39000ヒットの東さまからのリクエストです。
東さま、ヒットおめでとうございます&リクエスト有り難う御座いました。
リク内容は「家族物でお花見」ということでした。
立て続けにラヴィアンローズです。
今更ですがラヴィアンローズは夢オチです。
皆様、ホントーによろしいんですか?
何ていうかこう、これほど将軍が恵まれない前提のシリーズも無い気がするのですが。
これからも、このシリーズで将軍が報われる予定などないのですが。
まあ、書いてる方は夢から覚めた辺りの行灯先生のクールな反応が一番楽しかったりする。
東さま、ヒットおめでとうございます&リクエスト有り難う御座いました。
リク内容は「家族物でお花見」ということでした。
立て続けにラヴィアンローズです。
今更ですがラヴィアンローズは夢オチです。
皆様、ホントーによろしいんですか?
何ていうかこう、これほど将軍が恵まれない前提のシリーズも無い気がするのですが。
これからも、このシリーズで将軍が報われる予定などないのですが。
まあ、書いてる方は夢から覚めた辺りの行灯先生のクールな反応が一番楽しかったりする。
学校という場所に桜はつきものである。それこそ小学校から大学まで。
桜のない学校で過ごした経験がある人の方が少ないかもしれない。
東城大にもいろいろな場所に桜の木があった。
医学部や附属病院の近くにもあるし、一般共通棟や理工学部の傍にもある。
大学キャンパスに近い桜は、花見のシーズンともなると夜な夜な新歓コンパと称して学生が群がったりする。
だが、附属病院に近い旧棟から続く桜並木は、一家族で一本を独占することが出来た。
「おはな、キレイ」
「ふやや~~っ」
「二人とも転ぶなよ――」
風でふわりと落ちてくる花弁を追いかけて、上を向いたままクルクルと足踏みする双子の娘に速水は声をかけた。
だが、二人とも聞いていないのは明らかだった。
田口も溜息を吐きながら、ランチボックスを片付けた。
速水家の花見は、毎年病院の敷地内で行われている。
人の集まる公園などは、田口が面倒臭がる為だ。
お手製のお弁当を持って、子供たちには病院の売店でジュースを買って、大人は水筒にコーヒーを入れてきて、家族水入らずで花見を楽しむのである。
「えいっ」
「捕まらな――いっ」
ペチン、と子供の柔らかい掌が打ち合わされる。
落ちてくる花弁を捕まえようとしているのだが、先程から空振ってばかりだ。
公子より運動神経のよい晃子でも、上手くいかずに眉を下げている。
落ちてくる花弁ばかりを目で追っている娘たちを見ていると、速水は学生時代を思い出した。
「俺もやったなぁ」
「何を?」
「桜の花びら。斬ろうとして、ずっと目で追ってた」
医鷲旗を目指し、強くなろうとしていた時だ。
桜の花弁を斬ろうなど、今思うと恥ずかしいほどに熱血青春していたのではなかろうか。
田口もそう思ったのだろう、呆れたような苦笑を浮かべた。
「お前、そんなことやってたのか」
「若気の至り?」
「俺に訊くなよ」
そういう田口に一つ笑い、速水は立ち上がった。
長身を存分に活かして桜の枝を小さく折り取り、晃子の耳元に挿してやる。
「あきちゃん、いいなーっ」
「パパ、きーちゃんも!」
公子が羨ましそうな声で言った。
公子の分の花を、晃子が声を上げて強請る。
「解ってるよ、ほら、きみの分だ」
もう一度腕を伸ばして小さな枝を折ると、速水は今度は公子の耳元に挿してやった。
「よし。二人とも可愛いぞぉ」
「えへへっ」
「ふふふっ」
ご満悦の速水に誉められて、晃子と公子はお互いを見た。
それから手を繋いで可愛く笑い出す。
「はーやーみー?」
田口は低く作った口調で速水を呼んだ。
自然を大切にしましょう。草花を無暗に折ってはいけません。
そういう抗議を込めた口調だったが、田口に向き直った速水の表情は寧ろ開き直っていた。
「いいだろ、あれぐらい。二人とも可愛いし」
予想通りに親バカ丸出しのセリフが零れ、田口は呆れた顔を隠しもしなかった。
「楽しみだなぁ」
朝から不定愁訴外来を襲来した速水は、散々に娘たちの可愛らしさを力説した後、田口に花見の約束を押し付けた。
ちなみに桜はまだ咲いていない。速水には可愛い娘もいない。
「子供のいない親バカ……っておかしいよな?」
それは単に、バカと言うのではなかろうか。
何だかいろいろ投げやりになっている田口は、浮かれる速水を余所に、どうでもいい事を考えていたのだった。
桜のない学校で過ごした経験がある人の方が少ないかもしれない。
東城大にもいろいろな場所に桜の木があった。
医学部や附属病院の近くにもあるし、一般共通棟や理工学部の傍にもある。
大学キャンパスに近い桜は、花見のシーズンともなると夜な夜な新歓コンパと称して学生が群がったりする。
