三月の企画をスタートします。
ホントは企画の候補が二つあったんだが、季節感の強い方をチョイスしてみた。もう一方は、何時でも何とかなりそうなんだ……。
というワケで、三月の企画タイトルはっぴょーっ!
「春なのに企画・別れネタ満載月間」
です。
わぉ、シリアスな匂いぃ~。
三月といえば卒業式シーズンなワケで、別れネタを捻り出してみようという企画です。
満載というワリに、現時点で候補が二つっきゃないのですが……無い知恵を絞るしかないな。
ちなみに「春なのに」がどこから来たかといえば、中島みゆき作詞作曲にそういう歌があるからです。歌ってたのは誰だっけ? 榊原か柏原か。
で、申し訳ないけどいきなりその他です。
オレンジの歌姫と爆弾娘です。青本エンディングかな。
私信:モトコさま
キリ番ヒットおめでとうございます。メッセージ受信しました。
リクエストのんびりどうぞです。
ホントは企画の候補が二つあったんだが、季節感の強い方をチョイスしてみた。もう一方は、何時でも何とかなりそうなんだ……。
というワケで、三月の企画タイトルはっぴょーっ!
「春なのに企画・別れネタ満載月間」
です。
わぉ、シリアスな匂いぃ~。
三月といえば卒業式シーズンなワケで、別れネタを捻り出してみようという企画です。
満載というワリに、現時点で候補が二つっきゃないのですが……無い知恵を絞るしかないな。
ちなみに「春なのに」がどこから来たかといえば、中島みゆき作詞作曲にそういう歌があるからです。歌ってたのは誰だっけ? 榊原か柏原か。
で、申し訳ないけどいきなりその他です。
オレンジの歌姫と爆弾娘です。青本エンディングかな。
私信:モトコさま
キリ番ヒットおめでとうございます。メッセージ受信しました。
リクエストのんびりどうぞです。
オレンジの二階で起こっていたことを、如月翔子は全く知らなかった。
一階も戦場だったから、仕方のないことだったかもしれない。
異変に気付いたのは、浜田小夜の携帯と連絡がつかなくなってからだ。
「ちぇ~~っ、話聞いて欲しかったのにな」
失恋した。多分、これは失恋にカウントしていいだろう。
救命救急センターの速水部長の極北行きが決まり、翔子はそれには一緒に行けない。
告白は「もっといい男がいるよ」と大人の顔で流されて、自分も笑ってみせた。
憧れとの線引きは曖昧だったが、それでも、この寂しさは誰かに、小夜に聞いて欲しかった。
だから電話したのに、携帯はあっさり留守番電話に切り替わる。
繋がらなかった電話をベッドの枕元に放り出し、翔子は仰向けにベッドに寝転んだ。
携帯が繋がらない。
病院にも、小夜は出勤してこなかった。
今では翔子の上司になった猫田に訊いても、小夜は辞めたと言うだけだ。
辞めた理由も、彼女の身の振り方も、全く教えてくれなかった。
「…………はぁっ」
仕事の愚痴を零すのに、不定愁訴外来ほど適した場所はなかった。
本来は患者さんの為の外来だが、いつの間にかこうして翔子も利用している。
藤原が嘗ての猫田の上司というところも大きいのだろう。
翔子の愚痴の半分は、猫田が厳しいという点なのだ。
愚痴が途切れたところで溜息を吐いた翔子に、田口は首を傾げた。
「ユーウツそうですね」
「ちょっと……」
「そうですか」
言葉を濁した翔子に対し、好奇心を向けるでもなく田口は流した。
根がミーハーで好奇心の強い翔子には、とても出来ない真似だ。
愚痴なら、田口に零せた。
でも、幾ら不定愁訴外来責任者でも、言えない話なんか幾らでもあった。
だから小夜に聞いて貰いたいのに、その小夜がいない。
今はもう、速水に対する失恋よりも、小夜がいないことの方が重要だった。
「いなくなって初めて、その……存在っていうか、大きさに気付くことって、あります?」
突然に全く方向の違う話を振られ、少し驚いた顔をした田口だったが、すぐに緩い笑みを浮かべた。
その笑みは、年長者が浮かべる笑みだ。
一つや二つの年の差ではなく、酸いも甘いも経た大人の笑み。
「ええ、何度も」
頷いて貰う。
それだけで、この寂しさは自分一人のものではない気がした。
一階も戦場だったから、仕方のないことだったかもしれない。
異変に気付いたのは、浜田小夜の携帯と連絡がつかなくなってからだ。
「ちぇ~~っ、話聞いて欲しかったのにな」
失恋した。多分、これは失恋にカウントしていいだろう。
救命救急センターの速水部長の極北行きが決まり、翔子はそれには一緒に行けない。
告白は「もっといい男がいるよ」と大人の顔で流されて、自分も笑ってみせた。
憧れとの線引きは曖昧だったが、それでも、この寂しさは誰かに、小夜に聞いて欲しかった。
だから電話したのに、携帯はあっさり留守番電話に切り替わる。
繋がらなかった電話をベッドの枕元に放り出し、翔子は仰向けにベッドに寝転んだ。
携帯が繋がらない。
病院にも、小夜は出勤してこなかった。
今では翔子の上司になった猫田に訊いても、小夜は辞めたと言うだけだ。
辞めた理由も、彼女の身の振り方も、全く教えてくれなかった。
「…………はぁっ」
仕事の愚痴を零すのに、不定愁訴外来ほど適した場所はなかった。
本来は患者さんの為の外来だが、いつの間にかこうして翔子も利用している。
藤原が嘗ての猫田の上司というところも大きいのだろう。
翔子の愚痴の半分は、猫田が厳しいという点なのだ。
愚痴が途切れたところで溜息を吐いた翔子に、田口は首を傾げた。
「ユーウツそうですね」
「ちょっと……」
「そうですか」
言葉を濁した翔子に対し、好奇心を向けるでもなく田口は流した。
根がミーハーで好奇心の強い翔子には、とても出来ない真似だ。
愚痴なら、田口に零せた。
でも、幾ら不定愁訴外来責任者でも、言えない話なんか幾らでもあった。
だから小夜に聞いて貰いたいのに、その小夜がいない。
今はもう、速水に対する失恋よりも、小夜がいないことの方が重要だった。
「いなくなって初めて、その……存在っていうか、大きさに気付くことって、あります?」
突然に全く方向の違う話を振られ、少し驚いた顔をした田口だったが、すぐに緩い笑みを浮かべた。
その笑みは、年長者が浮かべる笑みだ。
一つや二つの年の差ではなく、酸いも甘いも経た大人の笑み。
「ええ、何度も」
頷いて貰う。
それだけで、この寂しさは自分一人のものではない気がした。
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