54444ヒット、虎屋太さまのリクエストです。
虎屋太さま、リクエスト有り難う御座いました!
リク内容は「行灯先生と手錠で遊ぶ猟犬」でした。
暑いのにエロなんて書く気力ねぇぞ~~と思ってたのですが、よくよくリクエスト読み返してみたら「明るく」ってことだったので、コメディでいいやということになりました。
そんなワケで、色気皆無です。脱いでもいないです。
それではどうぞ。
余談ですが、夏の警察官の格好を想像したのですが、猟犬にクールビズはどう考えても似合わないのでした。どうしよう?
虎屋太さま、リクエスト有り難う御座いました!
リク内容は「行灯先生と手錠で遊ぶ猟犬」でした。
暑いのにエロなんて書く気力ねぇぞ~~と思ってたのですが、よくよくリクエスト読み返してみたら「明るく」ってことだったので、コメディでいいやということになりました。
そんなワケで、色気皆無です。脱いでもいないです。
それではどうぞ。
余談ですが、夏の警察官の格好を想像したのですが、猟犬にクールビズはどう考えても似合わないのでした。どうしよう?
「暑くないんですか?」
不定愁訴外来に顔を出した加納に、田口は首を傾げながら尋ねた。
加納は不機嫌そうに田口を見る。
「おお、暑いぞ、決まってんだろ。いいよな、あんたは涼しそうなカッコで。その上空調の効いた屋内勤務ときた」
「ああ、もう…………」
一言が倍以上になって返ってくる。
暑いと言うなら口数を減らせば、エネルギーを使わない分、多少なりとも涼しくなるかもしれないのに。
恨みがましい加納の声に、田口はうんざりした表情になった。
夏のこの時期に、加納はジャケットを手にもっていた。ネクタイもきちんと締めている。
世はクールビズが浸透しつつあるというのに、警察庁はそうでもないらしい。
田口も半袖シャツの上に白衣を着てはいるが、引っ掛けているだけで風通しの良い状態である。勿論ノータイだ。
そんな田口が、思わず加納に疑問を投げかけたとしても無理はないだろう。
「お役所なんて、真っ先にクールビズをやりそうなのに」
「警察はそうはいかねえんだな」
田口の独り言めいたセリフに加納はにやりと笑った。
そして、ソファに放り出していたジャケットを手にとり、上下に揺する。
がちゃがちゃ、と音がしたかと思うと、何かが床に落ちた。
音だけで、なかなか重さのあるものだと田口は判断する。
身体を屈めて加納はそれを拾い上げた。
「こーゆうモンも持ってなきゃなんねえからな」
加納が翳してみせたのは、ツヤ消し加工のしてある黒い輪が二つ。
田口は思わず口をぽかんと開けてしまった。
加納の職業を考えれば、その金属製の輪っかの正体は一つしかない。
「手錠、ですか」
「ご明察」
聊か間抜けな表情になっていたのだろう。
加納はにやりと底意地の悪い笑みを浮かべて言った。
そうして更に加納は田口をからかいにかかる。
「触ってみるか?」
「え? そりゃマズイでしょ」
「バレなきゃいいんだろ」
「えっと、そのっ」
強引にその手錠を乗せられ、田口は目をきょろきょろさせた。
手錠と加納との間を、田口の視線が何度となく行き来する。
加納はニヤニヤと笑うばかりだ。
こうなったら少しばかり観察させて貰おうと、田口は金属の輪っかを片方手にとった。
残った輪がぶら下がる。
「へえ、それなりに重さあるんですね。鎖短いんだ……」
二つの輪を繋ぐ鎖はパーツ一つだ。
両手首はほぼ付いたままである。
感心したように呟いた田口に、コーヒーを口に運びながら加納は言った。
「鎖長かったら、手が動かせちまうだろ」
「ああ。刑事ドラマとかで、よく見ますね。手錠を掛けたままで、犯人が警官を人質にとって、鎖で喉を締め上げるってヤツ」
「ありゃオモチャもいいとこだ」
素人丸出しの感想だったが、加納はそこを笑う様子は無かった。
口元に浮かんだ嘲笑はマスコミに向けられている。
ほどほどに遊んで、田口は加納に手錠を返そうとした。
正直、持っていると心臓が休まらない。
警察装備品を触って喜ぶような趣味は田口にはないのだ。
「お返しします」
「何だ、もういいのか」
「もうも何も、触りたいワケじゃなかったのに……」
勝手に押し付けられたのだ。