だが、附属病院に近い旧棟から続く桜並木は、一家族で一本を独占することが出来た。
「おはな、キレイ」
「ふやや~~っ」
「二人とも転ぶなよ――」
風でふわりと落ちてくる花弁を追いかけて、上を向いたままクルクルと足踏みする双子の娘に速水は声をかけた。
だが、二人とも聞いていないのは明らかだった。
田口も溜息を吐きながら、ランチボックスを片付けた。
速水家の花見は、毎年病院の敷地内で行われている。
人の集まる公園などは、田口が面倒臭がる為だ。
お手製のお弁当を持って、子供たちには病院の売店でジュースを買って、大人は水筒にコーヒーを入れてきて、家族水入らずで花見を楽しむのである。
「えいっ」
「捕まらな――いっ」
ペチン、と子供の柔らかい掌が打ち合わされる。
落ちてくる花弁を捕まえようとしているのだが、先程から空振ってばかりだ。
公子より運動神経のよい晃子でも、上手くいかずに眉を下げている。
落ちてくる花弁ばかりを目で追っている娘たちを見ていると、速水は学生時代を思い出した。
「俺もやったなぁ」
「何を?」
「桜の花びら。斬ろうとして、ずっと目で追ってた」
医鷲旗を目指し、強くなろうとしていた時だ。
桜の花弁を斬ろうなど、今思うと恥ずかしいほどに熱血青春していたのではなかろうか。
田口もそう思ったのだろう、呆れたような苦笑を浮かべた。
「お前、そんなことやってたのか」
「若気の至り?」
「俺に訊くなよ」
そういう田口に一つ笑い、速水は立ち上がった。
長身を存分に活かして桜の枝を小さく折り取り、晃子の耳元に挿してやる。
「あきちゃん、いいなーっ」
「パパ、きーちゃんも!」
公子が羨ましそうな声で言った。
公子の分の花を、晃子が声を上げて強請る。
「解ってるよ、ほら、きみの分だ」
もう一度腕を伸ばして小さな枝を折ると、速水は今度は公子の耳元に挿してやった。
「よし。二人とも可愛いぞぉ」
「えへへっ」
「ふふふっ」
ご満悦の速水に誉められて、晃子と公子はお互いを見た。
それから手を繋いで可愛く笑い出す。
「はーやーみー?」
田口は低く作った口調で速水を呼んだ。
自然を大切にしましょう。草花を無暗に折ってはいけません。
そういう抗議を込めた口調だったが、田口に向き直った速水の表情は寧ろ開き直っていた。
「いいだろ、あれぐらい。二人とも可愛いし」
予想通りに親バカ丸出しのセリフが零れ、田口は呆れた顔を隠しもしなかった。
「楽しみだなぁ」
朝から不定愁訴外来を襲来した速水は、散々に娘たちの可愛らしさを力説した後、田口に花見の約束を押し付けた。
ちなみに桜はまだ咲いていない。速水には可愛い娘もいない。
「子供のいない親バカ……っておかしいよな?」
それは単に、バカと言うのではなかろうか。
何だかいろいろ投げやりになっている田口は、浮かれる速水を余所に、どうでもいい事を考えていたのだった。
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COMMENT
この上なく報われてます…(笑)
「子供のいない親バカ」
それは単にバカというのではなかろうか。
あの~…
すみません、爆笑してしまいました。なにかを読んでて声に出して笑ったの久しぶりな気が…。田口先生の無言のモノローグが、回を増すごとに冷たくなっていくような…(笑)。
でも、いい夢見れてよかったね、将軍!
それは単にバカというのではなかろうか。
あの~…
すみません、爆笑してしまいました。なにかを読んでて声に出して笑ったの久しぶりな気が…。田口先生の無言のモノローグが、回を増すごとに冷たくなっていくような…(笑)。
でも、いい夢見れてよかったね、将軍!
Re:この上なく報われてます…(笑)
いらっしゃいませ。再びのコメント有り難う御座います。
>行灯先生のモノローグが、回を増すごとに冷たくなっていくような…。
冷気増量しているつもりはないのですよ。他でも「コイツ頭大丈夫か?」的なことは散々言ってるから、行灯先生。
唯一エンディングで甘かったのは、「優しくしてあげて」ってリクがきた時だけでしたねぇ、多分。
しかし将軍は一向にメゲておりません! 逞しいですね。
笑ってくれて、こちらこそ有り難うでした。
またそういうフレーズが生み出せるとよいなぁ……ガンバりまっす。
>行灯先生のモノローグが、回を増すごとに冷たくなっていくような…。
冷気増量しているつもりはないのですよ。他でも「コイツ頭大丈夫か?」的なことは散々言ってるから、行灯先生。
唯一エンディングで甘かったのは、「優しくしてあげて」ってリクがきた時だけでしたねぇ、多分。
しかし将軍は一向にメゲておりません! 逞しいですね。
笑ってくれて、こちらこそ有り難うでした。
またそういうフレーズが生み出せるとよいなぁ……ガンバりまっす。