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こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
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別れネタ企画、第2弾です。春、花とくりゃ、あのお方。
寧ろこの方は第3弾というか想定外なのですが……。
愚痴外来でピカイチの名エンディングに妄想の余地など無い気がしますが、そこを敢えてやってみたいチャレンジャー。その名は無謀と言います。
季節がちょっと早いのが問題なんだ……世の中名残り雪も降ってるというのに。
でも高知で開花宣言したってゆーし、もういいやっ。


前回の更新の際、更新案内を出すのを忘れてました。
11月1日から5日まで、連続更新企画+キリリクの再録が始まっています。
連続更新ものはSSSのくくりでまとめました。
少々解かり難いかも……スミマせん。


後記:出来上がったら独り言ポエムでした。わたし、負けましたワ。

アメリカにも桜は咲く。
D.C.の桜は海外でも有名になっている。
広大な敷地に数を植え、スケールの大きさはやはりアメリカというところ。
だが、桜で思い起こされるのは日本だった。

「もうこんな季節なのか」

薄紅の遠景に桐生恭一は目を細めた。
辛うじて現状を維持している狭い視界に色彩は溢れ、埋め尽くす。
しかし何処に居ても、桜で思い起こされるのは日本であり、日本に関わる人々だった。
例えば、日本に残っている義理の弟。
例えば、日本で救うことが出来なかった人々。
例えば、日本で裁きを待つあの男。
そして例えば、日本で別れた彼、とか。

「…………ふっ」

小さな笑みが桐生の口元から零れた。
元気かどうかを気にしかけたが、彼が病気である様子を思い浮かべられなかったのだ。
彼だって人並みに風邪の一つもひくだろうに、そういった想像はちっとも出来なかった。
冬なら冬の、春なら春の、その陽だまりのように笑っている姿しか浮かばない。

「懐かしい…………」

苦い思い出もある桜宮を、たった一年でこれほど懐かしむ日が来るとは思わなかった。
帰宅したら義理の弟に電話を入れようと思う。
彼の連絡先を知らないので電話と言うワケにはいかなかったが、それはそれで構わないと思う。
彼には、手紙か葉書の方が似つかわしいかもしれない。
帰宅したのちにやることを思い浮かべ、しかし桐生はゆっくりと桜の下を歩いていった。
急いで通り過ぎてしまうには惜しい。
自分らしくない牛歩は、日本で最後に歩いた桜並木をまた思い出させた。
その時もゆっくりだった。
今も、隣りを彼が歩いている気がした。
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