思い付き小ネタです。
冬季五輪が盛り上がっておりますねえ。
仕事のシフトの関係上、昼間のライブは見られる時と見られない時とちぐはぐです。昨日の女子スケートSPは、3組まではリアルで見てました。
……だから更新も捗っておりません。
私信:37000ヒット、ほの様
キリ番ヒットおめでとうございます。スルーされたと思ってましたので、報告大変嬉しいです。
リクエスト承りました、少々お待ち下さいませ。
冬季五輪が盛り上がっておりますねえ。
仕事のシフトの関係上、昼間のライブは見られる時と見られない時とちぐはぐです。昨日の女子スケートSPは、3組まではリアルで見てました。
……だから更新も捗っておりません。
私信:37000ヒット、ほの様
キリ番ヒットおめでとうございます。スルーされたと思ってましたので、報告大変嬉しいです。
リクエスト承りました、少々お待ち下さいませ。
その一、地下室の魔人の場合
満天から戻る途中で外来ホールを横目で過ぎると、えらく盛り上がっていた。
待ち時間のサービスに設置された大型液晶テレビを中心に、黒い頭が半円を描いている。
ここ数日、外来ホールはずっとこんな様子だった。
「今日はフィギュアか」
事前の注目度の高かった競技は、人だかりの量も並みではなかった。
テレビの中では演技終了と共に大きな拍手が沸くのに、テレビの前は妙に沈黙しているのが不思議な感じだ。
暫しの間をおいて得点と暫定順位が表示される。
その瞬間だけ、黒山の人だかりは心を一つにした。
次の演技が始まると、薄情な観客はテレビの前から散っていく。
「おっと、仕事だ仕事」
ついつい足を止めていた島津も、頭を一つ掻いて地下へ戻っていった。
その二、オレンジ新棟の将軍の場合
救命救急センター部長室には、病床モニターと共にテレビモニターがある。
ここ数日、ニュースの合間に流れるのは五輪放送ばかりだった。
実は密かに冬季五輪を満喫している速水である。
『ここまでの順位は~、次はいよいよ注目の第4組が~、現在氷上では~』
アナウンサーの声と共に、注目の日本人選手がアップで映る。次いで、金メダル筆頭候補の外国選手。
スポーツ選手の大半が自分より年下になったのは、何時頃だろうか。
『それでは~』
…………というところで、救急搬送のランプが点いた。
間を置くことなく、電話を受けるナースの声がする。
「交通外傷、70代女性!」
「受ける………………くそっ」
受ける、と返事はしたものの、舌打ちは隠せなかった。
これからいいところだったのに。
しかし仕事は仕事だ。高齢者は、高齢者というだけで難しくなる。
意識をテレビから切り離すと、速水は勢いよく立ち上がった。
その三、愚痴外来の昼行灯の場合
音楽が切れ、演技終了の決めポーズとともに画面の中では歓声が上がる。
バンクーバーに行けない田口は、画面の向こうで遠慮がちに拍手をした。
ちなみに、歓声に笑顔で応える選手と田口とは何の繋がりも無い。
だが、演技を素晴らしいと思うことに、国境は無い筈だ。
「やっぱり金メダル候補って違いますねえ」
「ホント。ポーズの一つ一つがきちんと決まるのね」
田口が言うと、藤原も感嘆の吐息と共に頷いた。
隔離された場所であることをいいことに、ここ暫く、二人は小型テレビを持ち込んで存分に五輪観戦をしているのである。
ちゃんとテレビの電波が入ってくるのが、田口には意外だった。
「きっと彼女が金メダルでしょうね」
「うーん……日本人がメダル獲るの、大変そうですけどね」
正直、誰がメダルを獲得しても田口はいい気がしている。
戦争が始まるわけではないし。
叩き出された高得点を、藤原と共に感嘆の声を上げて見守った。
満天から戻る途中で外来ホールを横目で過ぎると、えらく盛り上がっていた。
待ち時間のサービスに設置された大型液晶テレビを中心に、黒い頭が半円を描いている。
ここ数日、外来ホールはずっとこんな様子だった。
「今日はフィギュアか」
事前の注目度の高かった競技は、人だかりの量も並みではなかった。
テレビの中では演技終了と共に大きな拍手が沸くのに、テレビの前は妙に沈黙しているのが不思議な感じだ。
暫しの間をおいて得点と暫定順位が表示される。
その瞬間だけ、黒山の人だかりは心を一つにした。
次の演技が始まると、薄情な観客はテレビの前から散っていく。
「おっと、仕事だ仕事」
ついつい足を止めていた島津も、頭を一つ掻いて地下へ戻っていった。
その二、オレンジ新棟の将軍の場合
救命救急センター部長室には、病床モニターと共にテレビモニターがある。
ここ数日、ニュースの合間に流れるのは五輪放送ばかりだった。
実は密かに冬季五輪を満喫している速水である。
『ここまでの順位は~、次はいよいよ注目の第4組が~、現在氷上では~』
アナウンサーの声と共に、注目の日本人選手がアップで映る。次いで、金メダル筆頭候補の外国選手。
スポーツ選手の大半が自分より年下になったのは、何時頃だろうか。
『それでは~』
…………というところで、救急搬送のランプが点いた。
間を置くことなく、電話を受けるナースの声がする。
「交通外傷、70代女性!」
「受ける………………くそっ」
受ける、と返事はしたものの、舌打ちは隠せなかった。
これからいいところだったのに。
しかし仕事は仕事だ。高齢者は、高齢者というだけで難しくなる。
意識をテレビから切り離すと、速水は勢いよく立ち上がった。
その三、愚痴外来の昼行灯の場合
音楽が切れ、演技終了の決めポーズとともに画面の中では歓声が上がる。
バンクーバーに行けない田口は、画面の向こうで遠慮がちに拍手をした。
ちなみに、歓声に笑顔で応える選手と田口とは何の繋がりも無い。
だが、演技を素晴らしいと思うことに、国境は無い筈だ。
「やっぱり金メダル候補って違いますねえ」
「ホント。ポーズの一つ一つがきちんと決まるのね」
田口が言うと、藤原も感嘆の吐息と共に頷いた。
隔離された場所であることをいいことに、ここ暫く、二人は小型テレビを持ち込んで存分に五輪観戦をしているのである。
ちゃんとテレビの電波が入ってくるのが、田口には意外だった。
「きっと彼女が金メダルでしょうね」
「うーん……日本人がメダル獲るの、大変そうですけどね」
正直、誰がメダルを獲得しても田口はいい気がしている。
戦争が始まるわけではないし。
叩き出された高得点を、藤原と共に感嘆の声を上げて見守った。
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