万が一にも問題になったりしたら、加納に全責任を負って貰いたいところである。
手元に返ってきた手錠を、加納はカシャカシャと鳴らした。
金具が動いて輪が開き、また閉じる。
ニヤリ、と加納は笑って腰を浮かせた。
カシャッ。
「…………え?」
右の手首に黒い輪。
ブレスレットにしては無骨過ぎるそれを、田口はまじまじと見下ろした。
加納を見れば、相変わらず人の悪そうな笑みを浮かべている。
「……と、こういうふうに使うんだな」
「実演なんかしないで下さいよっ」
田口は抗議したが、加納には何処吹く風だ。
手錠の内径に余裕があるので手首が痛むワケではないが、関節の頭が触れてごつごつと痛む。
加納が弄っていた辺りを左手で触れ、手錠を開こうとしたが、そうは巧くいかなかった。
「加納さん」
田口が突き出した手首と、当たり前の要求。
しかし、返ってきたのは最大級にタチの悪い笑みだった。
そしてとんでもないセリフ。
「『外して下さい、お願いします』って可愛く言ってみな?」
なまじツラがいいので、悪いオトコの役も嵌ってしまう。
神様は加納に与える職業を間違えたのではないのかと、田口は半ば本気で思ったのだった。
「ん? お前、それどうした?」
右手首の周辺にところどころ残る擦り傷に目敏く気付き、速水が首を傾げた。
田口は手首を掲げると、長い溜息を吐いた。
下らなくて、説明する気も起こらない。
「ちょっと、手錠プレイをな」
田口のセリフを盛大に曲解し、速水が一人慌てふためく事になるのだが、それは別の話である。
不定愁訴外来に顔を出した加納に、田口は首を傾げながら尋ねた。
加納は不機嫌そうに田口を見る。
「おお、暑いぞ、決まってんだろ。いいよな、あんたは涼しそうなカッコで。その上空調の効いた屋内勤務ときた」
「ああ、もう…………」
一言が倍以上になって返ってくる。
暑いと言うなら口数を減らせば、エネルギーを使わない分、多少なりとも涼しくなるかもしれないのに。
恨みがましい加納の声に、田口はうんざりした表情になった。
夏のこの時期に、加納はジャケットを手にもっていた。ネクタイもきちんと締めている。
世はクールビズが浸透しつつあるというのに、警察庁はそうでもないらしい。
田口も半袖シャツの上に白衣を着てはいるが、引っ掛けているだけで風通しの良い状態である。勿論ノータイだ。
そんな田口が、思わず加納に疑問を投げかけたとしても無理はないだろう。
「お役所なんて、真っ先にクールビズをやりそうなのに」
「警察はそうはいかねえんだな」
田口の独り言めいたセリフに加納はにやりと笑った。
そして、ソファに放り出していたジャケットを手にとり、上下に揺する。
がちゃがちゃ、と音がしたかと思うと、何かが床に落ちた。
音だけで、なかなか重さのあるものだと田口は判断する。
身体を屈めて加納はそれを拾い上げた。
「こーゆうモンも持ってなきゃなんねえからな」
加納が翳してみせたのは、ツヤ消し加工のしてある黒い輪が二つ。
田口は思わず口をぽかんと開けてしまった。
加納の職業を考えれば、その金属製の輪っかの正体は一つしかない。
「手錠、ですか」
「ご明察」
聊か間抜けな表情になっていたのだろう。
加納はにやりと底意地の悪い笑みを浮かべて言った。
そうして更に加納は田口をからかいにかかる。
「触ってみるか?」
「え? そりゃマズイでしょ」
「バレなきゃいいんだろ」
「えっと、そのっ」
強引にその手錠を乗せられ、田口は目をきょろきょろさせた。
手錠と加納との間を、田口の視線が何度となく行き来する。
加納はニヤニヤと笑うばかりだ。
こうなったら少しばかり観察させて貰おうと、田口は金属の輪っかを片方手にとった。
残った輪がぶら下がる。
「へえ、それなりに重さあるんですね。鎖短いんだ……」
二つの輪を繋ぐ鎖はパーツ一つだ。
両手首はほぼ付いたままである。
感心したように呟いた田口に、コーヒーを口に運びながら加納は言った。
「鎖長かったら、手が動かせちまうだろ」
「ああ。刑事ドラマとかで、よく見ますね。手錠を掛けたままで、犯人が警官を人質にとって、鎖で喉を締め上げるってヤツ」
「ありゃオモチャもいいとこだ」
素人丸出しの感想だったが、加納はそこを笑う様子は無かった。
口元に浮かんだ嘲笑はマスコミに向けられている。
