時代の合宿のようだった。
島津以外の三人は、寝巻代わりの襟の伸びたTシャツである。

「先輩これ、部屋テコ?」
「おー。結構楽なんだわ」

速水が下に履いている夏用のステテコを引っ張って彦根が尋ねた。
ルームウェアとしても通用する、柄の入ったものだ。
島津が横目で田口を見た。

「どうして速水の服がお前んチにあるのか訊くのは、無粋なんだろうな?」
「訊いてもいいぞ? アイツが置いてったからってしか答えないけど」

焼酎のグラスを傾けながら田口は応じる。
島津は溜息を吐いた。

「お前も随分厚かましくなったなぁ」
「全くです。昔はからかい甲斐があって、ホント面白かったのに」
「お前、人をそんな風に思ってたのか、彦根……」

彦根の言葉に、今度は田口が溜息を吐く番だった。
草臥れた表情の田口を見て、彦根はからからと邪気の無い笑顔を浮かべる。
その彦根に速水がヘッドロックをかけた。

「行灯をからかうのは俺の特権だっての。解ってんのか、彦根?」
「止めて下さいよ、暑いんですから……って、痛たたたっ」
「ははっ」

ヘッドロックの上にウメボシを喰らって、流石に彦根も声を上げる。
後輩の不幸は楽しいもので、田口と島津は声を上げて笑った。
ようようのことで速水の攻撃から逃れた彦根は、ハイボールを呷って一息吐いた。
手の中の缶を見てちょっと不思議そうな顔になる。

「ハイボール缶なんて、昔は無かったですよね」
「そういやそうだな」
「それでいったら、第三のビールもだろ」
「あー俺、最近発泡酒ばっかだ」

彦根の振りに頷いたのは田口だ。
速水が出した発泡酒の話題には島津が食いつく。

「せっこ」
「味は大差ねえだろ」
「貧しい反応ですねえ、それ」
「あ、でも、流石にプレミアム系のは美味いって判るよ」

話題はいくらでも転がっていく。
笑いは尽きず、時間は飛ぶように過ぎる。
仕事も世間の憂さも忘れ、随分と気持ちよく四人は酔ったのだった。



「…………って、遅刻っ?!」
「「あ、俺ら休み」」
「僕も休み取っちゃいましたから」

翌朝慌てる羽目になるのは島津一人だった。
その不公平さに、島津が残りの三人を思い切り恨んだのは言う間でも無かった。
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ありがとうございます
同期でパジャマパーティー 中年ver堪能させていただきました。

私の中では究極に萌え萌え設定のつもりだったんですけど(あのころは一日中脳内でパジャマパーティーが繰り広げられてましたw)、たしかに絵面で考えたらおっさんくさくむさいことこの上ないですね。
とんでもなくめんどくさいリクエストにしてしまったみたいでごめんなさい&素敵なお話に仕上げてくださってありがとうございます。

I様のところでもちょうど同じくらいの時期にキリ番を踏ませていただいていたのですが、私の勘違いでお二人に同じお願いをしてしまったみたいです。申し訳ありませんでした。でも図らずも学生Verと大人verと両方堪能できてうはうはなこなつであります。
こなつ 2010/07/15(Thu)22:49:44 編集
Re:ありがとうございます
いらっしゃいませ。
うん、あんなんでもお受け取り下さいまして、誠に有り難う御座います。
苦戦の跡が見え隠れしているのが、何ともはや……ううっ。

>中年のパジャマパーティーは萌えるか
つーか、家呑みと紙一重じゃなかろうかと思うのですが……。
霧島の妄想力では、どうやってもムサ苦しい絵面にしかなりませんでした。精進が足らんのだろうか?
こなつ様を見習わなきゃダメですね。

そんなダメ管理人に、これからも喝を入れてやって下さいませ。
またのご来訪を楽しみにしております。
S.Kirishima 2010/07/16 20:40
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