忍者ブログ
こちらは、愚痴外来シリーズの妄想文を展開するブログです。 行灯先生最愛、将軍独り勝ち傾向です。 どうぞお立ち寄り下さいませ。
[333]  [332]  [331]  [330]  [329]  [328]  [326]  [327]  [325]  [324]  [323
×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

まずはサイトの更新のご報告。
連続更新企画の6日から10日まで。今回は全てSSS収録です。


思い付き一発芸です。
最近になって、近隣でミニチュッパを見かけるようになりました。
首都圏からおおよそ三カ月遅れでしょうか? 話題になったのって、確か年末か年明けくらいでしたよね。
ところで、世の中、大きいチュッパがあるのをご存じでしょうか?
多分みんな知ってると思うんだけど、ネタにした人を見たことないんです。
ネタとしてはごくごく当たり前過ぎてやらないだけか?
そんなワケで、「ああ、ベタだぁ」と思いながらもやってしまいます。

「やる」
「あん?」

こつん、と後頭部にぶつけられたものはそれなりに痛かった。
眉間に皺を寄せて速水が振り仰ぐと、田口が楽しそうに笑って立っている。
咄嗟に視界の端に映ったのは鮮やかな赤だった。

「何?」
「見つけたんだ。面白かったから買ってきた」

距離が近過ぎて全体像が掴めない「それ」を受け取って速水は眺めた。
プラスチック製のおもちゃかと思ったら、速水にとって馴染みの姿形をしている。
それは、大きいチュッパチャプスだった。

「何だこれ? 入浴剤?」
「な?」

初めて目にした代物に、速水が声を上げる。
悪戯に成功した子供の声で田口が笑った。
ついつい真剣に、速水は取扱説明を読んでしまった。
プラスチックの大きなチュッパチャプスの中に入っているのはバスボールで、それが溶けると中からチュッパチャプスのフィギュアが出てくるらしい。

「残念、食えないか」
「そんなデカいの、どうやって食うんだよ」

この大きさのチュッパチャプスがあったら、さぞ人々の度肝を抜くだろうに。
速水は冗談めかして言うと、田口も笑った。
冗談ついでにもう一つ、速水は誘いをかけてみる。

「これって一緒に風呂に入りたいっていう、遠回しなお誘いか?」

毎度却下される誘いは、しかし、今回ばかりは笑顔で迎えられた。
田口は尚も速水をからかうように笑って、言う。

「フィギュアが出てくるところって、ちょっと見てみたいな」

田口の返答に速水は二、三度瞬きをした。
まったく、今日は田口に驚かされっぱなしだ。
しかし、折角田口がその気になっているチャンスを逃すつもりは、速水には毛頭ない。
大きいチュッパチャプスの棒を持ってくるっと回すと、了解の意図を込めて田口に一つ笑って見せた。
食べられないチュッパチャプスにも、相応に楽しみ方があるようだ。
PR
back
COMMENT
name
title
text
color   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
mail
URL
pass
secret
TRACKBACK
TrackbackURL:
PREV ←  HOME  → NEXT
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
最新コメント
[04/04 トワ]
[04/03 武那しめじ]
[03/12 名無し]
[01/04 みなみ]
[12/16 武那しめじ]
リンク
倉庫サイトと素敵同盟さま
プロフィール
腐れ管理人、霧島です。
趣味は図書館通いと立ち読み。
レンタルで映画DVD視聴。
モットーは「とりあえず」。
ブログ内検索
バーコード
最新トラックバック
Copyright (C) 2024 M-Rainbow All Rights Reserved.

Photo by (c)Tomo.Yun   TemplateDesign by kaie
忍者ブログ [PR]