ほどほどに遊んで、田口は加納に手錠を返そうとした。
正直、持っていると心臓が休まらない。
警察装備品を触って喜ぶような趣味は田口にはないのだ。
「お返しします」
「何だ、もういいのか」
「もうも何も、触りたいワケじゃなかったのに……」
勝手に押し付けられたのだ。
万が一にも問題になったりしたら、加納に全責任を負って貰いたいところである。
手元に返ってきた手錠を、加納はカシャカシャと鳴らした。
金具が動いて輪が開き、また閉じる。
ニヤリ、と加納は笑って腰を浮かせた。
カシャッ。
「…………え?」
右の手首に黒い輪。
ブレスレットにしては無骨過ぎるそれを、田口はまじまじと見下ろした。
加納を見れば、相変わらず人の悪そうな笑みを浮かべている。
「……と、こういうふうに使うんだな」
「実演なんかしないで下さいよっ」
田口は抗議したが、加納には何処吹く風だ。
手錠の内径に余裕があるので手首が痛むワケではないが、関節の頭が触れてごつごつと痛む。
加納が弄っていた辺りを左手で触れ、手錠を開こうとしたが、そうは巧くいかなかった。
「加納さん」
田口が突き出した手首と、当たり前の要求。
しかし、返ってきたのは最大級にタチの悪い笑みだった。
そしてとんでもないセリフ。
「『外して下さい、お願いします』って可愛く言ってみな?」
なまじツラがいいので、悪いオトコの役も嵌ってしまう。
神様は加納に与える職業を間違えたのではないのかと、田口は半ば本気で思ったのだった。
「ん? お前、それどうした?」
右手首の周辺にところどころ残る擦り傷に目敏く気付き、速水が首を傾げた。
田口は手首を掲げると、長い溜息を吐いた。
下らなくて、説明する気も起こらない。
「ちょっと、手錠プレイをな」
田口のセリフを盛大に曲解し、速水が一人慌てふためく事になるのだが、それは別の話である。
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COMMENT
ありがとうございます
リクエストにお答えいただきありがとうございました!
行灯先生いじめのコメディ大好きなので、非常に楽しませていただきましたー。
ああ…困ってる行灯先生かわいい。
オフィシャルで猟犬ゴキブリコンビにいじられる
行灯先生が好きなものでw
それにしても、確かに猟犬の半袖姿は想像つきませんねw
きっちり将軍も絡めていただき、ほんとにありがとうございました‼
行灯先生いじめのコメディ大好きなので、非常に楽しませていただきましたー。
ああ…困ってる行灯先生かわいい。
オフィシャルで猟犬ゴキブリコンビにいじられる
行灯先生が好きなものでw
それにしても、確かに猟犬の半袖姿は想像つきませんねw
きっちり将軍も絡めていただき、ほんとにありがとうございました‼
Re:ありがとうございます
コメント有り難う御座います!
む、無理に誉め言葉を探して下さらなくてもよいのですよ?
意味ありげな場所でフェードアウトさせたりしたので、「ここ書けよっ!」ってツッコミ入れられてる気がして仕方ない……デス。
>行灯先生いじりはオフィシャル
ええ! 猟犬ゴキブリどころか、狸院長にも地雷原にもいじられるのが、行灯先生の宿命というヤツですねっ。
完全に負けてるワケじゃないんだけど、苦労の絶えない人だなぁ。
改めてリクエスト有り難う御座いました。
毎日暑いですねぇ。お体にはお気を付け下さいませ。
拙サイトにいらっしゃるなら、涼しい時間帯に!
ではでは、またの機会を楽しみにしておりますっ。
む、無理に誉め言葉を探して下さらなくてもよいのですよ?
意味ありげな場所でフェードアウトさせたりしたので、「ここ書けよっ!」ってツッコミ入れられてる気がして仕方ない……デス。
>行灯先生いじりはオフィシャル
ええ! 猟犬ゴキブリどころか、狸院長にも地雷原にもいじられるのが、行灯先生の宿命というヤツですねっ。
完全に負けてるワケじゃないんだけど、苦労の絶えない人だなぁ。
改めてリクエスト有り難う御座いました。
毎日暑いですねぇ。お体にはお気を付け下さいませ。
拙サイトにいらっしゃるなら、涼しい時間帯に!
ではでは、またの機会を楽しみにしておりますっ。