初さまのキリ番リクエストです。
えっとこれは、38888分でよいのか?
ラヴィアンローズをもう一つ。最早好き勝手に書いております。
「こんなん却下!」ならどうぞ容赦なく仰って下さいませ。
もうすぐ4月ですねぇ。ラヴィアンローズシリーズはエイプリルフール企画で書いたものなので、発足一年ということになります。
細々と生き長らえてこられたのも、皆様の支持の賜物です。有り難う。
えっとこれは、38888分でよいのか?
ラヴィアンローズをもう一つ。最早好き勝手に書いております。
「こんなん却下!」ならどうぞ容赦なく仰って下さいませ。
もうすぐ4月ですねぇ。ラヴィアンローズシリーズはエイプリルフール企画で書いたものなので、発足一年ということになります。
細々と生き長らえてこられたのも、皆様の支持の賜物です。有り難う。
「えええ――――っ!」
「パパいないのぉっ?!」
「ほんっとゴメン!」
二人の娘たちがこぞって非難の声を上げた。
速水は反論のしようがない。
幼稚園児を、大の男が両手を合わせて拝んでいる姿は、傍から見ればなかなかの見物ではあった。
田口の感想を余所に、晃子と公子は揃って頬を膨らませる。
「だって、パパの誕生日よっ!」
「パパがいなきゃダメなんだもんっ」
事の起こりは、来月の出勤予定を田口がカレンダーに書き込んでいた時だった。
泊りがけの学会出張予定日を線で引っ張って、そこで田口はカレンダーに既に書き込みされていた花丸に気付いたのだ。
「あれ? お前、誕生日出張?」
「え? あ、ホントだ」
速水自身も、出張の最初の日付は覚えていたが、出張期間が自分の誕生日と重なることには気付かなかったらしい。
そこで、田口の呟きを聞きつけた二人の娘たちが、盛大に騒ぎ出したのである。
「なんでなんで――っ」
「何でって言われても、なあ。パパ、お仕事なんだから仕方ないだろう?」
「ヤなの――っ!」
田口が二人を交互に宥めるが、晃子も公子も全く納得しようとしない。
興奮し、地団太を踏み、涙目になっている。
速水は両手を広げ、二人の娘たちをいっぱいに抱き締めた。
「ほんっとゴメンな。来年は絶対二人にお祝いしてもらうから、許して? な?」
「「う~~~~っ」」
晃子も公子も、パパは大好きだ。
だから、ゴメンと言われ許してと言われれば、許してあげたい気持ちはたくさんある。
だが、なかなかすぐには納得出来ず、二人揃って唸った。
田口も助け船を出した。
「少し遅れちゃうけど、パパが帰ってきたらちゃんとお祝いするから。そうだ、パパのお誕生日には電話しようか。電話でハッピバースデー歌ってあげよう?」
「あ、それ嬉しいなぁ。すっごく聴きたい」
「「う?」」
田口の提案はかなり魅力的だった。思わず素で速水は頷く。
晃子と公子の興味も惹いたらしく、二人は泣くのも忘れてきょとんとした顔になった。
「な? 二人がハッピバースデー歌ってくれたら、パパ、仕事頑張っちゃうぞ」
「ほんと?」
「ホント。早く帰れるように頑張ってくるから」
「そしたら、お誕生日する?」
「うん、そうだな」
問答の末、二人は納得したらしかった。
田口に「お誕生日ケーキ」の話を振られ、興味はあっさり食べ物に移っている。
きゃいのきゃいのとはしゃぐ二人を見ながら、速水は安堵の溜息を吐いたのだった。
「決めた。俺絶対、誕生日には仕事入れない」
朝から不定愁訴外来を襲撃し、妄想まみれの夢の話を繰り広げた挙句、速水は堂々と宣誓した。
田口としては呆れる以外出来ることなどない。
「またそんな迷惑な決意を……」
不定愁訴外来なら兎も角、救命救急センターで誕生日がどうのなど言っていられる筈がないのに。
想像の中でさえグッタリしている佐藤副部長代理を、田口は気の毒に思ったのだった。
「パパいないのぉっ?!」
「ほんっとゴメン!」
二人の娘たちがこぞって非難の声を上げた。
速水は反論のしようがない。
幼稚園児を、大の男が両手を合わせて拝んでいる姿は、傍から見ればなかなかの見物ではあった。
田口の感想を余所に、晃子と公子は揃って頬を膨らませる。
「だって、パパの誕生日よっ!」
「パパがいなきゃダメなんだもんっ」
事の起こりは、来月の出勤予定を田口がカレンダーに書き込んでいた時だった。
泊りがけの学会出張予定日を線で引っ張って、そこで田口はカレンダーに既に書き込みされていた花丸に気付いたのだ。
「あれ? お前、誕生日出張?」
「え? あ、ホントだ」
速水自身も、出張の最初の日付は覚えていたが、出張期間が自分の誕生日と重なることには気付かなかったらしい。
そこで、田口の呟きを聞きつけた二人の娘たちが、盛大に騒ぎ出したのである。
「なんでなんで――っ」
「何でって言われても、なあ。パパ、お仕事なんだから仕方ないだろう?」
「ヤなの――っ!」
田口が二人を交互に宥めるが、晃子も公子も全く納得しようとしない。
興奮し、地団太を踏み、涙目になっている。
速水は両手を広げ、二人の娘たちをいっぱいに抱き締めた。
「ほんっとゴメンな。来年は絶対二人にお祝いしてもらうから、許して? な?」
「「う~~~~っ」」
晃子も公子も、パパは大好きだ。
だから、ゴメンと言われ許してと言われれば、許してあげたい気持ちはたくさんある。
だが、なかなかすぐには納得出来ず、二人揃って唸った。
田口も助け船を出した。
「少し遅れちゃうけど、パパが帰ってきたらちゃんとお祝いするから。そうだ、パパのお誕生日には電話しようか。電話でハッピバースデー歌ってあげよう?」
「あ、それ嬉しいなぁ。すっごく聴きたい」
「「う?」」
田口の提案はかなり魅力的だった。思わず素で速水は頷く。
晃子と公子の興味も惹いたらしく、二人は泣くのも忘れてきょとんとした顔になった。
「な? 二人がハッピバースデー歌ってくれたら、パパ、仕事頑張っちゃうぞ」
「ほんと?」
「ホント。早く帰れるように頑張ってくるから」
「そしたら、お誕生日する?」
「うん、そうだな」
問答の末、二人は納得したらしかった。
田口に「お誕生日ケーキ」の話を振られ、興味はあっさり食べ物に移っている。
きゃいのきゃいのとはしゃぐ二人を見ながら、速水は安堵の溜息を吐いたのだった。
「決めた。俺絶対、誕生日には仕事入れない」
朝から不定愁訴外来を襲撃し、妄想まみれの夢の話を繰り広げた挙句、速水は堂々と宣誓した。
田口としては呆れる以外出来ることなどない。
「またそんな迷惑な決意を……」
不定愁訴外来なら兎も角、救命救急センターで誕生日がどうのなど言っていられる筈がないのに。
想像の中でさえグッタリしている佐藤副部長代理を、田口は気の毒に思ったのだった。
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